Syria Getting More Russian Air Defenses, Helos
aviationweek.com June 27, 2012ロシアから防空システム、再整備ずみヘリコプター、ジェット戦闘機等総額5億ドル近くの装備品が国際社会からの批判をものともせず今年中にシリアに引き渡される観測が出ている。
- これはモスクワの軍事シンクタンクCASTののレポートでアサド大統領の国内鎮圧にロシアが武器を供給しているとの非難をさらに加熱させるもの。また防空システムは国際武力介入の際に使用される可能性があり懸念を生じる。
- ロイターは同レポートを発表前に入手し、ロシアからシリアへの武器販売契約書が2005年から2007年にかけて存在していることを知った。
- 契約書締結は国内蜂起の発生を相当さかのぼるもので、ロシアはシリア向け債権134億ドルの7割を放棄しており、これまで債務不履行のためにシリア向け武器販売が滞っていた要因を取り除いている。
- またこのレポートによるとロシアはMiG-29戦闘機12機、Mi-25攻撃ヘリ数機を今年中にシリアに引き渡すという。さらにBuk-M2EやPantsir-S1の引渡しも今年中に実施し、地上部隊の防空能力を引き上げるという。
- MiG-29契約は総額6億ドルでオプション12機購入を含む。同レポートでは年内に12機引渡しを予測。同戦闘機には空対空、空対地ロケットを装備し、シリア上空に「飛行禁止地区」設定の際にも対抗できる。
- プーチン大統領はロシア製兵器は内戦に使えない性質のものと説明し、ラブロフ外相は過去に締結した契約により供給された装備は防御的なものと発言。
- これに対しクリントン国務長官はロシア側の発表内容でロシア製兵器が国内弾圧と無関係としていることは「明白な偽り」と発言。シリアの防空体制はほぼ全部がロシア製で、先日のトルコ空軍機撃墜以来あらためてその能力に関心が集まっている。
- フランスからはシリアの危機状況を終結させるためにも飛行禁止地区設定を検討中という。昨年のリビア危機でも同じように飛行禁止区域が設けられた。
- 「シリアの防空体制はリビアの上を行っている。」と同レポート著者のひとりルスラン・アリエフRuslan Aliyevは指摘している。
- 「一方でシリア防空体制は協力だが、多数のシステムで構成されており、津かこなせるだけの訓練をしているかは疑問だ。」(アリエフ)
- ロシアは契約内容でPantsir-1装甲ロケット装備36セットの引渡しの義務があり、このうち12セットが納入済みで残りも2013年までに移送される。
- 今回のレポートではシリア国防関係者で亡命してきたものからの主張、ロシア製小火器の引渡しがアサド体制への反抗が強まってから特に増えているという主張には触れていない。
- CASTはロシア国内国防産業との良好な関係を守っており、BMP-2戦闘車両に関しての両国間契約については触れていない。アマチュア撮影のビデオ映像で同車両がホムスほか各地で展開しているのが撮影されている。
- ロシアはアサド体制の強力な擁護者として知られ国連安全保障理事会の常任メンバーであり、拒否権をもつが、、シリア向け制裁には反対している。
- ただ今回のレポートではそのロシアもアサド政権との関係断絶が国益にかなうのとなれば武器輸出凍結に走る可能性を示している。
- 「シリア向けの武器協力関係はロシアには重要なものではない。貿易、防衛関係でも同じである。
- 「シリア向け武器輸出が停止となれば、国営武器商社Rosoboronexportはシリア発注の装備を第三国に振り向けるるかもしれない」
- ロシアはS-3000 およびイスカンダルミサイルの輸出を凍結した実績がある。その際は装備がイランが支援するヒズボラの手にわたる危惧をイスラエルが提示したのがきっかけ。
- Mi-25ヘリを搭載した貨物船は6月24日にロシアを再出港している。保険会社が保険引き受けを拒否したことで延期されていた。
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