F/A-XX And Growler Will Drive Next-Gen EW
aviationweek.com May 14 , 2012
防衛産業各社の規模は縮小傾向だが米海軍の電子戦(EW)用機材開発計画ではさらに大きな危機として、機材製造の能力がある会社がそれまでに何社残っているだろうかという懸念がある。
- 2030年までに新型機の競合そのものが無くなってしまうのではないかと軍上層部は不安なおももちだ。例えばボーイングは同社のF/A-18E/F スーパーホーネットの最終改修をもって同機から手を引く。
- スーパーホーネットおよびEA-18Gグラウラーの後継機となるF/A-XX打撃戦闘機、無人戦闘航空機(今のところX-47Bテスト機)および特殊用途空中中発射スタンドオフ兵器各種が海軍がめざす電子攻撃手段の中核だ。
- EWは電子攻撃(ジャミングおよびスプーフィング含む)、敵のジャミング・サイバー攻撃からの電子防御、敵ネットワークを攻撃するサイバー手段を想定する。
- 海軍は次世代ジャマー(NGJ)の情報開示請求を出したばかりだ。NGJはグラウラーの電子攻撃能力を大幅に上回るもの。
- 海 軍からはF/A-XXについてなかなか話が出てこないが、航空宇宙産業関係者はF-22と類似した性能が想定されていると見る。新型機は現有機材よりも高 速、高高度を飛行し、敵の防御陣内部に侵入できるものとなろう。これによりレーダー及び赤外線探知能力の有効距離がますことで、非ステルス機から目標をピ ンポイントで把握でき抵高度かつ遠距離から兵器を発射できるようになる。
- これ以外に新型機は無人攻撃機・偵察機のセンサーをリアルタイムで操作することで目標が突然出現しても対応が可能となる。
- 6月に仕様の最終案をまとめる、とドナルド・ガディス海軍少将Rear Adm. Donald Gaddis(海軍小航空システムズ軍団で戦術航空機開発部門の責任者)は言う。とくにNGJを2020年までに実用化することに重点を置いているという。
- 一方F/A-XXは2030年ないし35年に就役することが期待される。
- スー パーホーネットの稼働時間が9,000時間になる時点が機材更新の時期だろう、とガディス少将は見ている。スーパーホーネットは改修で1万時間までの延長 が可能とF/A-18E/F およびEA-18G.計画主査のフランク・モーレー大佐Capt. Frank Morleyはいう。
- 「新型機は、速度、航続距離、ペイロード、発展可能性の各面で要求性能が明確になりつつある。有人機とするのか、無人機の既存機体の延長線となるのか、ネットワーク機能の高度化もエアシーバトル構想の実現手段の一つという位置づけだ」(モーレー)
- 海軍はF/A-XXの代替手段検討analysis of alternatives (AOA)として将来の空母搭載航空群の構成や次世代空母戦闘グループの機能の想定を検討している。
- 「より高性能なセンサー類が必要であり、接近拒否領域排除を狙う敵の空間に入ることが必要です。各メーカーには電子攻撃、ISR、敵防空網の制圧を実現できる機材がどんな形になるかを尋ねているところです」(ガディス)
- 要求性能はともかく、海軍の立案者が懸念しているのは2020年あるいは30年までに何社のメーカーが残っているだろうかという点だ。
- 気 がかりなのはF/A-XXに必要な産業基盤です。F/A-XXの技術開発費用が実際に予算化されるのは2020年代以降でしょう。ボーイングはその段階で 戦闘機製造から撤退しているでしょう。戦闘機製造メーカーがどうなるでは空軍も同じ状況にF-Xで直面するはずです。当局としては競争状態が望ましいので すが、メーカーの数がその時点で十分残っているでしょうか」
- 装 備を共通化して軍事支出を削減したいという願望が実際に次期攻撃戦闘機の調達で見られる。議会からはF-XとF/A-XXの共用化を求める声が出てくるだ ろう。 「たしかにその可能性もあり、国防長官からは共同でAOAを進めるよう指示がでそうです。しかし、空母運用に必要な特性は空軍の求める特性とは異 なります。」
- もう一つの心配はスーパーホーネットの耐用年数が切れる段階でF-35の導入が遅れているとすると軍が必要とする機数と実際に使える機数に乖離が生まれることだ。
- 「F- 35がスーパーホーネットと交代するのは2019年以降でしょう。飛行隊が必要とする機材と利用可能な機材数にギャップが生まれます。そうなるとスーパー ホーネットの飛行可能状態を維持するために予算を計上することが必要となる。性能改修も数段階にわけ実施されよう。」(モーレー)
- AESAレーダーは強力なセンサーです。自動的に機能してくれるのでパイロットは他の操作に専念できます。電子攻撃、電子防御あるいはその他極秘事項があります」
- 海軍は同時に高性能の前方監視目標捕捉赤外線装置advanced targeting forward-looking infrared (ATFlir) の改善を進めており、安全な高度から乗員は個別目標を捕捉することが可能となる。
- さ らに赤外線捜索追跡装置infrared search and track (IRST) と分散目標捕捉システムDistributed Targeting System が実戦テストにあと一歩のところに来ており、後者では遠距離を飛行中の機内から兵装に正確な座標を入力できる。
- スーパーホーネットでは兵装ポッドをカバーする、一体型燃料タンクを採用するなどして探知しにくくする工夫を加えることになろう。前述のIRSTを装備しても機関砲は残す。海軍によれば最大の優先事項は電子攻撃への対抗手段だという。
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