Navy Readies For Training With First P-8A
aviationweek.com Mar 23, 2012防衛装備調達で暗いニュースが続く中、米海軍のボーイングP-8Aポセイドン海洋哨戒機は開発日程、費用双方で概ね予定通り進展しているまれな例になっている。
- 同機は着実に飛行時間を稼いでおり、量産型の第一号機も3月5日にジャクソンビル海軍航空基地(フロリダ州)に引き渡され、部隊訓練の開始が迫っている。
- ペ ンタゴンの運用試験評価部長は2011年度報告書で同機の運用テストの遅延を危惧していたが、関係者は予定通りの進展だと自信を深めている。報告書ではソ フトウェア問題、飛行性能限界の確認の問題で初期運用テスト評価 (IOT&E)の6月予定が実行不能となる可能性を指摘していた。
- 「SDD(シ ステム開発実証)は95%完了したとボーイングは説明する。SDD契約では飛行試験用6機、地上試験用2機の生産をすることになっていた。そのうち飛行試 験用の最初の3機と量産型に近い形で運用試験に投入する2機がパタクセントリバー海軍航空基地(メリーランド州)に配備されている。このまま推移すれば IOT&Eは「6月から8月の間に」完了するという。
- 西海岸北部では着氷試験に一機が使用される。アラスカからネブラスカ州まで広範囲の気象条件での試験が進められており、主翼の兵装パイロンの強度が確認されている。.
- P-8A1号機T-1は耐空性能試験に使用されており、限界性能が引き上げられ、従来のバック角上限48度が見直される。対潜水艦作戦では53度が必要となる場合があるので、同機の性能限界もそれに呼応して確認される予定ですでに作業が進展している。
- テ スト部隊は同時にシステムソフトウェアの問題を解決しつつある。各問題は優先度1ないし2に分類されており、1はミッション上不可欠な能力の実施に支障を 与えるもの、2はミッション実施に支障となり、かつ機内では解決不可能なもの、という定義だ。ソフトウェアに起因してミッションシステムに音響システムな ど不可欠な機能で要求水準をまだ満たしていないものがある、という。ただし、ソフトウェア問題の9割以上が解決済みだとしている。
- 一 方、静止試験用機のS-1は2011年早期に評価完了し、S-2疲労試験用機材は今年第四4半期に試験開始する。S-1は火災試験に使用されたあと、高性 能機載センサー (AAS) 開発にも使用される予定。これはレイセオン製のレーダーでP-8A用にAPS-149沿海部監視レーダーシステムの後継機種として開発が進んでいるもの。
- た だし先のペンタゴン報告書では海軍がAASのS-1問題の解決を優先する判断に懸念を表明しており、量産段階前に実弾発射試験を完了できなくなるリスクが あるとする。これに対し、ボーイングは懸念はあたらないとし、S-1を分解中で今年後半の実弾発射試験に備えているという。
- 初 期低率生産13機のP-8Aの第二号機がミッションシステムの搭載をボーイングフィールドで実施中で、今年中頃に縮小渡される。P-8A用統合訓練セン ターがジャクソンビル海軍航空基地に開設されるのにあわせ実戦想定の飛行・ウェポン戦術訓練機が納入される。予算規模縮小の中、海軍は依然として合計 117機のP-8Aを取得し、P-3オライオンと交代させる意向で、IOT&Eを今年中頃に開始し、部隊配備を2013年に開始する予定だ。
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