スキップしてメイン コンテンツに移動

次期爆撃機は200機規模の調達になる可能性

New Bomber Force May Need 200 Aircraft
aviationweek.com Feb 17, 2012     By David Fulghum , Amy Butler Washington, Washington

米 空軍は、過剰性能の設計となり調達機数を縮小したB-2の経験から、次期長距離打撃爆撃機Long Range Strike-Bomber (LRS-B)では同じ過ちはくりかえさないとしている。B-1,B-52の代替配備を想定して最初から200機程度の調達規模になる可能性もある。
  1. 問題は新技術の導入を図りながら、予算不足や政治的な影響を排し規模縮小や計画の打ち切りをいかにして回避するかだ。B-2では生産停止をあまりにも早期に決定したため機体単価が20億ドル以上に高騰した。
  2. 2013 年度予算要求はLRSに292百万ドルを計上している。2017年までの合計は63億ドル。ペンタゴンでは機体単価は550百万ドルを目標としているが、 業界ではこれはあまりにも楽観的と見る。レオン・パネッタ国防長官Leon Panettaも空軍に対して極秘プロジェクトの予算縮小を求めている。
  3. 「過剰設計の期待になることを回避すべく全力をつくします。適正性能の機体として発注する意向です」(ノートン・シュワーツ空軍参謀総長)
  4. シュワーツが求める同機の納入開始は2020年代中頃で、情報収集、電子戦、機外センサー類へのリンク機能が可能な機体と想定。ステルス機として敵の防空網を突破できる性能でありながら、機体価格は大量調達が可能な水準とする。
  5. そ こで調達機数の想定が問題となる。空軍は80から100機を要求しているが、運用上の効果を発揮するにはその二倍の機数が必要との分析結果がある。「有効 な抑止力として機能するためには200機近くは必要です。むしろ機数はたくさん必要です。」(Washington Security Forum刊行「新型ステルス爆撃機」報告書著者レベッカ・グラントRebecca Grant)「信頼性を生むのは機数の多さです。」(空軍航空戦闘軍団前司令官ジョン・コーリーJohn Corley大将(退役) 一方、グラントは無人機版、有人機版の違いは重要ではないという。「ペイロードが4万ポンドで機内搭載燃料、機体自重に乗員と コックピットモジュールのある有人機にはそれなりの価値があります。新技術の応用も期待できます。たとえば非運動エネルギー兵器として高出力マイクロ ウェーブ兵器、レーザー、電子攻撃手段が想定できます。」「サイバー偵察・攻撃も期待できます。新型爆撃機には目標探知、攻撃能力が必要で、自ら電子攻撃 効果を確認することも求められます」(コーリー) 
  6. 「今 後40年間にわたり供用に耐える機体には新技術を積極的に導入すべきです。少なくともレーザー兵器は必要でしょう。また新型爆撃機が投入されるのは情報戦 闘空間です。ここではまだ我が方の軍用機で十分成功した実績はありません。通信装置では機体間の交信にくわえISR情報の交換が求められます。その実現は 大きな課題です』(グラント)
  7. またB-2よりも大きな飛行速度が求められる。
  8. 「ステルス爆撃機にはスピードが必要です。F-22では超音速ステルス戦闘機を実用化しました。緊急時に超音速飛行が可能なステルス爆撃機の開発はアメリカなら可能でしょう。これも技術上の課題です。」(グラント)
  9. 「さ らに高性能ステルスが必要です。防空網は進歩し続け拡大しています。中程度の防空網でも大きな問題になります。2003年にイラク軍は合計3,884発の 地対空ミサイル(SAM)を25日間農地に発射しており、移動式SAMの66%は発見できませんでした。コソボ紛争(1999年)ではセルビア軍は78日 間で894発のSAMを発射しています。今後はもっと申告になるでしょう」(グラント)
  10. 「将 来はもっと高性能の対空ミサイルとしてロシアのSA-20やSA-21と同程度の兵器が登場するでしょうし、防空網の機能そのものも今まで出現したものよ りも高度になるでしょう。アジア太平洋の敵性国家の戦闘機も心配な要因です。』(グラント) 24時間体制で攻撃できる「どこにでも出現出来る機体、情報を処理出来る機体」が必要なのだという。

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ