New EW Capabilities To Emerge With NGJ
aviationweek.com Jan 27, 2012次世代ジャマー(NGJ)の技術内容はこれまで秘密にされてきたが、航空産業各社からヒントがあらわれつつある。
- アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)はNGJ契約受注を狙う各企業チームがそれぞれ提案内容に入れているが、これによりNGJがセンサーと同時に電子攻撃機能も持つことを意味する。ただそれを実戦レベルにするための開発努力はまだ十分でなく、予算手当も必要だ。ロッキード・マーティンのF-22ラプターとF-35共用打撃戦闘機にそれぞれ電子情報収集能力と電子攻撃能力を装備する構想には予算が振り向けられていない。
- 「あの構想は予算節約の方法として考えたものです。ただ、実現していないのは正しい判断ではありません。官僚的な組織内決定により動きがとれなくなりつつあります。」(デイブ・デプチュラ空軍中将(退役)、情報収集・監視・偵察部門の前トップ)
- そこでこの任務はNGJとそれを搭載する機体が担うことが期待されている。電子戦を実施するためには電磁スペクトラムの広い範囲の利用が必要だ。
- 「AESA の基本アレイを4つの象限に分割し、各象限を各機能に振り分けるか、別の目標に使用する構想を検討しています。あるいはアレイ全体を超高出力の発射に使う ことも出来ます。NGJではタイル状のアレイがあり、全部使うと小型装置のおよそ三倍の出力を発生することが可能です。アレイを部分的に違う機能に振り向 けると出力は減ります。当社はアレイごとに周波数を割り当て、操作可能で指向性を持たせることを考えています。」(マーク・クーラ、レイセオン戦術航空システム担当副社長)
- その他先端技術としてアレイ同士のチャンネル干渉を最小にする課題があり、その解決方法として低調波harmonicsを使う受信機・励磁機の開発が提案されている。その他航空機の表面をアンテナとして使用する技術がすでに研究されている。
- レイセオンはAESAパネルアレイとしてこれまでのタイルアレイの半分あるいは三分の一の厚みしかないものを開発中だ。これまで垂直に積み重ねていたものを水平に広げる構造で取り付けの柔軟度が高まる。
- 海軍関係者は今後登場する空母運用型の無人監視攻撃機(Uclass) にはポッド搭載は、ステルス性の維持上望ましくなく、機体構造に取り入れる意味でパネル状のアレイが必要だと明らかにしている。
- 窒 化ガリウムを使った発信機を使い広範囲周波数能力の実現とともに高出力化が鍵となる。ただし、この発信機は発熱するためタイルをアルミ製芯部に組み込ん で、この芯部に冷却材を注入し、冷界技術cold-wall technologyを利用して長期間の使用を可能とするのだ。
- ステルス機はアンテナやアレイを機体表面に組み込み、発信機は機体内部に取り付けることが多い。だが、NGJには従来より大きな主電源が必要となる。
- 「レ イセオンのNGJでは内部にラムエアタービン式の発電機を取り付けて、必要量以上の発電能力があります。社内試験ではこの発電機をNGJポッド内に入れて 最高出力実験をしており、各高度・速度で熱管理の効果を検証しています。」(ニック・ユーロス レイセオンNGJ担当副社長)
- 実 戦の想定ではNGJの電子攻撃能力は使い捨ての空中発射電子戦兵器により補完されると海軍関係者は想定する。小型おとり装置のジャマー(Mald-J)は 小型巡航ミサイルの形状で高出力マイクロウェーブ装置を搭載し、短距離なら敵のセンサーを破壊、妨害、あるいは欺瞞する能力がある。Maldは使い捨てで 目標近くで利用できるのが利点であり、敵の電子装置を攻撃するだけの出力をもたせる必要がない。
- さらにMaldを作動させるのは短時間のため発熱問題はさして考慮しなくてよい。また小型であるため敵の防空網でも生存性は高い。そこで、MaldをNGJと併用することは敵の統合防空システムへの対抗策を個別的に提供できることにつながる。
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