Chinese J-20 Stealth Fighter Advances
aviaionweek.com Jan 30, 2012各種情報を合わせると成都J-20の登場は西側情報機関では予測されていなかったようだ。中国がステルス機を開発中との情報はあったもののJ-20の登場は予想より前で、機体は実験機あるいは実証機の域を超えた熟成度を示している。
- J-20の登場は2009年11月の中国テレビ報道で人民解放軍空軍副司令官He Weirong将軍とのインタビューで予測されていた。同将軍は「第四世代戦闘機」が2010年から11年に初飛行し、2017年から19年に実戦配備されると語っていた。
- 2011年1月11日のJ-20初飛行の時点で試作型の機体は少なくとも二機完成していたようだ。二機は排気口の形状で区別できる。一機はロシア製AL-31Fエンジン、もう一機は成都J-10と同じ国産WS-10エンジンを搭載しているようだ。
- J-20は大型機で、全長は66フィートでロッキード・マーティンF-22(68フィート)と大差はないが、兵器庫は機体下部にあるほか、小型の兵器庫が機体側面にあり、空対空ミサイルを格納すると見られる。
- J-20にもJ-10のようにカナード翼がついているが、J-20のカナードは主翼のすぐ前方で主翼と同じ高さに装着されている。
- ス テルス設計は大部分がロッキード・マーティンのF-22とF-35の例にしたがっているようだ。機体前部のチャインラインが高く、空気取り入れ口まで続い ており、機体上部のラインが平坦な下部につながっている。キャノピーはF-22の形状そっくりだ。J-20ではDSI(空気の流れをうかいさせない超音速 空気取り入れ口)を採用しており、J-10B、JF-17、サーブ・グリペンJAS39E/Fに続くものだ。
- 機 体後部のステルス性はさしてないようで、スホイT-50と共通。これは意図的にF-22の重量級2Dノズルの採用をしないためだろう。T-50,J-20 共通して高速、高高度飛行の機動性が高い機体は後部からの攻撃に遭遇する可能性は少ないとしているようで、F-22の元となった高性能戦術戦闘機構想 (1986年)以前の考え方である。
- 中 国国内の報道によると設計思想は高速、操縦性を中国国内で利用可能なエンジンで実現することであり、西側エンジンより推力重量比が劣ることを前提にしてい る。その結果でデルタ翼と機体を長くし超音速時の抗力を低くし、カナード翼で機動性を確保している。全動式垂直尾翼は通常よりも4割小さい、したがって軽 量といわれる。現在のエンジンでは超音速巡航はできないだろうが、機体設計はそれを狙っているようなので、中国国内のエンジン技術水準の向上を待つのだろ う。
- 2012 年の中国事情の観測筋は同期の飛行テストの進展を見守り、ステルス性の根拠となる設計上の特徴を見つけようとするだろう。ステルス機には多元的なアクティ ブ・パッシブ両方のセンサーが必要で、機能を統合し電波の発信量を最小にすることがもとめられる。同様にネットワーク環境での運行効率を最大限にするため にもステルス機には発見しにくい音声・データ両面の通信装置が必要だ。これらの分野では米国が25年かけて依然として解決をもとめているところだ。
- た だ根本的な疑問は残る。そもそもJ-20は何のために作られたのか。空中戦用途には機体が大きいが、中国の地理的な条件からF-22が想定するような敵機 との交戦は想定していないのかもしれない。同時にJ-20の武装格納庫はスタンドオフ型の空対地兵器には小さすぎる。一つ考えられるのは情報収集監視偵察 機材や空中給油機にステルス性と高速飛行で脅威を与える目的で作られたのかも知れない。
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