スキップしてメイン コンテンツに移動

ターミナル1共通記事 2012年のトピックス12題

   

12 Topics To Watch in 2012

aviationweek.com Jan 23, 2012    
昨年は米空軍の空中給油機選定、エアバス、ボーイングがそれぞれ売れ筋のA320と737のテコ入れ、NASAのスペースシャトルが最後のミッションを完了などがあった。では今年2012年の航空空宇宙産業、国防関係で予想される出来事はどうか。

サプライチェーンの強化 Supply Chain Ramp-Up
エ アバス、ボーイングの合計で2011年中の新規受注の純増は2,150機に上った。エアバスの場合では一機生産するたびに三機の受注があった計算になる。 では2012年の課題とは言えば販売が成立した案件を確実に生産することだろう。これまでのところサプライチェーンは大手二社の生産増に対応した納入をし てきたが、二次メーカーが投資を切り詰めて、生産能力は景気のどん底だった2008年-09年水準に抑えているので今年は試練の年になるだろう。

中国とロシアの宇宙開発の行方 Chinese and Russian Space Programs
中 国は昨年11月のドッキング成功で宇宙開発の大きな躍進を示した。今年は神舟9号、10号と二回のドッキングを予定しており、宇宙ステーションを2020 年に完成させる目標で突き進む。一方、ロシアの宇宙開発は大きな痛手のあと停滞しそうで、NASAが国際宇宙ステーションへの運搬手段をロシアに依存して いることへの懸念を起こそう。

サイバー防衛 Cyberdefense
米 国政府ならびに民間企業が中国からのサイバースパイ活動の激化に悩むなか、サイバー防衛が国家の安全保障の中で重要な意味を持つに至っている。だが、米国 にはサイバー防衛作戦の具体的な案は未整備のままで、政府各省庁と軍に分散したままで協調は絵に書いた餅になっているのが現実。今年はこれが議論の話題と なるが、有効な解決策は見つかりそうにない。

航空宇宙産業の再編  Aerospace Consolidation
ユ ナイテッド・テクノロジーズが184億ドルでグッドリッチを買収する案を発表しておりこれが5月までに承認の結論が出る。では、ハネウェル、ジェネラル・ エレクトリック他大手企業はユナイテッド・テクノロジーズの『超大手』のステータスにどう対抗するか。一方サプライチェーンでは単なる部品メーカーから統 合システム供給メーカーへと脱皮を図る会社が統合の動きを強めるだろう。

無人機を民間航空に投入 UAVS In Civil Air Space
小型無人機を民間航空路で飛行させるFAAの新規則に対するパブリックコメントの内容が注目される。これが実現すると軍用以外に無人機の市場が拡大する。規制当局はすでに無人機の運航に神経をとがらせている。
           
ボンバルディアのCシリーズ CSeries
ボ ンバルディアCシリーズの初飛行は今年末までに実現の見込み。史上最も野心的な内容の同機の開発を問題なく同社は進められるか。現在の133機という受注 数をどこまで増やせるか。しかもエアバスA320やボーイング737に効率で優位のあるエンジンが搭載されるに至っている。また同機の胴体部分を中国で生 産することで中国のエアライン各社からの注文が増えるかどうか。

米国の国防予算 U.S. Defense Budget
議 会が赤字削減策としての6,000億ドル自動削減策を承認できないまま、すでに承認済みの4,500億ドルはそのまま実施される。タカ派は削減策の一部見 直しを主張するだろうが、予算をめぐるコンセンサスが不在の中では勝ち目は低い。選挙の年に特有のレトリックには要注意。また計画の維持をめざす激烈な抵 抗も予想される。一方でペンタゴンがアジア太平洋を重視する姿勢に切り替えたことが空軍と海軍には朗報となる。陸軍の削減枠を利用することになろう。

AF447便の教訓 Lessons from AF447
エー ルフランス447便墜落事故の調査結果でパイロットの誤操作で機体が失速し、大西洋に突っ込んだことが結論とされた。フライバイワイヤの自動パイロットは ピトー菅の着氷で飛行スピードのデータが読めなくなったあとで切られていた。乗客乗員228名全員の生命を奪ったことでコックピット内操作の訓練を強化す べきか、特に失速状態からの復帰を可能とするなど異常状態への対応策が議論されている。

宇宙の商業利用 Commercialzing Space
民 間会社数社がNASAのスペースシャトル引退でできた空隙を埋めようとしている。今年末までにはその結果がわかるだろう。スペースXSpaceXは 2010年に宇宙機の軌道よりの回収に民間出始めて成功しており、早ければ2月にも同社のファルコン9/ドラゴンで国際宇宙ステーションへの飛行を試みる だろう。オービタルサイセンシズアンタレスOrbital Sciences Antaresとヴァージンアトランティック Virgin Galacticの準軌道飛行用スペースシップトゥーは今年処女飛行に成功するかもしれない。その他ブルーオリジンBlue OriginとストラトロンチシステムズStratolaunch Systemsが資産家の援助を得て注目をあびるかもしれない。

次世代航空管制実現の行方 NextGen Modernization
FAA による次世代管制NextGenによる航空管制の近代化手段にオバマ政権が満額の予算をつけて、議会及び業界に強力な推進者が見られる。ただ2012年に 議会が赤字削減策で合意形成に失敗すると総額6,000億ドルの国内政策の自動削減の対象となってしまう。しかもこれが今後10年間続く。そうなると NextGenの実現は困難になろう。

共用打撃戦闘機 Joint Strike Fighter
こ のリストにペンタゴン最大規模の調達計画を加えないのでは片手落ちだろう。JSFが2012年中に計画中止になる可能性は少ないとはいえ、個別具体 的な開発内容の中には注目すべきものがある。ロッキード・マーティンが公約通りの価格を実現できるか。飛行テストチームはテストの進捗を改善できるか。今 年末の時点で三型式の機体構成のままでいられるか。目を離せない。

排ガス税 Emissions Tax
EU がエアライン各社を1月1日付で排出権取引市場に加え、各社が排出権を買取り、CO2排出量に応じた支払いをするという新しい時代が幕を開けた。だが、米 国、インド、中国その他からの反対の声で議論は白熱しよう。米議会は米系エアライン各社にEU規則に従うことを禁じ、中国・インドの当局も自国のエアライ ンがEU規制に従うことを防止する手順を進めている。

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ