First Look: Electronic Warfare Missile
aviationweek.com Nov 18, 2011米国は指向性エネルギー兵器を搭載するための専用ミサイルをすでに製作し、発射実験に成功している。実戦運用はまもなくと思われるが、使用されれば敵の電力網を撹乱、停止、あるいは損害をあたえることができるが、この全貌はほとんど不明のままだった。
- た だし各種の情報を総合するとこの新型ミサイルの運用コンセプト(conops)が浮上してきた。プロジェクト名は対電子装置高出力マイクロ波発達型ミサイ ルプロジェクトCounter-electronics High-power Microwave Advanced Missile Project (Champ)だ。
- ボーイング発表の想像図ではB-52から投下される空中発射型の設計のようだ。ただし、指向性エネルギー高出力マイクロ波(HPM)を発生するペイロードは陸上、海上、に加えて空中出の運用が可能な柔軟性を持つ。
- 対電子装置能力では無線周波数帯の全域が標的になるとボーイングは明らかにしており、その効果は目標の周波数ならびに実行性放射出力effective radiated power (ERP)に依存するという。
- 空 軍製作のビデオクリップ2本でconopsと効果が示されている。巡航ミサイルが低高度出飛行しながら高層オフィスビルに向けてHPMビームを側面及び下 方から発射している後継がアニメーションで示されている。ビルの照明が消える。実写では室内のデスクトップコンピュータの場面が真っ暗になる光景が写って いる。
- ただ2つの疑問が残る。Champはステルス性があり、再使用が可能なのか。ボーイングの図を見ると機体は小型で発射後に主翼が伸長する。ボーイングの図は実際のミサイルと一致しない可能性があるが、同社制作の空中発射型巡航ミサイルと類似している。
- Champの初発射は5月17日にユタ試射訓練場(ヒル空軍基地内)で行われており、目標群への照準は成功し正確な照射により付随的損害を最小限あるいは皆無にできると確認されている。
- 巡 航ミサイルはレーダー断面積が小さく、小型でレーダー波吸収あるいは反射塗料を施す事が可能だ。このため、開戦初日に巡航ミサイルで敵の防空網を突破する 手段となる。Champの仕様でも同じ運用能力とステルス性がうたわれている。ただしHPMペイロードはChampだけに搭載されるわけではない。無人機 への搭載も可能だ。
- 関 係者はChampが空軍による長距離攻撃兵器(LRS)と関連があるのかについては口を閉ざしている。指向性エネルギー兵器と電子攻撃能力がLRSに搭載 され無人機で運用すると空軍、業界関係者が発言している。HPM兵器はもっと小型の機体にも大型の機体にも搭載できるという。
- 小型であれば敵目標に探知されずに接近することが可能な一方、開口部が大きいほど高出力となるので大型装置も必要になるだろう。
- ミサイルの機体部分を製作したのはボーイングのファントムワークスで誘導システムも製造した。その際に巡航ミサイル、無人攻撃機等の知見を空軍研究所と連携して応用した。
- レ イセオンがこの度買収したKtech部門がHPM弾頭部を製作した。今後のテスト飛行で機体部と弾頭部分の整合性が2012年7月までにかけて研究される 予定だ。レイセオンはHPMによりレーザーは重要性を失い、指向性エネルギー兵器が次世代の戦闘作戦の中心となるとみる。ボーイングは同社製無人機に再使 用可能な複数回発射可能なHPM兵器搭載を検討している。
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。