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強化される米陸軍無人機のセンサー性能

More Eyes For Army UAVs




aviationweek.com Mar 25, 2011

1. 米陸軍はジェネラルアトミックスのMQ-1Cグレイイーグル無人機を今春にテスト機とし、搭載する多機能センサーを地上要員または別機の搭乗員から操作可能かを試す。
2. トライクロップスTriclopsの名称のこのシステムにはセンサーを左右の主翼下部に追加している。これにあわせて機体にセンサーが搭載されているので三つになる。トライクロップスはすs出に実験室では作動が確認されているが、実際の飛行でも効果が証明されると、陸軍は早ければ12月にも同機をアフガニスタンに投入し実戦環境でテストする。
3. トライクロップスの中核部分は送受信兼用のデータリンクソフトウェアで、Kutta Tech(本社フェニックス)が開発した地上歩兵あるいは機内搭乗員にビデオ端末One System Remote Video Terminal (OSRVT)により無人機のセンサーを操作するとともに、電気光学あるいは赤外線カメラやレーザー照準機も操作し、自動飛行制御で無人機の飛行も継続させられるもの。現状のOSRVTは受信だけのシステムでUAVからのビデオ信号をモニターするものだが、搭載するセンサーの操作はできない。これに対し送受信兼用ビデオ端末では特殊形式のケーブルとアンテナが必要でグラフィックユーザーインターフェースにより操作者はタッチスクリーンで任意の方向にセンサーを向けることができる。地上ステーションからなら搭載するセンサー三つを同時に制御できる。
4. 追加のセンサーは左右の主翼中央部の強化部分に搭載される。テスト用のトライクロップスにはレイセオンのAN/AAS-53共用センサーペイロードが使われる。MQ-1Cは陸軍が少数機をイラク、アフガニスタンでこれまで運用している。
5. トライクロップスの運用成績がアフガニスタンで効果的と認められると、次に同じシステムを陸軍が運用する無人機三形式に搭載するアンがある。MQ-1C、中高度を飛行するMQ-5Bハンター(ノースロップグラマン製)、RQ-7Bシャドー(AAI製)だ。グレイイーグルの飛行高度は15千から20千フィートだが、ハンターは8千から10フィートで、シャドーは6千から8千フィートであり、それぞれフルモーションのビデオ情報を得ることができる。
6. トライクロップスの飛行テストはまずジェネラルアトミックスの社有施設で開始され、陸軍も有人機無人機の組み合わせ運用の効率性を検証してからアフ、ガニスタンに送付する予定だ。陸軍は有人無人システム統合能力 Manned/Unmanned System Integration Capability (Music)演習を9月に予定しており、AH-64DアパッチブロックIII攻撃ヘリからグレイイーグルを操作する。
7. Music ではあわせて統合地上コントロールステーションUniversal Ground Control Station (UGCS)の実証を行い、シャドー、ハンター、グレイイーグルの各型を同じオペレーターで操作できることを確認する。UGCSの実戦配備は2012年を目標にしており、2016年までに陸軍のUAV各型操作装備の標準形となる。Music演習に参加する地上兵士にはハンドヘルド型のUGCSの操作実証を担当する予定だ。
8. 米陸軍の無人機担当部門がトライクロップスの飛行実証にこぎつけたのは記録的な短時間のほぼ一年で、これが可能だったのは各メーカーが自社資金を投入してきたためだ。
(写真は上からMQ-1Cグレイイーグル、MQ-5Bハンター、RQ-7Bシャドー)

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