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F-35は今世紀最大の失敗プロジェクトになるのではないか

Carter Confirms JSF Unit Price Nearly Doubled
aviationweek.com Mar 12, 2010

  1. ロッ キード・マーティン-35共用打撃戦闘機(JSF)の一機あたり価格が大幅に上昇し、50百万ドルから95百万ドルになっているとアシュトン・カーター国 防次官補(調達担当)が11日に議会で証言した。
  2. この価格は現在のドル価格では112百万ドル相当となる。
  3. 最初の開 発費用見積は2001年に2002会計年度のドル価格で作成されており、ロッキードはこれにより契約を受けた。当時の契約総額は500億ドル相当。カー ル・レヴィン上院議員(民主 ミシガン州)は上院軍事委員会委員長としてロッキード・マーティンは非現実的な低価格を意図的に提示して開発計画に着手した のではないかと問いただし、ボーイングとの競作に勝利してから予算超過を繰り返していると指摘。これに対し、カーター次官補は「その繰り返しが存在してい る」と認めている。
  4. 平均単価の算定には開発計画全体予算が反映されており、開発、調達、配備の費用が含まれている。大幅な予算超過によ り米空軍には予算超過額の上限を超えた「重大な」契約逸脱の場合には「数日以内に」議会にその旨を通知する義務があることになる。
  5. 上記 単価は米空軍、海軍、海兵隊全体で2,443機を導入する計画を反映している。
  6. あわせて、開発の遅れが延べ13ヶ月相当になっており、 米空軍は同機の初期作戦能力(IOC)獲得予定を変更しており、現在は2016年としている。先週はこれが2015年と発表していた。カーター次官補の JSF開発関連の覚書では運用テストの終了を2016年4月としており、空軍にさらに計画を再考するよう求めている。海軍もIOC獲得を2016年として いるが、海兵隊のみ依然として2012年に実現としている。
  7. 価格上昇の要因には2006年の海兵隊仕様の短距離離陸・垂直着陸型の重量 軽減策があり、これで開発が送れ、投入人員数を増加し、管理費も上昇させる一方、機体の共用性を損ない、生産機数を減らし、原材料特にチタンの価格上昇を 招き、主要部品メーカーにおいて費用上昇となったとカーターは分析している。
  8. それでもペンタゴンは同機導入を積極的に進める姿勢だ。マ イケル・ドンレー空軍長官もF-35に代わる選択肢はない、と先週に言い切っている。
  9. 上院でカーターは昨年11月からJSF開 発の統括を担当してきたが、その時点で予算超過は上院の求める注意水準にぎりぎりだったと発言。さらに開発のてこ入れとして28億ドルの追加予算があり、 生産ペースの低下もあり、テスト用機材の増加に加えソフトウェア用テスト施設も増強されている。すでに開発担当責任者の海兵隊少将は更迭されており、現在 は大将クラスのポストに格上げされている。

●何度も当ブログで言っているようにF-35は日本にとって導入の価値の ない選択です。対岸の火事と見ていられるのか、気がつくと日本も開発費用の相当部分を負担することになるのか、今後の政策選択ではどれだけ正確な情報が得 られるのか、どれだけ日本の利益が考慮されるのか、質が試されることになります。T-50の初飛行が報じられる中、F-22の生産施設保全の検討も行われれば、日本としても以前の価格に上乗せしてもF-22の確保に動くほうが賢明では。

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