Japanese Review Bolsters Non-F-35 Order Case
aviationweek.com Jan 8, 2010
1. 日本の航空宇宙産業を検討した報告書では同国の戦闘機製造技術が急速に衰退する可能性を指摘するとともに戦闘機をまるごと輸入するのは避けるよう同国政府に勧告している。
2. ユーロファイター・タイフーンの発達型、ボーイングF-15あるいはボーイングF/A-18E/Fのいずれかを購入し、50機の要求を実現することが議論されてしかるべきだ。
3. 「戦闘機技術を将来も継承するには、産業基盤が一度消滅すれば、経験有る技術者等が離散してしまい再建がままならないことを想起すべきだ」と戦闘機生産技術基盤改革委員会報告書はまとめている。
4. F-2に従事していた三菱重工業の技術社員のおおよそ7割は別の業務に従事している、と同報告書は指摘している。現在日本で唯一の戦闘機生産である同機関連業務に従事している技術者は合計60名にすぎない。
5. それどころか、F-2生産は2011年9月に終了する予定。同時にIHIのジェネラルエレクトリックF110エンジン生産ラインも停止する。IHIが ATD-Xステルス戦闘機技術実証機に搭載すべくXF5-1エンジン開発をすすめることも「生産能力の減少を遅らせるだけ」と同委員会は見る。
6. 「我が国が運用する戦闘機のために完全な国内生産基盤を維持することが望ましい。これで必要なメンテナンス、技術支援、性能向上が可能となる」
7. このくだりはATD-Xについて言及している。つまり、仮に米国がF-22供給を拒否すれば日本は独自にステルス戦闘機を開発するぞ、ということだ。
8. 日本の戦闘機製造に従事する合計1,100社で軍用航空機開発関連に投入されている延べ時間は1.1百万時間。このうち三分の一がATD-X、別の三分の一が縮小進むF-2、C-X輸送機・XP-1洋上哨戒機関連だ。残りの三分の一は機体メンテナンスに当てられている。
9. F-2調達が終了すると軍用機関連業務量が4割減ることになり、2014年までに国内での戦闘機開発はごく僅かな業務量になると同委員会は予測する。エンジン開発も同じ傾向となるが、電子関連は装備改修により業務量を維持出来る見通しだ。
10. このことから、産業基盤を維持するためには日本の技術陣には開発案件が必要だとする。ロッキード・マーティンF-35が現在F-X候補最有力と見られているが、この点での貢献度は低い。あるいは同機の改修型が検討されれば話は別だが、相当先のことになる。F-35生産の業務が日本にも割り当てられる可能性はある。ロッキードがかかえる多大な業務量には海外委託がされていないものもある。
11. これに対してユーロファイター社とボーイングはそれぞれ日本が望むのであれば自由に設計改修し自国仕様を完成させて良いと強調している。
12. ユーロファイターはさらに先に行っており、タイフーンの設計を自由に変更してよいといっている。
13. あるいは日本国内で戦闘機製造業務を増加させるにはF-2を追加生産し、性能向上を図るのが考えられる。これは防衛省の考え方と大きくハズレていないはずだ。
14. 同省の防衛技術本部で航空機開発の元主任もF-2追加発注が実現すれば単価は下がると分析している。
15. 日本経済は依然デフレ傾向であるにもかかわらず、F-2生産原価は90年代のF-15よりも高い。
コメント: タイフーンの導入はまだ実現性が低いのですが、全然ありえないことではないということですね。あるいはアメリカ勢に対する対抗力の切り札となるのでしょうか。防衛省にそこまでのプレイヤーの実力がアルトは思えないので、記事にあるようなF-2増産でつないで、ATD-X後の実用機開発に期待する、というのが国産技術振興の観点では望ましいのでは。武器輸出三原則の改訂あれば逆にステルス機を米国に輸出することも夢ではないのですが。まずは実証機の完成ですね。
aviationweek.com Jan 8, 2010
1. 日本の航空宇宙産業を検討した報告書では同国の戦闘機製造技術が急速に衰退する可能性を指摘するとともに戦闘機をまるごと輸入するのは避けるよう同国政府に勧告している。
2. ユーロファイター・タイフーンの発達型、ボーイングF-15あるいはボーイングF/A-18E/Fのいずれかを購入し、50機の要求を実現することが議論されてしかるべきだ。
3. 「戦闘機技術を将来も継承するには、産業基盤が一度消滅すれば、経験有る技術者等が離散してしまい再建がままならないことを想起すべきだ」と戦闘機生産技術基盤改革委員会報告書はまとめている。
4. F-2に従事していた三菱重工業の技術社員のおおよそ7割は別の業務に従事している、と同報告書は指摘している。現在日本で唯一の戦闘機生産である同機関連業務に従事している技術者は合計60名にすぎない。
5. それどころか、F-2生産は2011年9月に終了する予定。同時にIHIのジェネラルエレクトリックF110エンジン生産ラインも停止する。IHIが ATD-Xステルス戦闘機技術実証機に搭載すべくXF5-1エンジン開発をすすめることも「生産能力の減少を遅らせるだけ」と同委員会は見る。
6. 「我が国が運用する戦闘機のために完全な国内生産基盤を維持することが望ましい。これで必要なメンテナンス、技術支援、性能向上が可能となる」
7. このくだりはATD-Xについて言及している。つまり、仮に米国がF-22供給を拒否すれば日本は独自にステルス戦闘機を開発するぞ、ということだ。
8. 日本の戦闘機製造に従事する合計1,100社で軍用航空機開発関連に投入されている延べ時間は1.1百万時間。このうち三分の一がATD-X、別の三分の一が縮小進むF-2、C-X輸送機・XP-1洋上哨戒機関連だ。残りの三分の一は機体メンテナンスに当てられている。
9. F-2調達が終了すると軍用機関連業務量が4割減ることになり、2014年までに国内での戦闘機開発はごく僅かな業務量になると同委員会は予測する。エンジン開発も同じ傾向となるが、電子関連は装備改修により業務量を維持出来る見通しだ。
10. このことから、産業基盤を維持するためには日本の技術陣には開発案件が必要だとする。ロッキード・マーティンF-35が現在F-X候補最有力と見られているが、この点での貢献度は低い。あるいは同機の改修型が検討されれば話は別だが、相当先のことになる。F-35生産の業務が日本にも割り当てられる可能性はある。ロッキードがかかえる多大な業務量には海外委託がされていないものもある。
11. これに対してユーロファイター社とボーイングはそれぞれ日本が望むのであれば自由に設計改修し自国仕様を完成させて良いと強調している。
12. ユーロファイターはさらに先に行っており、タイフーンの設計を自由に変更してよいといっている。
13. あるいは日本国内で戦闘機製造業務を増加させるにはF-2を追加生産し、性能向上を図るのが考えられる。これは防衛省の考え方と大きくハズレていないはずだ。
14. 同省の防衛技術本部で航空機開発の元主任もF-2追加発注が実現すれば単価は下がると分析している。
15. 日本経済は依然デフレ傾向であるにもかかわらず、F-2生産原価は90年代のF-15よりも高い。
コメント: タイフーンの導入はまだ実現性が低いのですが、全然ありえないことではないということですね。あるいはアメリカ勢に対する対抗力の切り札となるのでしょうか。防衛省にそこまでのプレイヤーの実力がアルトは思えないので、記事にあるようなF-2増産でつないで、ATD-X後の実用機開発に期待する、というのが国産技術振興の観点では望ましいのでは。武器輸出三原則の改訂あれば逆にステルス機を米国に輸出することも夢ではないのですが。まずは実証機の完成ですね。
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