2010年12月31日金曜日

中国 J-20ステルス戦闘機の登場の背景にあるもの

China's J-20 Stealth Fighter In Taxi Tests
aviationweek.com Dec 30, 2010

1. 中国初のステルス機が先週末に高速地上走行試験を成都飛機工業集団の飛行場内で実施した。J-20の呼称といわれ、予想よりも大型の機体であることから、長距離と大規模な搭載能力を持っていると考えられる。
2. これによりゲイツ国防長官が2009年に予測していた中国にはステルス機の運用能力は2020年までには不可能とする内容、これがロッキード・マーティンF-22生産中止につながっている、そのものに疑念をいだかせることになる。
3. そもそもJ-20の存在は2009年に任人民解放軍空軍副司令官がテレビ取材で発言している。当時同副司令官は「第四世代戦闘機」(ステルス機の中国名称)は2010年ないし11年に初飛行し、2017年から19年に実戦配備となる、と語っていた。
4. J- 20は単座双発機でスホイT-50やF-22と比較しても大型の機体だ。地上車両と比較しても全長は75フィート、翼巾45フィート以上あるとみられることから離陸重量は75千ポンドないし80千ポンド級(外部搭載なしの状態で)あると考えられる。これは内部燃料搭載量が相当あることを示唆し、比較例では 60年代のジェネラルダイナミクスF-111が34千ポンドの燃料を搭載していた。
5. J- 20には同じ成都J-10と同様のカナード翼があり、T-50と同様に垂直尾翼は可動式である他、前部安定版には傾斜がついている。ステルス性機体の形状はF-22と類似している。機体表面は平滑で尾翼とそろえられており、主翼と機体の接合部はきれいに処理されている。傾斜角はF-35より大きく、キャノピーにはフレームがない点でF-22に似ている。
6. 搭載エンジンはロシア製サターンAL-31Fの系列である可能性が高い。生産型には今後実用化飲み込みの国産エンジンが搭載されるだろう。空気取り入れ口には分流無しで超音速を可能とするDSI技術が採用されており、F-35が最初に実用化して中国もJ-10Bとパキスタン共同開発のJF-17でも実用化している技術だ。
7. 着陸装置は機体側部に格納される構造でF-22と同様にその前部に兵装庫があることを示唆している。地上高はF-22よりも大きく、空対地ミサイルなど大型の兵装を運用できるだろう。11月の珠海航空ショーにおいて中国側技術陣はJ-20に新開発の空対地兵装の搭載の可能性を示していた。
8. これに対して機体後部の構造はステルス性が低いことを示しており、J-20にはF-22の持つ全方位ステルス性がないと見られる。これには二つの可能性がある。今回目撃された機体が実戦型機体開発のための最初の設計なのか、中国の求める性能要求に後部のステルス性は重要視されていないのか、だ。
9. そこで現時点ではJ-20とはT-50同様の試作機なのか技術実証用の機体なのかが大きな疑問点だ。この答えは今後1年から2年以内に何機のJ-20が飛行試験に加わるかを見ることで解決される。
10. 多様な任務をこなすステルス機の開発は単に機体の開発で実現するものにあらず、自動的にデータを組み合わせるセンサー、排気の制御、探知されにくいデータリンクが必要となる。中国の戦闘用航空機開発はただでさえ多忙となっており、短期間で高性能機体を実用化するのは大きな挑戦だ。ただ、J-10初飛行を 1996年に実現してからの中国空軍力開発は急ピッチで進展しており、経済の発達に加え人民解放軍が全方位で装備の近代化を進めていることがその背景にある。
11. ただエンジン開発の遅れが機体開発に影響している。瀋陽WS-10エンジンの信頼性と耐久性に問題があるとの情報がある。高性能エンジンには特殊合金や他に転用の聞かない工程が必要であることから、開発に時間がかかるのは至極当然のことだ。
12. エイビオニクス技術の進展の恩恵を受け、アクティブ電子走査スキャンアレイ、赤外線探知追跡装置を搭載する他、電子戦用の装備も搭載されているだろう。
13. すぐには答えが出ないだろうが同機開発にどれだけのサイバー諜報情報が活用されているのだろうか。米国国防産業のサイバー保安部門専門家は2006年(J- 20開発がスタートしたと思われる年)に高度持続的脅威(APT)と呼称される国防軍事産業を対象にしたサイバー脅威の存在を指摘している。高度なテクニックで侵入して情報を引き出すのが特徴だ。
14. APTは極秘の分野の外ではほとんど議論されていないが圧倒的大部分は特定一カ国から攻撃が発信されているという。
15. 2009年から2010年にかけてロッキード・マーティンは傘下の契約企業「6ないし8社」で「電子メール、ネットワークその他で完全に保安体制がゆるい」事を認識している。
16. J- 20のベールがはがされたのは中国式の情報活用・統制方法で国内の注目を集める意図もあるのだろう。試験場所は成都市内にあり、保安体制は欠如し、誰でも目に出来る場所だ。写真撮影は原則禁止というものの、携帯電話のカメラ撮影は黙認されているとの報道もある。12月25日以降中国国内のインターネット掲示板に複数の写真が掲載されており、日を追うごとに写真の質が向上している。その結果、国際社会からの関心も高くなっているが、中国による公式の発表は一切無い状態だ。
コメント 今年は中国のプレゼンス、なかんずく国防力の拡張に多大の関心が示された年でした。その締めくくりにこういうニュースが入るのは意味がありそうです。F-22の生産中止決定が本当に正しかったのか、F-35に労力を取られながら開発が遅延している間に隣国は手段を問わず次世代機を開発しています。情報戦の様相もあり、機密漏洩を恐れる米国が日本にF-22の提供を拒んだのも理解出来ないことはありませんね。ここまで来ると日本も真剣に空軍力の拡充を考えないといけないのではないでしょうか。

2010年12月26日日曜日

F-35JSF開発の遅延を容認するペンタゴン

Carter: Healthy JSF Worth Slip In Production
aviationweek.com Dec 22, 2010

1. ペンタゴンはF-35共用打撃戦闘機の生産をあえて減速させてでも開発中に浮上した問題点解決に注力する構え、と調達を統括する国防次官アシュトン・カーターが発言している。
2. 「システム設計・開発がうまく行けば生産コストは最終的には下がる。その意味で本格生産が若干遅れてでもその価値は出てくる」と本誌取材に答えた。
3. 同機開発では今年2月の段階で13ヶ月の遅れが発生しているが、ペンタゴンはさらに遅延を容認する検討をしている。その方針は最も早くて2月に発表されるだろう。2012年度予算原案を議会に提出するタイミング。
4. カーターは遅延が拡大しても海外発注者には大きな影響がないだろうと見る。「生産ピッチは拡大して受注分の生産予定を実現できるだろうし、日程も期待に答える事ができるはずと見ている」 同機の海外向け引渡しの開始は2014年とみられているが、ペンタゴンが同機開発体制を再構築し、追加開発業務をするとこれも先送りの可能性がある。共同開発に八カ国が調印している他に、シンガポールと日本がイスラエルの例にならいロッキード・マーティンより直接調達を希望している。
5. ペンタゴンの見方とは逆に初期生産を圧縮して実施する計画はロッキード・マーティンには国際商戦でボーイング F/A-18E/F 、サーブグリペン、ユーロファイターとしのぎ合う中で大きな意味が出てくる。同社関係者も開発と同時並行で生産をして相当数の生産規模を実現し一機あたり費用を迅速に低下させる効果があると強調する。これに対し、ペンタゴンの立場は生産後の追加改修作業の防止を重視するもの。
6. 同機開発体制でハインツ海兵隊少将がゲイツ国防長官により更迭されヴェンレット海軍中将が後任となり開発責任者の階級は昇格している。同中将は総額3,820億ドルの同機開発の全体点検をしている。
7. 点検のうち、技術基本報告は完了しているものの、公表はされていない。この部分がゲイツ長官による今後のF-35開発方針の決定に大きな影響を与えるものになる。「このために計画部門の大幅なテコ入れをしてヴェンレット中将をトップにすえつけた」(カーター)のだという。2010年の開発体制再整備が同機開発の新しい方向の手始めになることを認めている。
8. 「中将にはJSF開発の管理体制の根本を点検することをお願いした。その理由として昨年は同機開発の現場を把握するのに使ったコスト分析がわずか数例しかなかったことがある。長官とともに基礎技術報告を通じてはじめてJSFの正確な管理実態が全容がわかった気がする」
9. ロッキード・マーティンは固定価格・奨励金つき・小規模初期生産ロットIV(LRIP IV)契約をペンタゴンと取り交わしているがカーターは「一歩前進だが、このあとに多くの段階が控えている」とし、費用の管理抑制に意欲を示す。同契約によりF-35各型の価格(エンジン除く)は以下のとおりとなる。通常型離着陸(CTOL)は111.6億ドル。短距離離陸垂直着陸(Stovl)は109.4億ドル、空母運用型(CVs)が142.9億ドル。これによると Stovlが一見最も低価格だが、エンジン価格が一番高い。また、予定数もStovlが17機、CTOL11機に対し、CVは4機と最も少ない。


コメント 2010年代後半か2020年代にならないとF-35は実戦配備にならないということですね。しかも価格はどうなるのか、生産数は本当に順調に拡大するのか、誰もわからないということでしょうか。西側世界の防衛に大きな役割を果たす期待の同機がこんなことでいいのでしょうか。防衛部門の航空宇宙技術の運用進化は当面停滞しそうですね。その間は既存機種の改修で時間稼ぎをするしかないのでしょうか。そのなかで本当に日本は同機をFXとして想定していいのでしょうか。(本ブログはそれに否定的) それとも国産技術の開発を真剣にすすめるべきなのか。この数年間の決断が大きな意味をもちそうです。

2010年12月9日木曜日

X-37B地球帰還 少しずつ分かってきた同機の背景

X-37B Prepared For Expanded Orbital Test
aviationweek.com Dec 7, 2010

米空軍によると二回目のX-37B軌道飛行試験機(OTV)のミッションで同自律宇宙機の「運用限界」を広げる。その意味するところはおそらく軌道上での接近操作および逆風下での着陸の実施だろう。

1. 宇宙分野担当空軍次官補リチャード・マキンレイによると試験用X-37B二号機OVT-2は現在ボーイングのカリフォルニア宇宙施設で準備中で、まもなくケープカナベラル空軍基地に移送される。打ち上げは2011年3月から4月の間を予定。
2. トロイ・ギース中佐(X-37B担当空軍迅速戦力準備室(Afrco))によると二号機のミッションは着陸条件を厳しくし、軌道飛行も変更し、回収操作の試験を行う。
3. 次官補と中佐のコメントはOTV-1が12月3日にヴァンデンバーグ空軍基地に244日の飛行を終えて無事着陸した際のもの。
4. 同機の着陸は自律宇宙機の着陸としては1988年旧ソ連のブラン無人宇宙シャトルの着陸成功に次ぐものだが、完全に問題がなかったわけではない。マキンレイによると左主脚が着地後に発火している。ただし関係者によると同機は滑走路中央線を外れることなく着陸に成功したという。
5. タイヤ破片により機体下部に破損が生じ、機体には未確認の宇宙デブリによる凹みも数箇所見られた。
6. OTVはあくまでも試験用の機体であるとし、マキンレイはX37-Bを再利用可能な宇宙運搬機として使用する可能性はないとする。ただし、軌道から帰還する能力により国家安全保障上の意義、今後の開発の基礎になる意義はあるとする。
7. OTV- 1は機体の各システム、設計上の特徴の点検が主目的だった。二次的に高性能センサーの実証もあり、これが今後のミッションで強調されていくだろう。その他 OTV-1で検証された技術的な側面に高性能誘導航法制御、耐熱保護、エイビオニクス、一体型再利用可能絶縁構造、軽量な電気機械飛行制御があり、ギース中佐は飛行中にペイロード格納扉を開き、太陽電池アレイを展開してミッション中の機内電源を確保したという。
8. 地上からの指令で電池アレイを自動的に格納し、格納庫を閉め、再突入のエンジン噴射をし、S字ターンを繰り返し、スペースシャトルと同じ方法でエネルギーを分散して大気圏に降下した。飛行は完全に自律型で、ギース中佐によるとヴァンデンバーグ基地の第30宇宙飛行隊がいざとなれば着陸の指令を出す準備をしていたが、その必要はなかったという。

2010年12月5日日曜日

スカンクワークスのトップ交代

Lockheed Skunk Works To Get New Chief
aviationweek.com Dec 3, 2010
革新的な技術で有名なロッキード:マーティンのスカンクワークスのトップが交代する。

1. フランク・カプッチオが6月に退任する。1月にサンディア国立研究所副所長アル・ロミグがスカンクワークスに加わる。ロミグはエネルギー省と強いパイプを持つ。両名は一月から6月の間はロッキード・マーティン航空宇宙部門のラルフ・ヒースの下で働くことになる。ヒースの担当しているのがC-130J、C- 5M、F-16、F-22、F-35である。
2. JSFはロッキード・マーティンの売上の大きな部分となっており、ペンタゴンは総額3800億ドルを同機に支出することが予測される。
3. JSF 以外にカプッチオは無人機部門の開拓に大きく貢献した。同社の非公開無人機事業は規模は小さいものの、大きく進展していることが推察される。RQ-170 センチネルの存在を米空軍が2009年に明らかにしているが、同機の任務内容は依然として非公開情報のままで、アフガニスタンはじめとする海外での情報収集にあたっているとされる。
4. あわせてカプッチオは長期戦略でヒースに助言している。ロミグもこの役割を引き継ぐのだろうが、全体戦略の策定では限定的な立場になると同社関係者は見る。
5. その他スカンクワークスが手がけるプロジェクトには高速ミサイルや長距離攻撃機の構想がある。
6. カプッチオによる長距離攻撃機構想により米空軍向け次世代爆撃機計画で同社の立場は強くなるだろう。これが次の大規模調達となり、おそらく今後同規模の調達案件は出てこないと思われる。

2010年11月27日土曜日

F-35開発の遅延への米空軍対応、F-22後継機種は海軍と共同開発か

USAF Chief Considers F-35 And F-22 Replacement
aviationweek.com Nov 26, 2010

1. 米空軍参謀総長シュワルツ大将はロッキード・マーティンF-35開発に問題があることを認め、とくにソフトウェア開発の遅れによりJSFの配備が2016年にずれ込む可能性があると言及。
2. ペンタゴンでは三型式の機体を九カ国共同で開発する史上最大規模の調達計画の取りまとめに苦慮している。同機を取り扱う国防調達委員会(DAB)が11月22日に開催されており、別途2月に召集される予定。次回委員会において2012会計年度における予算計上額を決定する。
3. 一方、F-35開発がここまで遅れたことから、シュワルツ大将はF-16ブロック40/50の構造補強およびエイビオニクス改修で稼働年数を延長するなどの可能性があるという。
4. F-35開発への道が平坦でないにもかかわらず、同大将は海軍との共同開発そのものに熱意を失っているわけではない。またF-22後継機種開発でも海軍との共同作業が必要と考える。
5. 2030年代以降に就役する次期主力戦闘機は構想段階のままだが、空軍・海軍共同体制で機体開発・戦闘能力実現化を進めるのが鍵となると同大将は見ている。
6. その前例となっているのが、グローバルホークを海軍型に改造したBAMS構想だ。海軍と空軍で共通の機体を運用するのであれば、訓練体系も別の地上施設を維持するのは合理性がない、というのが同大将の考え方だ。

2010年11月22日月曜日

指向性エネルギーで電子装置を攻撃する可能性

Directed Energy Weapons Attack Electronics
aviationweek.com Nov 19, 2010

1. アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)や高出力マイクロ波(HPM)を活用する次世代ジャマーは指向性エネルギー(DE)兵器の早期導入につながるものとして期待が高まっている。
2. ロッキード・マーティンF-22およびF-35やボーイングF/A-18FおよびEA-18Gが搭載するレーダーで指向ビームエネルギーの照射するアルゴリズムの開発は予算が確保されれば可能だ。米海軍の次世代ジャマー開発によりAESAはレーダーの位置づけからDE能力を付与された電子戦(EA)への活用へ可能性が広がる。
3. 一方、今のところHPMはペンタゴン内部では対電子装備兵器との位置づけだ。HPMのパルスで生まれる出力上昇及びその他EA手段で敵の電子装備に損傷を与えたり、破壊することができる他、コンピュータメモリーを混乱させたり消去することも可能だ。今後はHPM、高出力レーザー光線、ジャマーの統合化が課題となる。
4. 攻撃手段としては期待できるものの、防御面で悪夢となりかねない要素が高性能電子装備が必要とする電力がどんどん減っていることだ。低電力消費の装置ほどEAに対する脆弱性が高まる。
5. 敵装置を混乱させるほうが望ましいのは、システムの再起動に時間がかかるためだ。この間に攻撃の機会が生まれる。これに対して敵装置を焼ききるには2倍3倍の出力が必要だ。さらに高出力攻撃の実行に先立ち関連システムへの影響も理解しなければ実施承認が下りない。
6. DEおよび関連技術(情報収集、監視、サイバー攻撃、電子戦)に方向性を与え、技術開発を加速するのがペンタゴンの国防研究技術部(DDRE)の役割だ。同部はオバマ政権下で急速に拡張している。
7. HPMは過小評価されているが、大型投資が必要な分野と同部は見ている。非運動兵器を爆発性兵器の代替手段として開発擦る必要があるが、小型でエネルギー照射の出力源および特殊な波形の確保には小型パルス出力、半導体主力源、高性能アンテナといった技術要素の開発が求められる。技術的に利用可能となれば、各種分野にも応用ができるものだ。
8. HPMによる「e爆弾」は2010年代末までに実戦配備されよう。現在はエネルギー・ビームの効果および指向性の研究が進行中だ。また運搬可能な高出力エネルギーレーザー(HEL)も「きわめて短期間で」の実用化されるという。

イスラエル: F-35追加導入を実現する取引

U.S. Offers Israel 20 Joint Strike Fighters
aviationweek.com Nov 19, 2010

1. イスラエル国防関係者は米国から申し出ているヨルダン川西岸入植地建設の停止モラトリアム更新の見返りにF-35共用打撃戦闘機合計20機の受け入れを同国政府に求めている。
2. イスラエル・パレスチナ平和交渉の再開を目指し、米国は総額30億ドル相当のF-35を提供する条件としてイスラエル側に入植地建設の停止を求めている。パレスチナは同建設が交渉の障害としてきた。米国務省は今回の供与案件について言及を避けているが、バラク・イスラエル国防大臣は内容を認めている。「当初から40機の導入を目指していたが、予算制約で20機になった経緯がある。米国は入植地建設の90日間停止の見返りに追加20機の提供を申し出ている」と同相は本誌に語る。
3. さらに米国からはイランの脅威に対応する新型技術・装備の提供も申し出ており、国連あるいは国際原子力機関におけるいかなる反イスラエル決議に拒否権を行使し、さらにパレスチナとの和平を実現すれば防衛条約も締結するとまで約束している。
4. イスラエル国防筋によると米国よりの提案は9月にあったもので、ちょうど10ヶ月の建設停止期間が終了するタイミングだったという。ただネタニヤフ首相はこれを一蹴。そこでクリントン国務長官が11月11日に同首相とニューヨークで7時間にわたる会談にのぞみ、同長官から建設停止に加えパレスチナとの米国が提示する交渉ガイドラインの受け入れおよび交渉の障害条件の解決が求められた模様。
5. その際にネタニヤフ首相は大統領信書を受け取り後内閣に信書を提示することを求めたが、閣内・連立与党からこれに異論が出ている。「首相と与党内の意見対立よりも20機を追加導入することのほうが長期的にははるかに意味がある」(バラク国防相)
6. イスラエルは10月に総額27.5億ドルでF-35A20機を購入し、1飛行隊を編成する契約をサインしたばかり。この取引には米国の海外軍事援助資金を活用し、2015年から17年にかけて受領する。追加20機の引渡しは2020年代以降になる。先週末まで、米国の確約は書状ではイスラエルに未着。

中国: J-10戦闘機の改良開発が進展中

Chengdu J-10 Next Variant Developing

aviationweek.com Nov 19, 2010



  1. 成都飛機工業のJ-10戦闘機が珠海航空ショーでお披露目されたのは2008年のことで、その後二年間で同機開発は着実な進歩をとげている。
  2. 同機開発の進展にはロッキード・マーティンF-16を想起させるものがある。
  3. F-16開発の大きな転換点は二番目のエンジンとしてF110-GE-100を採用したことで当初のF-100-PW-100/220エンジンよりも推力が6千ポンド増加している。同様に中国もLiming Aeroengine Manufacturing Corporation(LMAC)のWS-10Aエンジンのテスト開発を急いでいる。
  4. 中国の報道によるとWS-10AエンジンはJ-10の次の型式としてJ-10Bと呼称される機体に搭載される。同エンジンは当初から搭載されていたサリュートAL-31FNエンジンに代わり採用される。
  5. J-10Bにはエンジン空気取り入れ口が当初の長方形から楕円形に代わり取り付けられている。これもF-16でGE製F110エンジンの採用で推力が増加したことで「大口」尼なったことと同様である。
  6. 今日の戦闘航空機の性能を左右するのは搭載する電子装備の能力である。中国産業筋はこれまでJ-10に搭載されていたポッド格納型の装備に置き換わる新型装備の開発が進んでいると明らかにした。
  7. 特に目立つのがCETC製KG300G電子戦ポッドで、周波数帯域がこれまでより拡大している。また、新世代のアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーも開発中であり、現在装備されている機械式スキャンのアレイに置き換わるだろう。

2010年11月21日日曜日

情報収集協力を強化するアメリカと英国

U.K., U.S. To Share Intel As In WWII

  aviationweek.com  Nov 12, 2010                
  1. 英国国防予算の削減の結果、情報収集の分野では逆に良い効果が出そうである。
  2. 運用上は英国軍はフランス軍との連係を強め、装備の不足を補う予定であるが、その効果については疑問が出ている。両国で装備、予算双方の弱体化が進むためだ。
  3. それに対して今のところ目立っていないが情報収集と高性能センサーで米国と協力関係が強化されている。
  4. この協力関係は第二次大戦後では最大規模となると見られ、とくに英空軍の情報収集機材ニムロッドMR2の退役がひとつの契機となりそうだ。
  5. そ こで両国は覚書を締結しており、英国はRC-135リベットジョイントの購入をすることになる。ただし英国内には英空軍・陸軍共同運行のレイセオン製セン ティネルR1地上探索レーダーを搭載した機材が実際に英空軍第5航空隊に5機あり、情報収集能力を追加すればリベットジョイントのおよそ80%相当の性能 が低コストで実現するとの反対意見も存在する。
  6. ただし米空軍で特殊装備機材を運用する関係者は異なる見解だ。
  7. リベットジョイント各機は性能改修を継続して受けており、その場所テキサス州グリーンヴィルでセンティネルもテストを実施している。そのグリーンヴィルで3機のKC-135が英空軍向けRC-135に改修される予定だ。
  8. ニ ムロッドには構造的な限界があり、その改修は経済的には割があわないが、RC-135の機体構造には問題がない、と米側は見ている。ビッグサファリ計画に よりRC-135各機は退役までメンテナンスが実施されており、英軍向けの機材もその対象となる。情報収集分野では米国の優位性は揺ぎ無く、英国が米国と リベットジョイント各機を密接に運用することで、両国が実施する情報収集能力はこれまでになく強力になるだろう。

2010年10月17日日曜日

A400Mをインドに売ろうとするエアバスミリタリー

Airbus Military Targets India For A400M
aviationweek.com Oct 15, 2010   

エアバスミリタリーは来年にもインドとA400M軍用輸送機の商談を開始する見込み。
  1. インドは同機への関心を表明していないが、同社には商談を進める必要がある。
  2. A400Mの海外販売を進める必要があるのは、同機の開発を巡り欧州内で契約をめぐる意見対立がある他、そもそも開発費用を回収できない見込みがあるため。
  3. インドはすでにボーイングC-17およびロッキード・マーテインC-130Jの導入をすすめようとしているが、エアバスミリタリーはA400Mがその中間に位置し、隙間ニーズに応える事ができると売り込むつもりだ。実際インドは未舗装滑走路で利用可能な輸送機への関心も持っている。
  4. また、A400Mを空中給油機として採用する案が欧州内にあることも売り込みの材料としたいと同社は考える。
  5. A400Mの性能は30トン搭載で2,450海里、20トン搭載で3,450海里と言われるが、実際の性能は飛行テストが終了していない現在では不明だ。
  6. 同機をめぐってはまだ欧州内で政府、民間入り乱れて開発遅延が三年にもなり、開発費用が追加となっていることから契約上のゴタゴタが続いており、不確定要素が高い。

コメント こんな商談に送り出される営業担当は大変ですね。インドにとって大きく買い叩くチャンスになるかもしれませんが、軍用輸送機の分野でエアバスは新参者なのでハンディは大きいでしょう。

2010年10月9日土曜日

米陸軍が進める共用ヘリ開発に業界の関心が集まっています

U.S. Army Rotorcraft Initiative Draws Praise

aviationweek.com Oct 8, 2010

米陸軍は発達型回転翼の技術実証を準備中で、2025年頃に新型ヘリとして生産に入る可能性がある。
  1. 陸軍は他の軍組織と共用多目的ヘリ(JMR)技術実証を進めており、このコンセプトは共用打撃戦闘機(JSF)F-35として実現に至った共用高性能戦闘機開発の例を参考としている。
  2. 今回の開発は回転翼機業界から新規開発計画を求める悲痛な声に応える意味もある。ただし、陸軍がJMR技術実証実験を新型機の開発、生産にそのままつなげる意図があるかは明らかではない。
  3. 業 界ではJMR実証を歓迎したものの、予算規模があきらかでなく、最近組織化された垂直輸送コンソーシアムの役割も明確にされていないことに不安を感じてい る。同コンソーシアムは国防総省の求めで回転翼機の技術革新を進めるべく、大手・中小メーカーと学界を連携させようとするもの。
  4. 「二 種類の機体をゼロから作り、それぞれの仕様は似たものになるか、全く違うものになるかは不明です」とネッド・チェイス陸軍航空ミサイル研究所の開発・エン ジニアリングセンター(Amrdec)の機体技術部長は語る。高性能ヘリ、混合ヘリあるいはティルトローターの採用が検討されている。
  5. 陸軍はNASA、DARPA(国防高等研究プロジェクト庁)が他軍とともに予算を確保することを期待している。「予算があれば3機になるかもしれません」(Armdecの航空開発部長ジム・スナイダー)
  6. JMR が狙うのは米陸軍が運用中の既存ヘリ全機種の後継機となる以外に米海軍、海兵隊、空軍が運用する小型機の後継機に なる機体へ向けての技術実証だ。狙いは中型機と分類されるAH-64アパッチとUH-60ブラックホークの後継機の開発におかれている。一方で、機体を小 型化しOH-58Dカイオワ・ウォリアー武装偵察ヘリの後継や逆に大型化してCH-47チヌーク大型輸送ヘリの後継機も意図している。
  7. 実 はJMR実証機の狙いは共用高性能回転翼機技術(JART)として1998年に提案があったものに類似している。JARTは結局各軍から高価過ぎるとして 支持を得られなかった経緯があるが、今回は保有機の経年変化が進む中で陸軍も他に選択肢がなくなっているとの認識であるといわれる。
  8. 陸 軍は今も新造機を購入しているが、その基本設計は60年代、70年代であり、イラク・アフガニスタンでの作戦運用では性能限界、信頼性、生存性にもに限界 があることが浮き彫りになった。JMRではペイロード、航続距離、速度、耐久性、生存性、価格のすべてで現在の水準以上のものを求める。
  9. 目 標は最低170ノット、空中給油なしで半径474キロメートルの飛行を高度6,000フィートで実現し、貨物輸送ミッションで30分、攻撃・偵察ミッショ ンで120分を目的地で使える性能だ。仕様を研究してみたところ、まず機体の大型化が必要と判明したとスナイダーは語り、陸軍は有人・無人仕様の編成で予 算内で購入が容易になるよう期待しているとのこと。
  10. 陸 軍はすでに初期段階の検討を完了しており、第二段階の性能諸元の検討に移っている。Amrdecは2011年度はじめまでに業界向けに研究開発の公募を発 表する予定。ただし、チェイスによると他軍との共同開発の交渉のため、この予定は本来より遅れている。開発契約の交付は今のところ2011年中頃になると 見られる。
  11. 計 画では2011年から2013年にかけて機体構成を研究し、飛行実証実験がその後実施され、2020年をめどにJMR技術を応用した回転翼機の最初のモデ ルの開発を5カ年で実施する決定をする。機体の運用開始は2026年ごろになり、F-22やF-35の例に近い開発期間とし、V-22オスプレイは RAH-66コマンチよりは短くできるとしている。
  12. では現有ヘリのどの機種と最初に交代することになるのかは陸軍の決断でARH-70の開発中止で武装偵察任務の要求水準をどうするか次第だとスナイダーはいう。JMR技術が実用化するまではOH-58Dを改良するか、別の機種をつなぎで購入する選択肢もありうるという。
  13. 飛行実証実験は二段階となる。第一段階でJMRの中核となる性能を実証する。初飛行は2017年度中頃の予定。第二段階では機体に任務用装備を搭載し、各軍別に開発するエイビオニクスのアーキテクチャの有効性を実証する。
  14. エ イビオニクスはオープンアーキテクチャでプラグアンドプレイ方式のもので開発はすでに開始されており、コックピットの改善、生存用装備、有人・無人混合運 用を想定している。アーキテクチャ共用化でハードウェアも共用でき、機体の大きさに応じた調整も可能とし運用コスト低下を狙う。
  15. 一 方、垂直輸送コンソーシアム(VLC)のメンバー各社の上層部が先週会合を持ち、現在未定のJMR性能諸元研究への対応を検討したが、陸軍は同コンソーシ アムへの支援を打ち切る兆しをみせている。もともと同コンソーシアムは回転翼機の開発と配備をスピードアップし、既存主契約会社が新興かつ革新的な技術を 持つ部品メカーと共同作業を進めることを目的に結成されたのだが。
  16. フィ ル・ダンフォード(ボーイングの回転翼機部門の最高業務責任者)はJMR技術実証は米国の回転翼機メーカーにとって共同作業の機会と語る。「以前と同じ方 法で動けば、今までと同じ成果にしかなりません。各社が一緒になり、協力すべきところと競争すべきところを区別して第二段階を迎えるべきです」
  17. 一 方でスナイダーはJMRで技術事象から開発段階、生産段階へ移行する際の課題をこう表現している。「JMRを成功させるには投資効果を証明するのが一番の近道で す。現有機種をこれから30年間も延長して運用することは不可能だと示す必要があります。」このため陸軍は機種別に飛行時間あたりの費用を計算中。「その 結果をJMRに応用します」

NATOミサイル防衛の整備状況


NATO Seeks To Boost Its Missile Defense

aviationweek.com Oct 5, 2010

今から二ヶ月がNATO独自のミサイル防衛の実現の正念場になる可能性がある。
  1. ミサイル防衛には当初は加盟国の中にも消極的な反応があったのが、変わったのがNATO派遣部隊の防衛が必要となったことだ。さらに今はNATOが弾道ミサイル防衛を加盟国の安全保障で実現すべきかが問われている。
  2. NATO事務局長アナス・フォー・ラムセンの主張は領空ミサイル防衛はNATOの役割の一部となるべきというもの。これが反対派にはNATOが最近の戦略安全保障の文脈を利用しているだけと映る。
  3. 来月リスボンのNATOサミットで同機構の役割を再定義することが主要議題になっているので加盟国は決断をせまられるだろう。
  4. 推 進派は領土保全から戦域ミサイル防衛に拡大することを期待しているが、防衛産業の中にはそこまでのコミットメントが共有されるのか懐疑的に見る向きもあ る。加盟国の財政状況を勘案すると、また過去の戦域ミサイル防衛提案が難航した事実から、一番ありそうなのは二か年研究の対象とし先送りする決議となるこ とだ。
  5. ラムセン事務局長は先月ワシントンでNATOが領土レベルから戦域レベルのミサイル防衛に拡大する際の費用は200百万ユーロ(268百万ドル)と微額であると報道陣に語っている。この金額はミサイル迎撃装備の購入額は含まず、指揮命令機能の向上のみが対象のもの。
  6. 領土レベルの防衛は2003年から研究対象になっている。その一環として、NATOは想定される脅威を広く想定し、地理的距離よりも発生可能性を重視してきた。その結果、加盟国の提供する能力、各国をつなぐ指揮命令系統のあるべき姿があきらかになってきた。
  7. そ の途中にNATOは米国の欧州内ミサイル防衛体制の変化にも対応を迫られている。ポーランド国内に三番目の迎撃基地を建設するのが米国の政策目標だった が、オバマ政権は段階別適応アプローチ(PAA)では前線配備のセンサーとスタンダードミサイルSM-3の陸上配備を組み合わせることになった。あわせて 域内各国の協力も求めている。
  8. リ スボンではNATO計画立案者がそれぞれPAAが実現する防衛範囲の技術評価を発表し、欧州各国の装備システムで対応可能な範囲を検討する。その中で鍵に なるのはNATOとして特にイランの脅威から加盟国全体を防衛する機能を実現できるかだ。ただし現段階では特定の加盟国の個別防衛は技術的に困難と見る専 門家がいる。想定されるのは加盟国全体レベルであるが領土レベルではNATOは基礎的なミサイル防衛能力の整備に近づきつつある。2005年から開発して きたアクティブレイヤー戦域弾道ミサイル防衛(ALTBMD)がいよいよ年末に完成する。
  9. ALTBMD はNATO加盟国向けに最大3,000キロメートルの脅威に対抗可能。今年末に加わるのは暫定能力整備第二段階でNATO司令部でリアルタイムの状況把握 が可能となる。これには米国の国防支援計画による早期警戒衛星および海上配備レーダーを利用する。リアルタイム情報はトイツ・ウエデムにある統合航空作戦 センター(CAOC)で処理される。同施設ではあわせて既存の戦域ミサイル防衛装備を統合して運用する。フランス軍・イタリア軍は今年中にオンラインで接 続される予定。
  10. た だし年末に実現する性能は基本の域を脱していないのは、ALTBMDを構成するシステムの多くがまだ利用できないため。たとえばオランダのフリゲート艦の センサーからの情報はシステムが作動開始すればする具にでも追加される見込みだが、フランス及びイタリアのSAMP/T迎撃システムも統合される予定。し かし、NATO採用機器と各国の装備の互換性テストはまだ完了していない。
  11. もうひとつの障害になりそうなのは航空指揮統制システム(ACCS)である。ACCSはまだ未完成の状態であり、これが利用可能となっていわゆる運用能力第一水準が確立され、データが直接CAOCに送られるようになる。
  12. ACCSの第一水準移行にはNATOの財務部門が支出計画を承認する必要があり、これにより戦域レベルのミサイル防衛体制が整備され、さらにCAOCレベルより上の戦略指令自動情報システムにも道を開く。この承認も今年中に下りると予想される。

コメント NATO加盟国というとアメリカ、カナダも入るのですが、文脈では明らかに欧州大陸の各国をさしていますね。なんとなくわかったような分からない話なのですが、要は欧州各国で話が簡単にまとまらない、進まないということなのでしょう。

KC-X公募提案書が時間内に提出できず失格となったU.S. Aerospace

    GAO Rejects U.S. Aerospace KC-X Protest

    aviationweek.com Oct 7, 2010                                               
  1. 米会計検査院(GAO)はU.S.エアロスペース(本社カリフォルニア州)の異議申し立てを受け入れず、KC-135後継機選定の競争入札から不当に締め出されたとの同社の主張は否定された格好だ。
  2. これにより空軍は引き続きボーイング案とEADSノースアメリカ案の提案内容を検討していくことになる。選考結果は早ければ11月に明らかになると見られる。   
  3. 空軍によるとU.S.エアロスペース社はアントノフとの共同提案を2時を5分過ぎたところで提出。締め切りは2時のため、空軍は同社の参加資格を取り消した。   
  4. 「空軍が同社提案を却下したのは正しい」とGAOで調達法顧問をするラルフ・ホワイトは語る。今回の裁定は同社が過去二回にわたり主張も覆す内容。   
  5. これに対し、同社側からはGAO発表についてコメントは出ていない。同社はアントノフAn-70を元にした提案を予定していたが、航空宇宙産業関係者、政府関係者ともに採択の可能性は低いと見ていた。       
  6. U.S. エアロスペースの異議申し立てによると同社担当者がライト・パターソン空軍基地に到着したのは締切時間より相当前だったのが、基地正門の警備が時間を取 り、かつ基地内の配送先住所を誤って教えられたため結果的に書類提出が遅れたというもの。また同社の主張は提案書が提出先には届いていなかったが、基地内 に締切時間内には存在していたのであり、基地はそもそも空軍の管理下にあるというもの。       
  7. GAO 審査官は同社主張を裏付ける証拠を見つけることはできなかった。さらに同審査官は同社の応募が遅れたことにも責任の一端があると指摘。「ライトパターソン 空軍基地自体が軍事施設であり、同社はその中で軍関係者用のゲートから入構しようとした。軍籍のない一般訪問者は別のゲートを利用する」と10月6日付け の審判内容に記載されている。さらに提案書の持参者は「ゲートに締切時間一時間未満に到着した。入構許可も事前申請しておらず、さらに該当場所の所在確認 も失敗している」とされている。
コメント なんともやりきれない話ですが、要は公募提案書の提出は時間内に、ということですね。確かにAn-70を見ると、ベンチャー系の同社の提案は無理なものと見えますね。       

2010年10月6日水曜日

C-5M引渡し始まる C-5A改装の可能性は?

                         

C-5M Rekindles Interest In Upgrading C-5As

aviationweek.com Oct 4, 2010    
C-5Bのエンジン換装がコスト及び性能目標をみたすことが判明し、米空軍とロッキード・マーティンは旧式C-5A型の性能向上策に再度、注目している。
  1. 「構想はいいのですが、予算が厳しい」とトム・オーウェン中将(航空宇宙システムズ軍団司令官)は語る。
  2. 「国防総省は同案を将来に検討することになるでしょう。ただし、その時に予算があればですが」と同中将は9月30日にジョージア州マリエッタでのC-5M一号機引渡し式典で発言している。改装は信頼性向上・エンジン換装プログラム(RERP)の一貫として実施された。
  3. ロッキード・マーティンは2014会計年度での予算確保が必要としており、C-5B改修の最終機が完成したあとの作業ラインを維持するためだという。またこの予算手当で新型CF6-80Cエンジンの製造元GE含む主要メーカー複数と合意済みの価格を維持できるという。
  4. 改修作業で機体寿命は2040年まで伸びる。ロッキードとしては空軍に対し、同一機種で構成する輸送機部隊の効果を訴えている。
  5. RERPで改修を受けた機体三機にはC-5Aが一機含まれており、改装済みC-5Bと同程度の性能と信頼性を証明しているとロッキード・マーティンは言う。
  6. エンジンの換装で推力は22%、ペイロードは27%、航続距離は20%それぞれ増加する他、ミッション遂行率は目標値の75%を超えるという。
  7. ロッキード・マーティンは総額60億ドル固定価格で49機の改修を実施する契約で合計52機のC-5Mを利用可能とする。空軍はこれ以外にC-5Aを59機運用しているが、2011年から2012年に22機を退役させる。戦略輸送能力が必要以上にあるというのがその理由。
  8. 議会から空軍に対し退役機体を民間予備航空隊(CRAF)に編入する可能性の調査あるいは海外同盟国に譲渡する可能性を調査するよう求めている。調査結果はまもなく完成する。
  9. ロッキードはCRAFに参加中のエアライン、海外の空軍、海外のエアラインに非公式に接触しており、余剰C-5Aに対する関心は存在すると見ている。
  10. 運航先が見つかれば、ロッキードは次に対象機に4.5百万ドル相当のエイビオニクス近代化計画(AMP)グラスコックピットと82百万ドルのRERPを実施するが、このうちAMPが必須条件だ。
  11. C-5B近代化は年間11機の作業をマリエッタで行う計画だが、2機を追加する余地があるという。
  12. C-5B/Cの改修は使用期間全体で総額90億ドルの節約になるという計算がある。一方、C-5Aの改修について同じ手法を使って投資に見合う効果を確認することになりそうだ。

2010年10月3日日曜日

F-35のフライトテストは現在停止中

               

F-35 Flights Suspended

aviationweek.com Oct 1, 2010

F-35のフライトテストは各機種で共通の燃料系統のソフトウェアで問題が発見されたこと、短距離離陸垂直着陸型(Stovl)でドアの問題があることで飛行テストを中止している。
  1. 国防総省によるとテスト中止は一時的なもので、ソフトウェア改修までの措置という。同ソフトウェアはエンジンにある燃料供給ポンプ三箇所を制御するもの。不正確な作動をするとポンプの作動がとまってしまう可能性があることが判明したもの。
  2. メーカーのロッキード・マーティン側は当初はフライトをポンプの作動が必要とならない高度10千フィート以下に限定するとしていたが、ペンタゴンは安全を考慮してフライトをすべて停止する措置とした。
  3. Stovlモードでの飛行が先週停止になったのは、飛行後の点検でテスト機BF-1の補助取入れ口のドアヒンジに問題があることが見つかったため。この原因を見つけ有効な解決策を求める努力はまだ完了していない。       
  4. 燃 料ポンプの問題解決方法はすでに見つかっており、テストも実施されている。ソフトの改修でポンプの作動シークエンスを修正するものがパタクセント海軍航空 基地とエドワーズ空軍基地の双方でテスト用に確保した機材に10月 5日以降にアップロードされる予定だ。       
  5. 飛行テスト日程全体への影響はまだ不明とロッキードは見ている。通常離着陸型(CTOL)のF-35Aと艦載型(CV)のF-35Cの進捗は予定より先に行っているが、Stovl型のテストが大幅に予定より遅れている。   
  6. F-35全体として今年になって飛行回数は269回を数えており、計画の243回より多いものの、9月は今年になって初めて実績回数が予定を下回っている。(実績36回予定45回)
  7. 2010年の予定394回へ向けたテストは順調に進んでいるが、ロッキードはStovlのみ今年は予定回数を消化できない見込みと認め、当初2011年3月を予定していた海上公試がずれ込むと見ている。

インドネシアのフランカー180機の調達は東南アジアに軍拡をもたらすか

                                           

Indonesia Plans 180 Flankers Plus F-16s

aviationweek.com Sep 30, 2010
   
インドネシアはスホーイ・フランカー戦闘機180機に加えロッキード・マーティンF-16も取得したい意向があると同国国防相プルノモ・ユスギアントロが発言し、東南アジア各国の航空戦力の軍拡の口火をきることになりそうだ。
  1. インドネシアがフランカーを180機配備すると、オーストラリア空軍が要求しているロッキード・マーティンF-35合計100機購入の予算が認可されることは確実になる。
  2. スホーイの配備は2024年までに18 機配備の10飛行中隊体制とする。F-16はBAEシステムズ製のホーク戦闘機の後継機とするとのプルノモ大臣の発言内容が報道されている。
  3. 仮にインドネシアがフランカー180機の購入に成功して、効率的な運用をするとしたら、同国の空軍力は現在のほとんど無視される程度のものから飛躍的に拡大する。
  4. インドネシア空軍はフランカー少数を運用中で、Su-27とSu-30の混合編成としている。ただし、運用効率と稼動機数は低規模だ。9機しかないノースロップF-5の状態はもっと悪いとアナリストは見ている。12機のF-16A型B型のうち8機は飛行できない状態だ。
  5. これに対し、今週フランカー3機が同国に引き渡されて戦力は10機になった。同国政府はさらに6機の追加購入の予定を発表している。
  6. インドネシア空軍の拡張に懸念を表明するのはオーストラリア以外にシンガポールとマレーシアだ。
  7. ただインドネシア空軍の現状はパイロット、支援要員含め人員不足できわめて弱体なため、フランカーの作戦運用能力に疑問をもつ専門家が多い。
  8. ただ購入そのものは十分可能だ。近年のインドネシア経済は中国の需要で上昇した鉱物価格の恩恵を受けている。さらに空軍の拡張は軍事力の近代化と高度化を目指す同国政策に合致する。国防相も経済の活況で装備購入の支払いが容易になっていると認める。
  9. フランカーの導入は180機までにはならないとの見方もあるが、東南アジア各国が高性能軍事技術の導入を進めているのは事実。
  10. プルノモ国防相はF-16の希望購入機数を明らかにしていないが、現在運用中のホーク100練習機が6機、ホーク200軽攻撃機が20機があり、同国政府はF-16一個飛行中隊分を2010年から2014年にかけて導入したいと表明していた。
  11. 中古のF-16導入となる可能性もある。去る7月には米国が余剰機を安価で販売する提案をしていた。
  12. 新規装備の輸入に際してはインドネシアは技術移転に加え、国内生産を40%相当認めるよう要望している。

2010年10月2日土曜日

サイバー攻撃は現実のものになっている

                                 

Cyber-Attack Turns Physical

aviationweek.com Sep 27, 2010    

長距離の射程距離で物理的な損害を敵に与えることができるサイバー兵器の開発が完了し、テストおよび実戦に投入されているのではないかという証拠が続出している。
  1. ア イダホ国家研究所が21行のソフトウェアコード「オーロラテスト」を開発し、コンピュータネットワークに進入し「発電機を爆発させた」とジム・ランゲヴィ ン下院議員(民主、ロードアイランド)が9月23日の下院軍事小委員会聴聞会で発言した。これは2007年の出来事でサイバー兵器が「棚の上の飾り物ではない」ことを示している。
  2. オーロラテストの標的は100万ドルのディーゼル発電機だった。侵入したソフトウェアで回路遮断機が急速に作動し、振動を発生させ、黒煙をはいたあと、作動が停止した。
  3. 6 月に悪質なコンピュータコード「スタックスネット」がドイツで発見され、特定の装置を標的にして、コンピュータネットワークに侵入するものと判明した。マ イクロソフト・ウィンドウズの脆弱な部分がすでに被害にあったとの報道がある。現在までにウィンドウズはパッチで対応していると いわれる。
  4. このコードがパキスタン、イラン、インドネシア、インドで多数の機器を感染させているが、実際の損害が出たとの話はない。今のところ米国内のシステムに感染の報告はないと国土保安省はまとめている。
  5. 国 土保安省はスタックスネット関連の報道にはたぶんに事実とはちがう推測が含まれていると見ているが、標的はイランの国防産業ではないかとの疑いが強くなっ ている。一部ではイスラエルのサイバー戦機関が出所ではないかと考える向きもある。同機関の活動は参謀本部の内部で極秘とされている。
  6. ス タックスネットは工場、パイプライン、原子力発電所等で作動するScada(監視制御およびデータ取得)機能のネットワークを破壊する目的で作られたサイ バー超兵器の初めての例ではない、とサイバー戦で長年の経験を持つ筋は見ている。「クリスチャンサイエンスモニター紙が報道した技術の中には実戦でつかえないものもあります。またScadaシステムが他のネットワークと接続されていない場合もあります。むしろ、オーロラテストで発電機を破壊した事例が有効モデルでしょう。」
  7. 米国、中国、ロシア、イスラエル以外にも高度なアルゴリズムを作成し、コンピュータに進入させる能力を有している国はある、とキース・アレクサンダー米陸軍大将は9月23日に下院軍事委員会で証言している。
  8. 「サ イバー攻撃で実際に被害が生じた場合には国家による作戦なのか堂かを突き止めることは困難です。米国に匹敵する技術水準を有する国としては、サイバー戦で は国家の規模は関係なく、ソフトウェア作成の技術水準があることが肝心であることに注意を払う必要があります。その意味で米国のサイバー戦の技術水準にも う少しで追いつく国は多数あります。また突出した能力を獲得する国も出てくるでしょう」

2010年9月27日月曜日

5年間滞空するソーラーイーグルUAS


Boeing/Qinetiq Team Wins Darpa UAS Contract

aviationweek.com  Sep 24, 2010    

ボーイングは国防高等研究プロジェクト庁(DARPA)より89百万ドルの契約でヴァルチャー5年間飛行可能無人機システムとして太陽電池を動力とする試作機の開発を開始することになったが、これが同社の無人機事業を大きく広げる原動力となるだろう。

  1. DARPAはボーイングとキネティックQinetiq と共同で開発のソーラーイーグルを採択し、ロッキード・マーティン案は不採用となった。その前にオーロラサイエンシズ案がまず不採択となっている。
  2. DARPAの目指す目標は5kw動力で5年間連続滞空しペイロード1,000ポンドの機体。「擬似衛星」と呼称される同機の性能諸元を2014年まで検討していく。
  3. ソー ラーイーグルの動力は太陽電池以外にキネティック開発の燃料電池を利用する。キネティックは全巾400フィートのゼファー無人機開発の実績がある。ボーイ ングのファンタムワークス社長ダリル・デイヴィスは当初の目標は30日連続飛行の実現といい、2014年をその目標とする。
  4. DARPAのめざすのは太陽光の効率的な収集方法、信頼性の高いエネルギー貯蔵および利用技術、航空機の信頼性確保、空中で弾性をもつ機体構造の制御技術だ。
  5. 「ヴァルチャーで開発する技術は革命的で従来の航空宇宙技術の常識を打ち破るものとなります」(DARPAのダニエル・ニューマン主査)「広範囲で応用が可能で、将来の可能性を拡大します」
  6. 最終的には通信機器あるいは情報収集装置を搭載して、現在は衛星が果たしている機能に取って代わるのが目標だ。



2010年9月24日金曜日

特報 日本がグローバルホーク導入

                

Japan To Decide This Year On Global Hawk

aviationweek.com Sep 24, 2010    

日本は年末までにノースロップ・グラマンRQ-4Bグローバルホーク合計4機の導入を決定する見込みだ。同機は別途改装を受けて弾道ミサイル防衛網の補強にも利用される。
  1. 長年にわたり本件は同国で検討されていたものだが、防衛大綱の一部として初めて公になる。同国防衛関係者が明らかにした。
  2. 防衛幕僚監部が発注方法を検討中で、4機体制にすれば継続したパトロールが可能と判断した。
  3. 海上自衛隊は無人機の運用は時期尚早として導入の先送りを求めている。海上自衛隊はむしろグローバルホークの派生型MQ-4Cの導入の可能性が高まることを期待している。ただ、MQ-4Cは米海軍向けに開発が完了していないが、海上警備を特化した仕様になっている。
  4. こ れに対し航空自衛隊は早期導入を主張し、ブロック30つまり現在米国で生産中の機体の導入を推している。日本製のセンサー類はまだ利用可能でなく、装備し ても機体との統合性の問題がある。仮に同機の導入を喫緊の課題として今発注すると、米国仕様の機体から機密性のある装備やソフトウェアが取り外される可能 性もある。
  5. そのため、日本国内メーカーがセンサー類を開発して後日装備する可能性も出てくる。この方法が実利的と思われるのは、日本製センサーの開発導入に結構時間が掛かる可能性があるためだ。
  6. この改良の一部に日本製エアボス赤外線ミサイル探知追跡装置が含まれるだろう。このセンサーはすでに2007年12月にUP-3C改造哨戒機に搭載されてその機能が十分に発揮されることを実証済みだ。
  7. 同 センサーは60センチメートル(24インチ)と大きな開口部があり、米国製の同等装備よりも重量が大きい。ただし、同装置を想定したRQ-4Bの構造特 性、電気系統容量を考慮すると主翼下部に二基のエアボスを搭載することができそうだ。三菱電機とNECがエアボス開発に関与している。
  8. ミサイル防衛任務に日本のRQ-4部隊は空中センサーとして組み込まれる。そしてセンサーは空中の他の機体、例えばジェネラルアトミックスMQ-9プレデターあるいは海上ミサイル護衛艦とリンクされる。
  9. RQ-4に武装のオプションはない。武装がないことから、米国の友好国各国は自国領空にRQ-4の飛行を認めるだろう。仮に武装型が出現すれば、非武装型との識別は極めて困難となる。
  10. 来年度の防衛省予算の概算要求には無人機の研究開発予算が含まれている。同予算で他国上空での運用、高高度で長時間の連続運用とメンテナンス問題の検討をする目論見だ。
  11. 実 は日本は自国製無人機の開発を次期無人機システム研究として2001年以来実施している。同機はグローバルホークよりも高高度を飛行するものだが、日本政 府がRQ-4の発注を急ぐ背景には国産無人機の開発に相当の時間がかかることがあり、かねてから米国防総省は日本が国産機の開発に固執することの功罪を指 摘していた。
  12. 一方、新しい防衛大綱では潜水艦部隊の定数を増加する方針があるとの報道がある。これまで日本は18隻体制を維持してきた。このうち2隻は訓練用潜水艦であり、この方針を変えて20隻にしようというものだ。
  13. 実 はこの増加はさほど困難ではない。日本は毎年一隻の潜水艦建造能力があり、一方で就役済み潜水艦の使用期間を18年間と極めて短いものに定義してきた。こ れは18隻体制を前提としていたもの。部隊規模を拡大するには単純に就役期間を20年に延長すればよいのであり、実はこれでも世界の標準と比べるとまだ短 いのである。


コメント  何というタイミングでしょう。誰が見てもおかしい例の船長の釈放のニュースが流れた本日にこれは朗報です。また昨日はグアムへの米空軍グローバルホークの 配備をお知らせしました。一方、某国にとっては歓迎できないニュースですので、今後議論になれば必ずこの案を葬ろうとする動きがでてくるでしょう。しか し、当ブログでかねてから主張しているように日本には真の意味で情報収集能力が必要であり、ISR機材は避けて通れない選択です。まして、ISR機は武装 をしていないので、領空侵犯という問題は起こっても自国にとってかけがえのない情報を与えてくれるはずです。その意味で外務省がむしろグローバルホークの 導入の旗振りをしてもいいのではないかと思うのですが。

2010年9月23日木曜日

グアムに配備されたグローバルホークの監視対象はどこか



USAF, Navy To Coordinate Guam Global Hawks

aviationweek.com     Sep 21, 2010    
   
アンダーセン空軍基地(グアム)にて 米空軍、海軍それぞれが保有するグローバルホークはアンダー船空軍基地で支援機能を共有するほか、それぞれのミッションを補完することが両軍が6月12日に調印した合意内容に基づき高高度偵察活動を実施することになりそうだ。
  1. グアムにグローバルホーク部隊の第一陣が到着した際の式典で第13空軍司令官カーライル中将と太平洋空軍司令官ノース大将からグローバルホークは特定の国を対象とした運用のために配備されているのではないとの発言があった。
  2. ただし「誰かに監視されていると、人はお行儀よくなるものだ」(カーライル中将)と付け加えている。
  3. 今回グアムに配備されたのはRQ-4グローバルホークのブロック30の機体だ。海軍は派生型のMQ-4を広範囲洋上監視機として導入を進めている。MQ-4の配備で一部のP-3Cはグアムでの運用を終える。
  4. ノースロップ・グラマンはブロック40型のグローバルホークを製作中で空軍は同型の性能を確認する意味で同型の開発用の機体を運用することになろう。
  5. ブロック40ではブロック30の機体を大型化し、MR-RTIPレーダーを搭載する。これはアクティブ電子スキャン・アレイ・ソナーでノースロップ・グラマンとレイセオンの共同開発。
  6. グアムに配備されたのはRQ-4合計三機で空軍は長距離連続パトロールをグアムから実施することが可能となった。
  7. グ ローバルホークはこれまでロッキード・マーティンU-2が実施してきたミッションを肩代わりしているが、両型式は実は補完関係にある。カーライルによる と、U-2の運航コストは大きく増加しているものの、グローバルホークでは実行不可能な機能をもっているとのことだが、詳細の言及はされなかった。
コメント 日本の南方でなにやら不穏が動きがありますが、合わせて中国内部でもこれから動きが出来るでしょう。そこで米国はISR能力をこの地域で機動的に運用できるように工夫しているのですね。日本の外交にも正確な情報を提供できるようにしてあげたいので、自衛隊のISR能力拡張がほしいところですね。

2010年9月21日火曜日

ABL空中発射レーザー実験は正念場を迎えるのか

ABL Shifts Back To Solid-Fuel Target

aviationweek.com Sep 17, 2010                                               

米ミサイル防衛庁は747-400F改修の空中レーザー発射機を固体燃料ミサイルを目標に撃墜実験を今月末を目標に実施する。

関 係者によると今後の飛行発射実験は当面は固体燃料を用いる目標に目標に戻す。今回使用される目標は非誘導のテリアブラックブラント・ロケットとなる可能性 が高い。実施となるとABLの目標補足は2月以来の実施で、短距離弾道ミサイル(SRBM)の発射後初期段階を想定するものになる。

さ らに10月予定のテストでは固体燃料目標を2月の実験時よりも3倍遠い距離から撃破を目指すという。一方、MDAは9月1日に失敗した液体燃料による SRBM撃墜後のシステム修正用にソフトウェアの手直しにとりかかっているという。ABLはその際は目標を捕捉、追跡したが、光線制御のソフトウェアに誤 りがあったため実験は終了してしまったという。高出力レーザー光線が目標の中心からわずかにそれたため。

この失敗がもともと目標補足が困難な液体燃料による飛翔体対応でシステムに問題があったのか、今回だけの問題だったのかは明らかではない。

コ メント 元からゲイツ国防長官始めペンタゴンから開発中止の烙印を渡されていたABLですが、9月1日の実験失敗で中止の日程が早められようとしているよ うです。そうとはさせじと失地回復のためのテストをするようですが、固体燃料ミサイルが液体燃料ミサイルよりも捕捉が容易とすれば、いかにもというテスト ですね。射程距離を長くするのは意味があるかもしれませんが。もともと化学レーザーはサイズが大きくなるので固体レーザーに変更する作業が進んでいるは ずですが、次期ABLにここは期待したいところです。

2010年9月19日日曜日

F-35開発の状況 型式で異なる進展

F-35's Unequal Progress
Ares,  Defense Technology Blog, Aviationweek.com 9/12/2010
  1. ロッキード・マーティンは生産型F-35エンジン作動テストを開始したが、共用打撃戦闘機の開発はあたかもジキルとハイドの様相を示している。通常離着陸型で低レート生産ロットの最初の二機のひとつAF-6 は9月8日に高出力エンジンテストを完了している。
  2. F- 35Aの開発用機材によりJSFテスト計画は予定より早く今年になり進展しており、8月末までに233回のフライトが実施されている。計画では196回 だった。ただ、STOVL型のテストが大幅に遅れている。この原因がF-35Bテスト機の信頼性が低いことで、8月までの計画上の153回に対して122 回しかテストを実施していない。
  3. また、F-35C空母搭載型の実施回数が同時期14回だったので、エドワーズ空軍基地F-35Aの二機が39回の予定に対して97回もフライトを実施していることになる。このように順調に推移しているA型がジキルで、機体を下回る形のB型がハイドというわけだ。
  4. こ の対照が最悪を脱したのが8月でSTOVL型の稼働率が向上したためだ。エドワーズのA型2機が予定の9回に対して22回のフライトを実施し、パタクセン トリバーのB型4機は予定28回に対して26回のフライトだった。合計は最大だった。これでもSTOVL型の計画は年末まで予定を下回るペース。
  5. 問 題はF-35B一号機のBF-1が垂直着陸性能を発揮していないこと。これが実現するとその他テスト機もSTOVL運用が認められる。このためには垂直着 陸50回が必要で、これまでのところまだ10回しか実施していない。年末までに空母運用の資格取得が下りないと、海上STOVLテストを2011年5月に 予定しているが、この実施が危うくなる。
  6. 防衛専門誌Inside Defenseに よるとSTOVLテストには予定に追いつくのは問題があるという。その理由には運用条件から「定常風、滑走路が濡れている、近隣で雷が発生している等の天 候条件」がある場合は飛行を実施していないためだという。海軍航空システムズ軍団が非常に慎重に対応しすぎているのではないか。
  7. その一方で、JSFのテスト機材ではAF-3が最終仕上げ段階にあり、10月に飛行を開始する予定。AF-4はエンジン試験の準備を急いでおり、BF-5が計器版のチェック中で、この両機は今年第四四半期に飛行開始の予定。

2010年9月5日日曜日

サイバー軍団の役割とは

Cyber Command Defines Its Mission

aviationweek.com Sep 3, 2010                                               
  1. 米 サイバー軍団がフォート・ミード’メリーランド州)で戦略軍の傘下に発足したのが今年の5月で、司令官はアレクサンダー空軍大将である。同大将は国家安全 保障局の局長と中央安全保障機構の長も兼任。議会は同大将に「国防総省関連の情報ネットワークの運用及び防衛の指揮、体系的かつ状況に応じた計画立案、サ イバー活動の統合調整」の権限を与え、「全方位の軍事サイバー作戦により米国及び同盟国がサイバー空間で活動に制約が生じないように」することを求めてい る。
  2. だ が、実際に同軍団函の役割をどう果たすのか。その答えの一部はIT関係者の取りまとめを各軍、戦闘部隊、情報収集機関、民間部門、公益事業、州法執行機関 からどうやって実施するかにある。外国政府や非国家組織も国防総省ネットワークに対するサイバー諜報活動や攻撃に関与している疑いがある。このすべてを勘 案してサイバー軍団は15,000におよぶペンタゴンのネットワーク、4,000ヶ所の軍事拠点、7百万台を超える国防総省管理下のコンピューター・通信 装置をつなぎ、強化する任務にあたる。これだけの対象があるので、問題の範囲は圧倒的な規模だ。
  3. サイバー戦そのものの定義がまだない中で同軍団が発足し、課題に取り組無のは歴史の中で硬直してしまった米国の戦闘司令部の制約を外す意味もある。
  4. 国 防情報局、国家安全保障局、国家偵察局での経験をもつ安全保障コンサルタントのマイケル・タンジはサイバー軍団は「マトリックス構造の中で活動」して軍民 を問わず最適人材を配置し、軍の所属と関係なく問題を解決すべきだと言う。「ピラミッド型の組織図や、さらに小型のピラミッドがその下にあるような組織で はうまく動きません。サイバー軍団は防衛と攻撃を任務とすべきで、その最善な方法は全員を一緒に動かし、敵の考え方を理解し、敵の用いる手段をりかいさせ ることです」(タンジ)
  5. 同 軍団の運用では新しい方向性が必要だという見方は他の専門家にも共有されている。「空軍や海軍の創設時とは事情がちがう。サイバー分野では10年から15 年の遅れが生じており早く追いつかないといけない」(IT警備保障でペンタゴン、民間双方に経験をもつリチャード・ステイエノン) 彼によればサイバー軍 団の優先事項は基本からはじめるべきだという。「設立一日目にアレクサンダー大将は机を拳でどんどん叩くべきだったのです。つまり、各ネットワークの接続 状況と防護の実態を把握すべきだったということです。もちろん、これは規模が大きく、費用もかかるのですが、どうしても実施すべき仕事です。」
  6. ワ シントンで7月に軍事通信電子産業協会の支援で業界、サイバー関連の各軍司令官及びサイバー軍団トップが集まり、問題点をどう解決していくべきかを討議し た。エネルギー省の情報収集・防諜部長ブルース・ヘルドは「静的なサイバー防衛では敵の機敏なサイバー攻撃に対応が追いつかない。今後うまく攻撃に対処し ても、もっと攻撃が続くだけだ。」と警告した。
  7. デイビス陸軍准将(サイバー軍団業務部長)は各軍の攻撃能力を結合し、その他の政府組織及び民間部門とも連携し、政府が「多様な戦闘形態の全てで通用する枠組み」を作る必要があると指摘した。
  8. その他にエド・ミューラー(大統領府国家安全保障通信諮問委員会座長)はサイバー攻撃阻止では「この数年間で大きく進展して戦術的にはより有効になった」と発言。今後も進化を続けるには「官民連携が絶対必要だ」という。
  9. ハッ カーや不満を抱く政府職員からの脅威が広がる現状や各軍内部からの情報漏洩の可能性を考えると、これだけ多様なサイバー攻撃への対応がひとつの組織にサイ バー軍団としてまとまるのか疑問に思える。そこで同軍団の政策立案責任者であるヴォートリノー空軍少将が各軍のサイバー司令官を取りまとめて、「単一の任 務しかないものはどこにもいない」として各軍のサイバー作戦は同時にサイバー軍団の指揮命令系統下にも置かれるべきだと指摘した。
  10. ブ ルンディッジ空軍准将はこれに加えて各軍の活動を迅速に「調和化」するべきと発言。同准将はイラク配属時に各軍が「自軍組織の中で報告していたため、各軍 が情報の争奪戦を行っていた。そこでの教訓はもっと多くの結果を得るためには各軍が一緒に汗をかき、調和することだ」と発言。
  11. ア レクサンダー大将はサイバー軍団の直面する課題を以下のように説明している。米国が他国と戦闘状態に入る例を考えると、米国ネットワークへのサイバー攻撃 が行われても、敵国が第三国を経由して攻撃への関与を隠したらとどうなるか。あるいは米国が国家レベルではない敵の攻撃を受けたら。「それぞれ対処する交 戦規則が異なる。現時点では交戦規則が正しく出来ていないのが現状だ。」
  12. サ イバー軍団がまだ対応手段を逐一整備していない間に脅威はすでに存在しており、「ゆっくりやっている暇はない。敵はすでにわがほうのネットワークを理解し ており、ネットワーク運営者よりも多くを知っている可能性もあるので、敵の目の前で早くドアを閉める必要があり、今すぐすべきだ」(スティーノン)
  13. タ ンジにはサイバー軍団の成否は軍団トップが情報時代の組織運営にふさわしい考え方で、とりまとめ、行動を起こせるかに掛かっていると写る。「もし軍の他の 部門と同じモデルを考えていたら、失敗するのは明らかです。組織内部、外部との紛糾に終始するでしょう。軍事組織で成功するには他の部門を出し抜くしかあ りません。それを克服するには各組織の持つ能力をかけあわせる解決方法を生む思考が必要です。」■

コ メント いつもの当ブログ内容で出てくるテクノロジーや装備が今回は全く登場していません。今回は政策レベルの話でもあり、組織の枠をどう克服するのかと いうマネジメント問題でもあるのですが、ネットワークに依存する我々の生活をどう守るかという切実な問題でもあるので、ここはぜひ柔軟な対応をお願いした いものです。軍事、国家レベルに加え、電気通信水道ガス交通と生活全般に影響する話なので。その点で防衛省にやっとサイバー部門ができた日本ですが、アメ リカ以上に深刻な組織の壁(むしろ組織構成員の心の壁なのかも)を超越して「国民生活」を保護する方法を模索しているのでしょうか。時間がなくなってきま す。エネルギー省に防諜部門があるのは知りませんでした。