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F-15サイレント・イーグルはどうなっているのか


中国の第五世代戦闘機の話題の次にはF-15を安価にステルス機に改造するボーイングの話題ですが、初出は今年6月の記事です。これが今出てくる裏を考える必要がありますが、封印したF-22の復活への期待なのか、機数では相手にならない西側ステルス機部隊の補完を同盟国に期待するのか、よくわかりません。どちらにせよF-35単体ではF-22の代わりにならないのは自明の理なので、日本としてもサイレントイーグル含めたステルス機の部隊編成を今後真剣に考えることになるのでしょうね。まずは本当にSEが飛ぶのをみることにしましょう。

Boeing Studies Stealth Eagle Options
aviationweek.com Jun 11, 2009


1. ボーイングはF-15SEサイレントイーグルのレーダー断面積(RCS)削減レベルの可能性について米政府関係機関による輸出許可申請の前に自社検討を進めている。
2. 「どこまで下げられるかの問題ではなく、どこまで下げるのが許されるのか問題であり、この管理は米国政府がしています。政府次第で削減レベルも変わります」(ブラッド・ジョーンズ ボーイング社F-15発展型開発担当者)
3.社内データがもととなり、政府との協議で前面ステルス性をどこまで認めることができ、F-15SEへの関心示す各国への輸出が可能となるかが決まる。研究では新造サイレントイーグルと既存F-15の改修の各例。
4.RCS削減の大きな対策は現在のF-15が搭載するコンフォーマル燃料タンクをコンフォーマル兵装庫に置き換えることで空対空あるいは空対地武装を機内に格納する。
5.「機体各部でRCS削減対策を検討していきます。部署ごとに使う技術を使い分けます」(ジョーンズ)
6.ボーイングはRCS削減策の検討を極力早く終了して政府と許認可について協議したい意向。購入希望国からの最初の企画提案提出の申し入れは2010年中ごろから2011年に韓国から発出されると同社は想定している。
7.また同社内でF-15SEの兵装庫の設計検討も進行中で、電動・油圧または圧縮空気により、あるいは組み合わせにより扉開閉と武装の投下を迅速に行うことが検討されている。
8.社内検討の結果、国際分業の可能性が浮上し、開発期間が延びる可能性があるとジョーンズは見ている。導入に関心を示す各国の中には兵装庫に別の装備として側面監視レーダーやブロードバンドの電子戦ジャマー装置を格納したい意向もある。
9.F-15SEの開発発表は今年3月に海外国が導入意向を示したためであったが、それ以来ボーイングは既存機改装のオプションでも検討を進めており、コンフォーマル燃料タンク撤去後の航続距離についても検討がされている。
10.改装後のF-15Eは当初のまっすぐな垂直尾翼のままで、220から240海里の戦闘行動半径の減少となる。一方、新造F-15SEでの減少は180から200マイルとなるのは新設計の傾斜尾翼およびデジタル式のフライバイワイヤと電子戦(EW)装備が装着されるため。
11.「コンフォーマル燃料タンクの廃止で燃料等裁量は1500ガロン減りますが、デジタルEWではこれまでの三つのシステムがひとつにまとまり、その分燃料を搭載できるのです。最終的に950ガロン減ることになります。」(ジョーンズ)
12.デジタル式フライバイワイヤにより機械式飛行制御機器が不要となり、重量と搭載スペースが節約となる。一方、傾斜垂直尾翼により機体後部の揚力が増える分だけ、機首のバラストを減らすことが可能となる。これが400から500ポンドに相当する。
13.ジョーンズによるとボーイングはサイレントイーグル実証機を2010年初めあるいは年央に飛行させる予定で、海外顧客から提案企画書の要求が出る前に性能を見せたいとしている。「海外の顧客は低リスクを志向していますので、まず当社による飛行試験を見てから提案要求が出てくるでしょう」(ジョーンズ)

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