スキップしてメイン コンテンツに移動

それでもF-22をあきらめない日本


Japan Still Eyes F-22
Aviation Week & Space Technology 9月7日号


新政権が過激な変化、短期的な変化をもたらす可能性は低い。

民主党による新政権にはかつて自民党所属議員が多数含まれると見られ、ワシントンは過激な政府運営の変化を予測していない。総選挙前の取材では米政府関係者は日米関係の変化は基本的に肯定的なものとなると見ていた。「日本との同盟関係に変化が出てきました。その一部は日本の国防で必要な能力は何かを日本が議論していることから生じています。同盟国として相互にリスクを受け止め、一方が保有していない能力を提供する必要があります。」(エドワード・ライス米空軍中将 第五空軍司令官)

同中将の言っているのは日本がロッキード・マーティンF-22の取得を希望していることで、同機の持つ速度、高度、ステルス性、精密爆撃、長射程電子偵察能力で日本南西部の沖縄での既存装備の能力不足を補いたいとするもの。ただ、F-22生産ラインは日本への同機販売が承認される前に閉鎖の可能性がある。生産終了となると日米両国にとって日本向けのステルス戦闘機の調達が課題として残る。航空自衛隊幹部への取材の結果、F-22部隊が米国所属であれば同機の性能を活用した即時運用、効果のある運用が困難と日本側が考えていることがわかった。特に米空軍が日本国内の基地に同機を駐留させてもF-22の持つ戦略的な意義が減じてしまうと見ている。米側は日本防衛にF-22が利用可能とする。ライス中将も両国の能力ギャップを最小限にするため装備体系の変更が必要と認める。「米国はF-22の持つ性能を日本に提供できます。この性能を日本が持つ必要はない。第五世代戦闘機のみで構成する空軍力を実現するには別の方法があるはずです。」

一方、日本を長年にわたり担当しているある情報機関関係者は次のように見ている。「日本は地域内の脅威を非常にはっきりと認識しています。(米国と違って)機敏です。ただしローテク戦闘があちこちで頻発しており、日本の分析は集中を乱されています。憂慮すべきは当然としても北朝鮮については長期的には脅威度が減るでしょう。日本経済が最悪の状況を脱していきますから、米国の軍事技術を応用する希望が高まるでしょう。それ自体は悪いことではありません」

日本の中長期的な防衛方針と米国のQDR(四年周期の防衛体制見直し)との整合により、量億の考える防衛体制と安全保障体制に変化が生じよう。日本の政権は変わるが「当分は両国の間でうまく対応できると思います。地域的にも世界的にもいっそう関与を高めていくという日本の決意は重要です。今後もその方向で決断をしていくでしょう」(ライス中将)

コメント 上院には輸出型F-22の開発を進めるよう圧力をかける動きがあり、別途まとめてご報告しましょう。日本ではF-22への片思いは成就しないとあきらめている動きがありますが、航空自衛隊は違うようです。まだまだ当分は目が話せない話題です。

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ