2009年12月31日木曜日

2009年を振り返る




今回は ターミナル1・2共通記事です。
今年もいよいよ大詰めです。Aviationweekはサイト記事へのアクセス数から以下のニュースを今年の重大ニュースとして選びました。若干当方のブログの読者諸兄のご関心方面とはずれがあるようです。ちなみにターミナル1で最大のアクセス数となったのは12月の787初飛行関連、ターミナル2ではF-22関連でした。また、今年はブログ3として日本からのニュース発信を英語出始めました。こちらはまだアクセス数が微小ですが、今後も続けて行きます。それでは月並みですが皆様良いお年を。



2009 YEAR IN REVIEW:

aviationweek.comでは今年で航空宇宙・防衛産業でよく読まれた順に記事内容を再掲し、2009年の締めくくりとする。最も多く読まれた記事は以下のとおり。

プレデターC「アヴェンジャー」の初飛行 Predator C Avenger Makes First Flights
改良を加えステルス性を高めた無人航空機で、ながく噂に上っていた機体。20時間の飛行が可能でジェットエンジンを搭載したプレデターCアヴェンジャーが4月にジェネラルアトミック・エアロノーティカルシステムズから登場。

米空軍がステルスUAV運用の事実を認める  USAF Confirms Stealthy UAV Operations
米空軍が本誌に対し「カンダハールの野獣」といわれる無人機の存在を確認。ステルス性あると見られ沿革小銃されるジェット推進の同機はアフガニスタン上空を飛行しているのを2007年末から目撃されていた。

グラスコックピット Glass Cockpits for Maintainers: Looking Behind the Screen
航空機は初期の時代からパイロットにとって計器をにらんで機体の状況を確認するのが普通であった。ライト兄弟はフライヤー号にストップウォッチ、風速計とタコメーターの三つの計器しか積んでいなかった。

ボーイング787が初飛行  Boeing 787 Takes Off
12月15日午前10時27分(太平洋標準時)、787が重く垂れ込める雲の下、ワシントン州エバレットから離陸し、ボーイングは期間8ヶ月の飛行テストを開始した。

さまよえるオスプレイ The Odyssey of the Osprey
開発開始から四分の一世紀が経過し、途中4回の墜落事故で30名の命を犠牲にして、オスプレイの第一線配備がはじまった。

NASAがハイブリッド主翼胴体一体機で環境目標達成めざす NASA Backs Hybrid Wing/Body to Meet Environmental Goals
NASAは旅客機を全翼機にすると大幅な燃料消費節約と騒音低減を実現するとし、はやくて2020年に実用化と見る。ただこの期待が現実になるまでには大型機材を作成した実証実験が必要だ


【2009 最も多く読まれたブログ投稿記事】
米空軍がステルスUAV運用を明らかにする U.S. Air Force Reveals Operational Stealth UAV

再利用可能な宇宙打ち上げ機 Plans for future re--usable space launch X-plane hatched

国会議員の軍用ジェット機利用に監視の目 Watchdog Targets Congress' Use of Military Jets

787初飛行:787 First Flight: Airborne!

エティハド航空のA340にF1絵柄
 Etihad's Impressive A340 F1 Paint Job

キラービーUAV
 Killer Bees Swarming to Defend

ホンダジェットが型式証明に近づく
 Honda for the heavens

アメリカン航空のフリート更新
 American Airlines Skirts Chaos

依然好調なVIP仕様航空機
 VIP Aircraft Market Still Strong

2009年12月29日火曜日

ロシア第五世代戦闘機の初飛行は近日中


Sukhoi Fighter Starting Flight Tests
aviationweek.com Dec 28, 2009

スホーイの第五世代戦闘機プロトタイプがタクシーテストを開始した。初飛行は1月初旬を予定している。同機はPAK-FA あるいは T-50と呼称されている。テストを実施した場所は同社のコムソモールKomsomol-on-AmurのKnAAPO工場で、PAK-FA開発は機密事項扱いとなっており、同機の映像は初飛行実施後に公表されるものと予想される。今月はじめにイワノフ副首相がT-50の初飛行は1月初めと報道陣に確認している。

2009年12月26日土曜日

極秘新型爆撃・ISR機の開発が進行中か

Classified Bomber Under Consideration
aviationweek.com Dec 22, 2009

1. 予算20億ドルの極秘新型機開発計画がノースロップ・グラマンが契約先で進行中と言われる。
2.もし、そうであれば以前から断片的に出ていた情報が意味を持ってくる。始まりは2005年でノースロップ・グラマンのスコット・ウィンシップ(X-47無人戦闘航空機(UCAS)開発主任)が当時進行中の共用無人戦闘航空機(J-UCAS)よりも大型の機体に米空軍が関心を示していると発言したこと。超長距離・搭載量1万ポンド級・全幅172フィートのB-2に匹敵する構想を同社はX-47Cとして提案した。「ディープマガジン」として知られる大型かつ各種兵装に対応した武器庫により複数目標に違う種類の兵器を投下する長距離機の構想であった。しかし2007年度予算でJ-UCASは終了された。一方、海軍はX-47B開発を継続し、2010年の初飛行予定までこぎつけたが、空軍予算が極秘開発に振り向けられたといわれる。空軍は次世代爆撃機(NGB)の予算項目を新設したが、同計画は2008年度から10年度の各予算では予算が計上されていない。
3.一方ノースロップ・グラマンが大規模機密計画を受注する見込みと2007年にほのめかしている。2008年の同社財務報告書では統合システム部門で受注残が20億ドル突然に増加と表現された。
4.それ以来、消息筋から同社が大型ステルス機の実証機製作を受注したと伝えられており、同開発計画は2009年4月の国防予算大幅削減の対象外だったとも伝えられている。
5.おそらくこれに関連して大型ハンガーがグルームレイク(ネヴァダ州)の米空軍フライトテストセンターに建設されている。このハンガーだけ土手により囲まれており、基地付近の立ち入り可能地区から遮断されている。
6. ステルス全翼機形状の実証機で重点は空力特性と飛行推進力の検証となりそうだ。B-2の設計は計算流体力学(CFD)の初期に行われ、立体気流モデルを正確にシミュレートすることができず、空力特性と信号特性を無難な形で妥協して行われている。それから30年が経過し、計算処理能力が飛躍的に増強された結果、より探知されにくい特性を持ちながら効率性を向上した設計が可能となった。
7. 高高度性能も目標だ。視認の危険性があるためB-2は昼間では生存できないと空軍では見ている。B-2の巡航高度は大部分の戦闘機の運用高度と同程度で目視確認される可能性は高い。一方、6万フィート以上を飛行する航空機はこの可能性が低い。
8. 新型爆撃機はB-2の重量の半分だが、全長は同程度でB-2と同種類の兵装を運搬できるし、重量3万ポンドのボーイング開発の大型貫通爆弾間までなら搭載可能で、強化・大深度の目標の破壊が可能だろう。
9. NGB開発にはB-2改修内容が有効に利用されているだろう。B-2用の改良点のひとつに回転式兵装発射機があり、各種兵装を取り混ぜて搭載できる。また新型Kuバンドのアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーできわめて明瞭な地上目標解像度が得られるし、ステルス機用に設計された高性能衛星通信システムもある。
10. 爆撃機の存続を主張する向きは爆撃・ISR両用機を生産・運用する構想を提案している。初期生産型は有人機で、既存エンジンを利用し、センサー・エイビオニクスも流用する。後期生産型は無人機あるいはオプションとして有人型とし、高性能エンジンを搭載し、高高度性能を向上し指向性エネルギー兵器を自己防衛または攻撃用に使う際の動力も供給する。
11. ステルス性は爆撃機・ISR機ともに重要な要素であり、主翼胴体一体型あるいは全翼機の形状は二つの長所があるという。ひとつは全方位ステルス性を確保できること。これに対し通常型に近い形状のF-22やF-35では機体側面と垂直尾翼により「蝶ネクタイ」型のレーダー断面積特性が出るという。近年になりロシア、中国から相次いで新型VHFレーダーが出現しており、ステルス機対抗性能が高まったといわれる。
12.新型爆撃機に核兵器運用能力は必要だろうか。アナリストのバリー・ワッツが2009年2月の論文中で新型爆撃機には以下の四例に対応するには通常戦能力が最適と論じている。1)防空体制の整った敵領土内奥深くに侵攻する場合 2)超長距離攻撃が求められる性質の紛争 3)迅速に破壊する必要がある目標が防空体制の整った領土内にあり自機の生存が必要な場合 4)敵防衛力の有効範囲外で戦闘行動をとる必要がある場合 とのこと。ワッツの見方では核兵器の使用が必要なのは地域レベルの強国に対する場合のみで、その場合も限定的かつ制御した核兵器の使用として、中程度の電磁パルス攻撃にとどめるべきとしている。

コメント: RQ-170(この番号自体がF-117と同じく超絶しています)の存在が明らかになって急に次世代爆撃機にISR機能を持たせた新型機体の開発が進んでいるとの観測が増えました。今後情報が入り次第またお伝えします。

USAF: C-130改修は棚上げか


USAF Appears To Shelve C-130 Upgrade
aviationweek.com Dec 23, 2009

1. 米空軍はC-130向けエイビオニクス近代化改装(AMP)の入札決定を凍結する模様で、2011年度概算要求にこれを盛り込まないものと見られる。
2. この事業は58億ドル規模となるはずだったがこれまでもトラブルに見舞われている。計画概要では13型式500機におよぶC-130のコックピットとエイビオニクスの標準化を狙ったが、コストおよび日程の超過で2005年に対象を222機に絞った。その後一機を喪失しているので現在の対象は221機。その他使用中の129機も何らかの改装が必要。
3. シュワルツ空軍参謀総長は今年の秋にAMPの実施ができなくなると発言していた。空軍関係者は今回の決定の理由について言及を拒否。
4. AMPについてボーイングがロッキード・マーティン、BAE、L-3の各社を破り競合に残っていた。しかし、契約成立がボーイングに不公正に与えられたとの内部情報があり、この結果に影をさした格好だ。
5. 同社は予算14億ドルで開発の継続が許され、現在完成している。しかし、生産は競争入札にまわされた。今、その戦略に疑問が投げかけられている。
6. ボーイングでAMP担当のマイク・ハリスはAMPキットの単価を7百万ドルに削減する作業が日程どおり進行中という。2007年に同社はこれを14百万ドルと見積もっていた。空軍関係者は13.3百万ドルとして想定していた。
7. 当初の計画では2008年11月に生産が開始の予定であったが、途中で複数の見直しがかかり都度遅れが生じた。
8. C-130への通信航法監視・航空管制(CNS/ATM)装備をどうするのかを空軍は決断する必要に迫られている。この装置で最適な航路の選択ができるがAMPは不要となる。
9. そこで2010年2月にペンタゴンが2011年度国防予算案を発表する際にC-130向けのAMP装備是非についての最終決断が下されるものと見られる。

2009年12月23日水曜日

C-17 UAEが導入


UAE C-17 Deal Advances

aviationweek.com Dec 22, 2009

1. アラブ首長国連邦(UAE)によるボーイングC-17輸送機合計4機の調達が正式に海外軍事販売(FMS)の承認を議会で得ることになり一歩前進した。
2. FMSの対象となるのは同機の補給部品の調達で、機体自体は商業取引で購入される。補給品契約の金額は501百万ドルとなると見られる。
3. ペンタゴンはUAEの意向は同機を地域内輸送に使うものだが、「アフガニスタン駐留米軍・NATO軍の支援も考慮されている」としている。UAE軍はすでに目立たぬ形でアフガニスタン作戦を支援しており、ヘルマンドでは無人機を運用し情報収集・監視・偵察を駐留軍に提供している。
4. 中東でのC-17導入はカタールに次ぐ二例目となる。カタールは2機を受領済みでさらに2機を発注済み。サウジアラビが次の導入国になると見られる。ボーイングは中東地区での同機の導入は合計20機規模と見ている。
5. さらにインドとも同機導入が話題に上がっており、英国が追加導入の予定を公表したばかりだ。

コメント;C-X開発が遅れる日本ですが、アフガニスタン支援をこのまま続けるのであればC-17導入も当然検討されてしかるべきです。と言っても財政難では困難となりますね。また、C-Xの開発を進める中でC-17元鳴門【仕分け会議】が黙っていないでしょうね。しかし、グローバル空輸で日本の存在感を示す子とができれば安い買い物なのですが。

2011年度予算に登場する新型ISR機は攻撃機にもなる


New ISR Project Planned For 2011
aviationweek.com Dec 21, 2009

ISR(情報収集・監視・偵察機)は本ブログ主宰者の嗜好もあり、何回も登場するテーマです。以下は新しい動きについてです。前回からお知らせしているRQ-170が意外な形で今後の機体につながるようです。


1. 中止となった次世代爆撃機の後で新しい動きがあるようだ。その中に情報収集と爆撃任務を同時に行う構想があるようで、その場合の爆撃とは爆発以外の効果を想定している。
2. 「長距離ISR/打撃」航空機の兵装には指向性エナジーおよびネットワークへの攻撃手段が含まれるだろう」とデイブ・デプチュラ中将(ISR担当空軍参謀次長)は話す。開発中の指向性エナジー兵器にはレーザーおよび高出力マイクロウェーブパルス発生装置があり、そのほかの非運動性兵器として敵のセンサーに対する精密な非定型波でのジャミング、およびネットワーク侵入で敵防空網の連絡通信を遮断が想定されている。
3. 新型爆撃機の設計にはアフガニスタンに投入されているロッキード・マーティンRQ-170センティネル無人ステルス監視機の経験が反映される。
4. 「新型ISR/打撃機には低視認性が明らかに必要な要素だが、攻撃効果を全部運動性のあるものにする必要はない。技術進歩で従来の爆撃機の概念から抜け出して、また予算の制約から多用途機となる。将来の爆撃機の重要な任務は爆弾の運搬ではなく、情報を迅速に伝え意思決定に役立てることだ」
5. 政府内部では新型長距離攻撃機の性能水準をそこまではっきりと表現していないが、2011年度国防予算要求と5ヵ年国防計画の一環としては重要と認識している。
6. ゲイツ国防長官は従来型の爆撃機開発を2010年度で中止し、QDR(4年毎の国防力見直し)の一部として見直しを命じた。QDRでは有人・無人両方で、長距離飛行性能を持つことの重要性を主張すると見られる。
7. 「QDR他の検討結果から長距離攻撃能力が強調されるだろう」とゲイツ長官はイラク視察の道中で発言している。
8. ノートン・シュワルツ大将(空軍参謀総長)もこの考えを支持し、空軍が新規開発二案の予算を計上する可能性を示す。ひとつは次世代爆撃機(NGB)の後継機種、もうひとつは宇宙配備の偵察衛星だ。二案が2月に議会に提出される次々年度予算案に盛り込まれる可能性がある。
9. もし新規開発が実施されれば米国国防産業には朗報となる。ゲイツによれば米軍は「同ステルス機合計2,400から2,500機の購入」となるという。
10. 長距離ISR/攻撃機の要求性能水準はまだ未定であり、予算計上の優先順位もまだ低い。しかしながら、妥協が許されない要素がひとつある。戦闘行動とISR任務を同一の機体で実施することだ。情報収集活動と戦闘作戦を別のものとして論じるのは誤りとデプチュラ中将は語る。さらに米国はアフガニスタンの非正規戦から先進国型の通常戦まで幅広く準備をする必要があるのだ。
11. 「この18年間は航空優勢の元で作戦を展開する余裕があった。これからは制空権がない環境、遠隔地での戦闘を想定する必要がある。」(同中将)
12. その条件で将来の機体を有人型とするか無人機とするか、また敵地侵入型とするかスタンドオフ攻撃とするかの決断が求められる。
13. 「長距離侵攻型のISR/攻撃機がはるかに多くの利点がある。有人運用であれば無人機よりも対応できるオプションの幅が広がるので安定性と即応性能力が高まる」(同中将)
14. ただデプチュラ中将は有人・無人型の設計を両立する余地があるという。「遠隔操作で長距離ISR攻撃機を運用するのであれば有人機とするオプションもあるが、任務が単純な情報収集を脅威度が低い地帯で行うのであれば遠隔無人機が適している」という。
15. アフガニスタン国内の戦闘がISR能力の整備に役立っている。MC-12Wでフルモーションのビデオ情報と通信情報収集を行うと同じ方面に24機が必要となる。MQ-9リーパーにゴーゴンステアISRポッドを搭載すれば同時に10通りのビデオ信号を10箇所に送信できる。最終的には同ポッドにより 65画面の処理ができるようになる。
16. 通信技術の大幅な進歩で世界中の分析官に即座に情報を送ることが可能だ。
17. 空軍は信号を地上に未処理のまま送信する以外に飛行中の機体内で処理する方法も模索している。これで地上分析官へ送信するデータを削減することができる。その他としてデータ圧縮技術の応用と画像アクセスシステムが検討されている。後者は機密扱いのウェブサイトで世界中任意の地点に関する大量の情報源から最新のデータを利用できるもの。

RQ-170の170というのはF-117と同じような番号の付け方。単純な新型UAVではなく、上にあるように今後の空軍装備の変更に大きな役目を持っている機体の用に思えます。あるいはこの情報が機密解除になったということは実はすでに同機の役目は終わり、別の機体が極秘裏に開発中なのかもしれません。つまり、センティネルはそのカバーアップということなのでしょうか。

ミサイル防衛に無人機を利用するMDA構想


MDA Refines UAS Concepts For Missile Defense
aviationweek.com Dec 18, 2009

1. 米ミサイル防衛庁(MDA)が無人機(UAS)を利用した弾道ミサイル追跡方法を検討中。
2. 具体的にはUASをミサイルの初期弾道追跡用のセンサー群に取り入れる検討。8月にMDA長官オライリー中将が空軍のリーパー無人機を使い、ミサイル防衛の監視用に使えるかを検証すると発表した。海軍はステラダガーの名称で3月に実証実験を行っていたことが判明。
3. 同実験では巡航ミサイルをSM-2ブロックIIIAで、また短距離弾道ミサイルをSM-2ブロック4で迎撃に成功たがリーパー2機(空軍と海軍が一機ずつ運用)が搭載のMTS-B中波赤外線センサーで弾道ミサイルの上昇飛行を追跡した。2機必要なのは「ステレオ」追跡が必要なため。 MDAによるとリーパー各機は355キロメートルから422キロメートル離れた地点を飛行していたという。
4. このテストでセンサーの追跡機能には操作員による手動作業を不要とする一層の自動化が必要なことが判明した。
5. MDAは初期迎撃に必要な追跡機能を有する機体の情報提供を業界に要請する正式文書を発信した。同文書によると2012年までにシステム数合計4あるいは2015年に合計12システム確保してリスク分散を考えている。
6. MDA開発担当部長のリッチ・マトロックによるとMDAはリーパーにこだわらず、業界から広く提案を歓迎する。
7. UASの運用構想としてはまず上空の赤外線センサー搭載衛星(国防支援衛星あるいは宇宙配備赤外線衛星)から信号を得る、あるいは地上配備レーダーからの合図を得て、発進中のミサイルをUASに発見させる。MDAは既存UASの利用を可能な限り進めて費用を節約したい考えだ。
8. MDAは来年実施予定の地上配備中間軌道迎撃実験および空中配備レーザー迎撃実験の際にもUASを飛行させ追跡機能の実証を行う。
9. 議会はペンタゴン要望を受け、早期迎撃用に2010年度国防予算に総額80百万ドルを追加している。

2009年12月21日月曜日

次年度米国防予算をめぐる議会の動き

U.S. Defense Bill Includes Changes
aviationweek.com Dec 17, 2009

1. 2010年度国防支出法案によると、米空軍は戦闘航空力の再編計画の検討内容を議会に提出するまでは保有航空機の退役費用の支出を許されなくなる。
2. 12月15日に正式に発表され賛成多数で翌日通過した最終法案に付随した説明文書によると議会は米空軍が合計248機のF-15、F-16およびA-10を退役させる予定であったことを知り、「憂慮」しているという。
3. 上下両院が合意した歳出案では4月1日までに上記検討結果の提出を求めている。
4. 議会はオバマ政権に対して465百万ドルもの資金を共用打撃戦闘機用の代替エンジンGE/ロールスロイスF-136用に確保する要望およびボーイングC-17生産追加10機の要望がを出している。ホワイトハウスからは今年早々にもともに無駄な支出だと一蹴している。
5. F-136エンジンと追加C-17以外に、議会からはVH-71大統領ヘリの代替機種の要求が出ている。議員からは100百万ドルが「研究開発に投入済みの投資分の埋め合わせに必要」との声が出ている。
6. ミサイル防衛では当初予算を82.8百万ドル上回る202百万ドルをイスラエルとの共同開発に割り当てており、これまで計上されていない上昇段階早期迎撃研究に80百万ドルを与えた。
7. 議会の後押しを受けたミサイル防衛庁はイスラエルとの共同開発を三分野で進め短射程及び中射程の弾道ミサイル防衛能力を引き上げることとなる。
8. ペンタゴンの2010年度予算関連書類によるとここに含まれるのはアローウェポンシステム、ダビデ・スリングウェポンシステム(ともに短射程ミサイル防衛用)および新規高度システムとしてイスラエル製アロー3あるいは陸上配備型スタンダードミサイル3が想定されている。
9. 一方、いわゆる海外緊急作戦の予算、つまり簿外の戦費として議会は総額63億ドルで合計6,000台の対地雷・待伏せ攻撃強化車両を購入する。

2009年12月19日土曜日

ロシア空軍の再編は成功するか






Russian Military Aircrew Numbers Tumble
aviationweek.com Dec 16, 2009


1. ロシア空軍の乗員総数は40%削減される。空軍編成を新しい運用・指揮命令系統にあわせるもので年末までに実施される。
2. 空軍司令官アレクサンダー・ゼーリン上級大将が夏に大規模な組織改正案を発表。より広範な種類の脅威に対応すべく機動力を持った組織に変貌させるのが目的だった。同大将によると新しい空軍組織は運用司令部、各空軍基地および航空宇宙防衛旅団(航空機・ミサイル対応)数個編成となる。
3. 既存の空軍および防空軍は運用司令部計4をサンクトペテルスブルグ(総司令部)、ノボシビリスク、ハバロフスク、ロストフォンドンに置くことで代替される。
4. そのほかの組織として長距離航空軍(旧第37戦略航空軍)、軍事輸送航空司令部(第61航空軍を元に編成)および航空宇宙防衛戦略軍 (旧 特殊任務部隊としてモスクワおよびロシア中央部防衛を担当)があり、最後の部隊は宇宙軍と運用を調整し、ロシアを大陸間弾道弾含む宇宙からの脅威から防衛する任務がある。
5. 組織改変後の空軍の中核は合計31の空軍基地と航空宇宙防衛旅団合計13編成で、部隊数は現在の340から180になる。乗員は現在の12,000名が7,000名に削減される。とくに将校は65千人が38千人になる。
6. この結果、旧式機が第一線を退き、空軍全体の即応度は高まる。2020年までに保有機の7割を新型機ないし性能改修機で構成しようという野心的な計画だ。
7. スホーイSu-35S(Su-27フランカーの発展型)の引渡しが2011年より始まる予定。同機により空軍は多用途重戦闘機として第五世代戦闘機PAK FAの実用化(2015年以降)まで主力戦力とする。PAK FAプロトタイプ(T-50)の初飛行は遅れており2010年はじめとなる見込み。.
8. さらに空軍は生産型のSu-34攻撃機の受領を2010年に開始し、Su-24Mフェンサーの後継機種とする。MiG-31Bの性能向上改装も進行中。
9. 空軍の組織変革は陸軍でも平行して進行中。1,900近くの部隊を常備即応部隊172にし、機械化装甲戦車師団20を複合39旅団と戦車旅団2に変える。
10. 空軍は装備がそろい訓練をつんだ部隊の運用に集中することができよう。統合で恩恵を受けそうなのが中央ロシアのボロネジ近郊バルティモール空軍基地で、構想では同基地を3,500メートル級滑走路数本の主要基地に変身させるもの。
11. そのほかの基地には廃止となる基地から機体・人員を移動させる。ミガロボの軍用輸送航空機基地がセシャ、スモレンスク、クレチェヴィツィからの部隊を吸収する。移動する機体にはイリューシンIl-76とアントノフAn-12が含まれる。
12. 機材、人員の移動によりインフラ整備や宿舎が必要となる。特に後者は国防省の一番頭の痛い課題だ。
13. 2010年中に引渡しが予定される固定翼機は合計28機で回転翼機も同数で、それに伴い追加でアルマズ-アンティS-400地対空ミサイル(SAMs)が配備される。
14. S-400を受領する予定だったのは防空部隊合計5つであったが、ゼリン大将はその実現に懐疑的だ。この移動式長距離SAMの装備を完了しているのは今のところ防空部隊二つだけ。
15. ゼリン大将はアシュルク(南部ロシア)での試射に立会い、S-400が要求性能を満たしていないと不満だ。具体的にどこが問題なのかは不明。
16. さらにS-400の空軍への配備は生産能力の制限により遅れており、国防省は第二生産拠点構想を提案している。

2009年12月15日火曜日

KC-X競作で自信を持つボーイング


Boeing: Tanker Boom Can Meet USAF Demand
aviationweek.com Dec 8, 2009

1. ボーイングはペンタゴンの要求する空中給油用ブームを実現してKC-X競作を勝ち取る計画と同社防衛部門責任者が明らかにした。
2. ペンタゴンによる提案仕様書案から「767をベースにした内容にもってゆく」ことになろうとデニス・ムイレンバーグ(ボーイング統合防衛システムズCEO)は語っている。
3. 同社は767原型の給油機提案をすると広く信じられているものの、同社からの正式な発表はまだない。ムイレンバーグのコメントが同社が公式に発表したものとしては同機の改装の言及では一番内容があるものになっている。
4. ただ、ボーイングの課題はペンタゴン要求の毎分1,200ガロン(約4、540リットル)移送を給油ブームで実現すること。これは空軍が運用する最大規模の機体C-5を想定した要求内容。EADSはオーストラリア向けに建造した多用途給油輸送機およびKC-Xの基本設計機でこれは実現可能としている。ただし、ノースロップ・グラマン/EADSノースアメリカのチームからは大型のA330原型の性能を反映しない仕様書を米空軍が改訂しないのであれば競争入札を辞退するとの脅かしも出ている。
5. ボーイングは第五世代の給油ブームを日本向けに開発した実績があり、これでは毎分900ガロン(約3,400リットル)の給油が可能と同社は説明。このため米空軍の要求水準を満足するためには設計を改良する必要がある。
6. 「別個にブーム開発作業を進めてきました。新型ブームの流量率は現行767給油機用のブームよりも早くしますが、要求水準を実現するめどが立っています」(ムイレンバーグ)
7. 9月公表の仕様書案ではKC-X開発は定額開発契約で行うことになっており、ボーイング、ノースロップ・グラマン双方から懸念の声が出ている。双方とも競作を勝ち残ったとしてもリスクがあまりにも高いと心配している。
8. ムイレンバーグによるとボーイングはブーム開発を「完了している」ものの、その詳細についてはコメントを避けている。同CEOはまた開発の完成度を高めるために米空軍の予算手当てが必要となるかについても発言を控えている。
9. 仕様書の最終版は1月に公表となる見込み。

2009年12月14日月曜日

USAF 次世代爆撃機等を次回予算要求に盛り込む



Bomber, Space Surveillance Eye Boost
Dec 9, 2009

1. 米空軍参謀総長ノートン・シュワルツ大将は空軍の次回予算要求に新型爆撃機および新型宇宙偵察システムを盛り込む考えだと発言。
2. 何回も消え去った次世代爆撃機(NGBあるいは長距離打撃機と呼称)が2011年度国防予算要求に復活する可能性がある。同要求内容は2月に議会に提出される。
3. ロバート・ゲイツ国防長官がNGBをいったん凍結させたのは昨年春のことで、その際は空軍が航続距離、ペイロード等の「性能水準」を明確に示さなかったためだった。また、有人機か無人機なのか、核兵器も搭載可能とするのかも明白ではなかった。
4. シュワルツ大将によると空軍はこの点について完全な構想を固めており、国防長官およびそのスタッフに案を提出できるという。
5. 宇宙配備宇宙監視システム(SBSS)の継続衛星も次年度予算案でスタートを切れると同大将は発言。SBSS一号機衛星はボーイングとボールエアロスペースが製作し、打ち上げの準備が完了している。ただ空軍は同機種の継続調達を一時中断していた。
6. SBSS一号衛星には強力な電気光学式望遠鏡を取り付けており、込み合っている地球静止軌道上の宇宙機を残らず最低一日一回は監視できる能力がある。宇宙空間上の物体を継続して監視するために必要な機能であり、各宇宙機の性能を把握することが可能となる。打ち上げは当初は今年秋の予定であったが、オービタル・サイエンシズ製トーラスXL打ち上げ機の問題のため延期となっている。
7. 今回の整備計画は「主にわが国の宇宙機材を守るために」整備されているとシュワルツ大将は本誌取材に応えている。「わが国の軌道上機材を保護するニーズがあり、仮に衛星で問題が発生すると、他国のせいによるものでないことを判別する必要がある」という。
8. ただし、上記二件の追加要求もイラク・アフガニスタン向け戦時臨時支出が増大して空軍の本体予算に食い込んでくる事態になると結局表に出てこないかもしれない。「臨時支出が本体予算に組み入れられれば余分な計画・評価作業が不要となるので十分そうなる可能性はある」とシュワルツは考える。「追加作戦費用を本体予算から支出すると大きな影響が出てくるだろう」

2009年12月13日日曜日

USAF:ステルス情報収集UAVの開発は綿々と続いている



Stealthy UAV Has Links To Previous Projects
Dec 10, 2009

1.米空軍が最近発表したRQ-170遠隔操作無人機にはロッキード・マーティンの先端技術開発計画との連関があることがわかった。ロッキードはステルス機ダークスターやポールキャット無人機を開発していた。
2. RQ-170は尾翼のない全翼機設計で機体上部に一体型センサーあるいは通信ポッドを胴体の左右に搭載している。
3.「ダークスターの設計はまだ生きています」とロッキード・マーティンを最近退職した元幹部は語る。「機密事項扱いされているだけです」
4.RQ-170の存在が明らかになったのは空軍の情報関係トップがより大型で航続距離の長い攻撃・偵察用の機体が最優先事項だと求めたことによる。
5.米海軍のEP-3E電子偵察機が2001年4月に強制着陸させられたことから、上記無人機二種の開発がはじまっている。
6.ラムズフェルド国防長官(当時)はこの事件を受け、「機微偵察作戦」用の関係者を集め急遽会議を行った。その席上、機密装備の喪失のリスクなしに重要な情報収集対象国である中国のような国の軍事情報を監視するにはどうしたらよいかを議論している。その際の結論として新型ステルス無人偵察機の開発をはじめることとなり、12機から24機を所要機数とした。空中戦闘軍団は当時はジョン・ジャンパー大将の指揮下にあり、超低視認性で高高度飛行が可能なUAVで敵国の防空網を突破する性能を求めた。目標地点まで1,000海里を飛行して、対象地点上空で8時間滞空した後基地に帰還すると言う内容だった。
7.その後のイラク侵攻(2003年)でダークスターの派生型といわれるUAVがプロトタイプとして運用されたといわれる。「ダークスターと同じステルス機で同じ装備とデータリンクがありました」と当時従事した空軍士官が言う。「機体はずっと大型でした。生産機とはかけ離れていましたが、空軍はとにかく先に進めたかったのです」と海軍関係者が言う。U-2のパイロットは高高度を飛行する機体を自らの飛行経路近くで視認している。この謎の機体は一般の有人機、無人機部隊とは別個に運用されていた。
8.広大で不毛なアフガニスタンの上空を監視する同機を米国がどのように活用しているのかは大いに関心を集める点だ。アフガニスタン国内の治安が悪化し、大規模な地上戦に発展し、空軍力を空飛ぶ砲兵隊、空輸部隊、広範囲の偵察任務に活用することになる可能性がある。
9.今後18ヶ月に約15万の米国および同盟国部隊がタリバンおよびアルカイダの攻撃能力を打ち破ることができるかが試される。その際に新技術を実用化することができる。空軍は高度技術にも資金投入していく。
10.「軍事力を遠隔地に投入し、他の追随を許さない形で敵の脅威に対応する機体がないと次世代の展望はなくなります」とデイブ・デプチュラ中将(情報収集・監視・偵察任務の副参謀長)は語る。
11. たとえば偵察監視用の機材は長波赤外線装置のような新技術により50,000フィーと以上の高空を飛行すればこれまでより長距離かつ多くの情報を収集できる。RC-135SコブラボールやRC-135WリベットジョイントまたはE-8Cジョイントスターズの各機では運用高度の上限は30,000 フィートしかない。

(写真左 Polecat 右 Darkstar それぞれロッキードのスカンクワークによる製作)

2009年12月12日土曜日

A400Mが初飛行に成功しました


A400M Takes Flight
aviationweek.com Dec 11, 2009


1. エアバスミリタリーA400Mが12月11日午前10時15分(現地時間)初飛行に成功し、20年に及ぶ次世代輸送機開発のヨーロッパ諸国の努力が成果を上げた。
2. 11,000軸馬力のユーロプロップインターナショナル製TP400Dエンジンを4基搭載したMSN001号機はエアバスのチーフミリタリーテストパイロットであるエド・ストロングマンが機長、イグナシオ・ロンボを副操縦士としセビリアのEADS施設から離陸に成功した。
3. 同機の飛行はセビリアとツールーズの両方で技術陣がモニターした。
4. 飛行試験は合計4,370時間の予定でうち6割は軍用型式証明の取得に使われる。あわせて軍用機として初の欧州航空安全庁による認証も受ける。飛行試験には合計5機を投入する。


コメント ヨーロッパの意地で製作したような同機ですが、グローバルな軍事輸送には使えず、運用コストも高いことに加え、EADSの経営にも悪い影響を与えているはずです。しかし、ここまで来たら後戻りできず、やっと初飛行にこぎつけました。このあたりの諸国では唯一マレーシアが購入リストに名前を入れていますが、日本で機体を見る機会はないでしょう。アフリカ支援のシーンで今後機体がニュースに映る可能性はありますね。

2009年12月10日木曜日

複雑なミサイル防衛の利害(ヨーロッパ諸国)




No Easy Answers To Missile Defense
aviationweek.com Dec 7, 2009

1. 米国のミサイル防衛方針はこの数ヶ月で急激に変化した。まず、中間段階での迎撃から「初期迎撃」の重視に切り替えられ、大型地上配備迎撃ミサイル(GBI)から海上配備および地上配備型の米海軍・レイセオン開発のSM-3に変更となった。さらに9月にボーイングのGBIをボーランドに配備する案が取りやめになり、段階的状況適応型(PAA)配備のSM-3に変更となった時点でもはや誰も驚かなかった。
2. この変化はNATO加盟国にあまりにも急速と写り、米政府には同盟国の懸念がわかっていないのかと感想を述べる向きもある。10月末に開催されたワルシャワ会議で、問題の複雑さが改めて脚光を浴びた。
3. 例を挙げれば、昨年夏のミサイル防衛会議がアラバマ州ハンツビルで開催されたが、その席上では「迎撃の結果影響」という専門用語は使われていない。ワルシャワ会議でも同じ。簡単に言えば、それは「ミサイル目標ではない国の上空でミサイルを迎撃し、迎撃ミサイルのブースターが発射地点から数百キロ離れた場所に落下してくることだ」とデイビッド・スパークス(NATO指揮命令通信庁のミサイル防衛部門長)は説明する。迎撃に成功した場合でも「爆発物のシャワーの結果になる」可能性がある。米国内では「迎撃しなかった場合の結果」のほうが受け入れがたいと考える向きが多数だが、バルカン諸国がドイツ国内の目標のために被害を受け入れるだろうか。ましてや米軍基地のためにはどうだろうか。
4. ミサイル防衛が迅速に行われるため迎撃手段の発射権限は現地指揮官に与えるしか選択肢がないのが現状だ。「指揮官がアメリカ人だろうとヨーロッパ人だろうか。指揮官は米国内にいるのか、ヨーロッパにいるのか。迎撃後の被害以上に多くの議論が出てくる。」とスパークスは会議の席上発言。これもハンツビル会議では話題になっていない。
5. PAAは四段階に分かれ、脅威(主としてイラン)の評価により決まるが、長距離ミサイル開発の現状を軽視している。2011年のフェーズ1では海上配備のSM-3ブロック1Bミサイルに「遠隔交戦」誘導をTPY-2レーダーから与えて使用する。陸上配備型のSM-3ブロック1Bには新設計の迎撃体を装着し、フェーズ2(2015年)で防衛対象区域を拡大し、新型センサーとして空中待機赤外線装置を組み合わせることになろう。大型ブースターを使うブロックIIBは2018年にフェーズ3で登場し、米ミサイル防衛庁の秘密予算を使い、大陸間弾道弾にも対応が可能。
6. 問題は各フェーズの想定がNATOのヨーロッパ諸国の防衛計画と整合性があるかという点だ。NATOの考え方は三段階に分かれ、米国のPAA方式を引き続き検討し、ロシアとの協力を模索し、NATO独自のアクティブ・レイヤー・戦域弾道ミサイル防衛(ALTBMD)計画として有効距離3,000キロメートルの防衛手段開発を推進するもの。
7. ALTBMDは今後のNATOのミサイル防衛システムの中心となる可能性がある。この中に複数の防衛手段を統合していく構想で、アスター、 SAMP/Tの各ミサイル、SM-3をヨーロッパ所有のイージス艦から発射することもあり、タレス・ネーダーランドが開発中の有効距離2,000キロメートルの新型レーダーも加わる。11月末のシミュレーションテストではこの新型レーダーがクレタ島沖合いでギリシャとドイツのペイトリオットミサイルを使い、ギリシャ空軍おF-16をミサイル発射地点の攻撃に誘導するのに成功している。
8. 米国はヨーロッパ諸国海軍がPAA方式整備に参加することを期待しているようだ。スペインとノルウェーにはイージス艦がある。オランダの新型フリゲート艦4隻にはSM-3が搭載される。ただし、米海軍が地中海東部や黒海でミサイル迎撃任務に就くことは実現しそうにない。そこで、米国のシステムを搭載したNATOの軍事装備を米国は期待しているのか、あるいはNATOのシステムを搭載した米国の装備を期待しているのか、という疑問が生じる。
9. どちらともにPAAを離れた政治的な問題となる。陸上配備のレーダーは自国ミサイル配備の状況を見られてしまうロシアの反感を買っているものの、フェーズ1に含まれる。その後の各フェーズでミサイルの陸上配備が入ってくる。NATO外相会議が今月開催されこの問題を検討する予定になっている。

2009年12月9日水曜日

革新的な次世代ヘリの開発にコンソーシアム結成

Pentagon Eyes Consortium To Spur Rotorcraft
aviationweek.com Dec 3, 2009

1. 米国の回転翼機メーカーが非難の表に立たされている。ペンタゴンからの要求に対し、部分的改良や再製作で対応する一方、十分利益が上がる契約を維持してきたため。ペンタゴンは各メーカーには新技術を迅速に実用化する能力がないと見ている。
2. 逆にメーカーの立場から見ると国防総省からの研究開発予算の不足で、現行機種の生産が終了する2018年から2020年以降も実用に耐える次世代回転翼機の設計能力が低下すると警鐘を鳴らしてきており、同省からの指弾にも動じるところはない。
3. ところがイラク、アフガニスタンでの作戦でヘリコプターへの依存度が高まったことで状況は変化し、苛酷環境下で現行機種に性能、安全性および生存性の問題が浮上した。ペンタゴンの最大の懸念はヘリの事故率で2001年10月から2008年12月の間に327機を損失し、このうち80%以上が戦闘行動とは無関係の損失。
4. そこで国防総省は各メーカーに対し、学術機関および技術的に革新的な新興企業とともに、垂直離着陸機開発のコンソーシアムを創設し、現行機の性能を大幅に上回る新技術を迅速に開発し、次世代機の基礎の確保を求める。メーカー側はこの構想には賛同するものの技術開発予算の増額が実現するかは半信半疑だ。
5. 「この業界は国防総省の調達方針により形成されてきたものだ。今作ろうとしているのはいままでとはちがう方向性でこれまでにない機体をつくろうというもの。コンソーシアム向け契約で議論を進めたい」(トニー・メリタ 国防総省地上戦・武器弾薬部長兼将来型垂直離着陸機計画主任)
6. 「現状は決して誇れるものではない。何かこれまでとは違う努力が必要で今回のコンソーシアムが出てきた。これで現状あるいは将来の問題を全部解決はできないが、意見交換や業界に新しい視野を与え、低リスクで研究開発ができるようになる」(メリタ)
7. 10月26日付けのアシュトン・カーター(調達担当国防次官補)のメモにより、この開発計画は議会から2010年7月を期限を与えられた垂直離着陸機の技術評価の一部となる。目標は技術ロードマップの作成であり、詳細な内容の科学技術(S&T)投資および実行案の作成も含まれ、次世代の各軍共用回転翼機開発の戦略計画が出てくるだろう。
8. 「手始めにこのコンソーシアムで今後10年15年25年の技術および生産のあるべき姿を意見を集約して想定し、そこに到達するための計画を練ることになる。その後、資金とくに基礎技術の実現に必要な投資をいかに集めるかを議論することになるでしょう」(メリタ)
9. このコンソーシアムではこれまでとは異なるサプライヤーの参加が必須で、国防総省とは「その他取引契約」(OTA)により仕事をすることで迅速かつ柔軟な研究開発が可能となる。OTAでは業界側に三分の一の費用負担が必要となるが、新規企業が実作業の大半を実施する場合はこの負担は免除となる。これにより主契約企業が小規模だが技術革新力のある企業とチームを組むことを促進できる。
10. コンソーシアムでは2025年以降の次世代機向けの技術を準備することに主眼が置かれる。その時点までにはAH-64, OH-58 ,UH-60 nの各基本設計は50年以上前のものとなっており、CH-47については70年前の設計となる。
11. かなり先の話のように聞こえるが、現行機種の耐用年数を延長するか新型機種の開発の決定はずっと前に決断する必要があり、S&T予算が2012年度から17年度に必要となる。
12. メリタがコンソーシアム形式を好むのはすでに同じ方式が弾薬およびロボット業界で成功しているため。2002年に弾薬開発コンソーシアムがペンタゴンにより形成されており、生産施設の閉鎖により基礎技術力が衰退していたのに歯止めをかけた経緯がある。地上用ロボットのコンソーシアムは2008年に創設され、異業種メーカーが多く参加している。これによりペンタゴンに新しい解決手段ができた。
13. この考え方をメリタは回転翼機産業に応用しようとしている。1990年代以降に立ち上がったヘリコプター開発計画が全部で10あり、そのうち5つで予算上限を突破し、3つは途中で頓挫している。1980年代から開始の新型機開発は2つのみで、RAH-88コマンチは24年経過して中止となり、 MV-22オスプレイは概念設計から部隊投入まで27年間を要した。
14. 一方でペンタゴンの回転翼機向けS&T予算はわずか110百万ドル(2009年度)と言うのが実情でそのうち75%が陸軍予算からの支出。国防予算の削減でこれ以上の予算を計上できる見込みはない。
15. カーター・メモでは2010年8月が垂直離着陸機計画で民間産業との連携、戦略計画、S&T投資戦略また2012年から17年度予算サイクルに合わせた財源確保の提案の締め切りとなっている。
16. 戦略の中には政府高レベルの委員会を創設し、垂直離着陸機開発全体を管理する構想があり、民間企業代表者も組み入れる。この委員会はOTA契約成立後に立ち上げるが、まず「要求内容を明示し業界のインプットを順次取り入れる」(メリタ)としている。
17. OTA契約の締結は2010年1月15日の予定で、その直後にメリタが退官する。短期間の通知にもかかわらず86団体の後援のもと業界からコンソーシアム結成の趣意書がペンタゴンに納付されている。
18. 同コンソーシアムの事務局には回転翼機メーカーのすべてが加わっており、アグスタウェストランドおよびEADSの在米法人も含む。

2009年12月5日土曜日

RQ-170 新型ステルス無人偵察機の存在を米空軍が認める


USAF Confirms Stealthy UAV Operation

aviationweek.com Dec 4, 2009


1. 米空軍は本誌Aviation Weekに通称「カンダハールの野獣」といわれるステルス機に類似した形状の遠隔操作無人機(UAV)の存在を認めた。同機はアフガニスタン上空で2007年末に目撃されている。
2. RQ- 170センティネルは無尾翼の全翼機形状でセンサーポッドを左右主翼上部に搭載しているといわれ、ロッキード・マーティンの先端技術開発プログラム (ADP)つまりスカンクワークスで開発された。空軍関係者が本日「ステルス無人航空機システム(UAS)を開発中で偵察監視支援業務を前線配備の戦闘部隊に提供することが目的」と明らかにした。
3. 同機はこれまでも本誌の技術関連ブログAres他で論議の的となっていたが、米空軍から本誌への発表は同機の詳細をはじめて公式に述べるもの。
4. 「RQ- 170の配備はロバート・ゲイツ国防長官が情報収集、監視、偵察(ISR)支援の強化を戦闘部隊司令官各位に求めたのと軌を一にしており、空軍参謀総長ノートン・シュワルツ大将の目標とする無人機を今以上に利用する空軍のビジョンにもあうものだ」と空軍は発表した。
5. RQ-170を運用するのは第30偵察飛行隊(ネヴァダ州トノパ試験場)で、同地でF-117ステルス戦闘機もその存在が秘密となっている間の基地としていた。同飛行隊は空中戦闘軍団の432飛行群(ネヴァダ州グリーチ空軍基地)に所属している。カンダハールでは同機はジェネラルアトミックスエアロノーティカルシステム社のハンガーから運用されているのが目撃されている。
6. 第30偵察飛行隊は2005年1月に発足しており、同隊の実戦化は極秘作戦の動向を注視する関係者からはかねてから注目されていた。
7. RQ- 170という名称もF-117の命名と似ている。既存機種の形式名から隔絶しており、明らかにその存在を知られないための措置だ。RQは非武装機を意味し、MQがプレデターを武装化した機種およびリーパーに与えられている。空軍の説明にある「前線配備部隊への支援」に今回判明した詳細情報を加えると、ある程度のステルス性(鈍角にしてある前縁、単純なノズル形状、センサーポッドの翼上装着)があり、同機は戦術用途の実用性の高い機体であり、戦略情報収集の用途の設計ではないことが伺われる。
8. 多くの疑問が同機の用途について未解答だ。もし、同機が高高度飛行の設計なら同機の塗装はつじつまがあわない。全体が中程度のグレイ塗装で、プレデターやリーパーと同じだが、濃いグレイあるいは全面的に黒色の塗装とするのが高高度飛行機体に最適とされている。翼端長は65フィートのようだが、MQ-9リーパーとほぼ同じだ。インターネット上でも同機の画像はごく限られている。すべて左側からの撮影だが、太い胴体が主翼に一体化しているように見える。
9. 低視認性の機体設計によりイラン国境を飛行させ中国、インド、パキスタン各国の内部を偵察させれば有益だろう。ミサイル試験のデータ、通信情報の傍受、その他各種の情報を収集できるのではないか。

A400M地上走行テスト始まる


A400M Taxi Trials Set To Resume
aviationweek.com Dec 3, 2009

1. エアバス・ミリタリーは12月2日にA400Mのタクシーテストをシステム調整後に再開し、来週後半に予定の初飛行の前段階とすると発表。
2. 同機は11月にフライトテスト部門に引き渡されてから、エンジン、ブレーキ他に不具合箇所が見つかった。すでに問題点は解決されたという。
3. タクシーテストは12月3日予定だったが、ソフトウエアのアップグレードで横滑り防止ブレーキシステムの検証が必要となった。以前の検査ではタコメーターの表示が消える事態が車輪で発生して、コネクタの不良が原因と判明している。不良の発生原因が特定されず、取り急ぎ応急処置で初飛行にのぞむことになる。
4. その他でも懸念が残る箇所がある。ひとつはナセルの加熱だ。地上での熱上昇度合いが想定よりも高い。その解決策として技術陣は高圧コンプレッサーから一部の排気をナセル・エジェクターに誘導し低出力でも良好な換気ができるようにした。そのためのスイッチは低速度かつ低風力時に地上でのみ必要となるが、今のところは手動で切入りしているが、今後自動機能を開発する。
5. 排気ガスがナセル後部でオーバーヒートすることが判明した。応急措置としてエアバスは断熱材と金属保護部材を取り付けた。恒久対策は飛行テスト用三号機に加わる。一方で補助動力ユニットでは熱の蓄積が予想よりも低いことが発見された。微調整をエンジンにしている。当面は高リバース出力は内側エンジンのみに限定される。にもかかわらず初飛行には影響ないという。
6. タクシーテストでは最高87ノットまで達し、リバースでは5ノットだったという。


コメント:いろいろ問題のある同機の開発状況ですが、こんな状態で大丈夫なのかと思わずいいたくなりますね。アジアでは唯一マレーシアが同機の購入に意欲を示していますが、買ってしまってから後悔することがなければいいのですが。グローバルリーチということからすればC-17、経済性からはC- 130とやはり選択肢はアメリカ製機体になってしまうのでしょうか。

2009年12月3日木曜日

軍事輸出で世界をリードするアメリカ

U.S. Defense Exports Still Dominate Market
aviationweek.com Dec 2, 2009

1. 軍事製品の輸出販売で中国、フランス、ロシアが積極的に拡販をしているものの、依然として米国が首位の座にありさらに販売は拡大している。
2. さらに米国とインドの関係が改善していることで軍事製品輸出の最高記録が更新となる可能性があり、販売額も単に一時的な額ではなく今後継続される可能性がある。米国防衛産業にはこの見方は心強いものであり、米国政府が財政赤字を理由に装備近代化を大幅に縮小する動きを示している中では特に強い。
3. 10年前には米国の海外軍事販売(FMS)は100億ドル規模だった。これが2008年には280億ドルとなり、ペンタゴンでは多くの関係者が一時的な現象だろうと見ていたが、その後減少の動きはなかった。国防安全保障協力庁長官ジェフリー・ウィエリンガ海軍中将によるとFMS成約額は昨年度で 381億ドルで、今年度は交渉中案件を含めると500億ドルを上回るという。
4. 米国は世界の潮流に反しているだろうか。国防装備メーカーにはサーブのように売り上げが低調になっている例が多い。顧客側に大規模装備の購入意欲が減退し手いるのが理由だという。タイ、マレーシアのように国防支出を削減している諸国もある。ただ、世界規模の財政危機が軍事装備導入の意思決定を阻害しているとする証拠は見えていない。
5. 米国ではいわゆる第1206号条項権限と呼ばれる費目での支出は大幅に増えている。これは2006年度予算で創設されており外国軍の訓練と装備を可能とするもの。
6. 米国の視点では軍事装備販売には多くの利点があり、同盟国が同等の装備品を使用すること自体に運用が円滑になることもある。また、国内産業の強化にもつながる。たとえばF-15の生産にはシンガポールや韓国からの調達品が前提となっている。反対に輸出需要があるのでF-16の生産は維持されている。これでロッキード・マーティンのフォートワース工場ではF-35の生産が立ち上がるまでの従業員の雇用が可能となっている。
7. だが米国は現状に甘んじる余裕はない。かつては米国からの装備を買うだけだった諸国が自国調達が可能になってきているためだ。
8. その例が日本だ。ユーロファイター・タイフーンのコンソーシアムが日本政府に強力に売り込みをかけている。同コンソーシアムは三菱重工業に相応の作業分担を提案している。しばらく前には日本が主力戦闘機を米国以外から調達する可能性は考えられないものだった。いまや状況は変わっているのである。
9. ヨーロッパ各国もこれが大変な仕事であるのを認識している。「相手方を納得させるのは一苦労です」とピーター・アンスティッス(タイフーン輸出担当役員)は認める。米国製装備品は依然として有利な立場にあるものの、米軍事関係者も今後については不安を隠せない。
10. 米国にとり最重要の新規市場がインド。両国関係が好転したのをうけ、受注が急増している。ボーイングP-8海上警戒機およびロッキード・マーティンのC-130J輸送機がその中で目立っている。両国の防衛装備品調達・生産部会は非常に建設的だったとウィエリンガ提督も認める。インドはさらにC- 17合計10機の購入を検討中で、主力戦闘機の更新合計126機では熾烈な競争が続いている。米国からはF-16とF/A-18E/Fが提案され、ダッソー・ラファール、サーブ・グリペン、タイフーン、MiG-35がこれに対抗。
11. ただし、米国政府の技術政策が支障となる。最近の例ではブラジルでF/A-18E/Fがラファール・グリペンと競合する中で同国大統領がこの問題を取り上げている。
12. 米国関係者はこれは過去の問題であり、現在は各国と共同作業する段階にあると強調。さらにウィエリンガ提督はオバマ政権が輸出管理体制を見直す決定をしていることを指摘。その中には軍民両用に利用可能な技術藻含まれている。
13. 米政府が海外販売にやる気がない一方、米国民間企業は提携関係を通じては欧州競合会社ほど積極的に海外顧客に営業をしていないという評価に苦しんでいる。アラブ首長国連邦の政府高官は同国産業の創立にも雇用の創出にも努力が不足していると米企業幹部に苦言を呈している。
14. それでも短期的には米国は現在商談中の案件数件からの恩恵を受ける立場。サウジアラビアと米国で高レベル協議が続いている。その中にはF-15、ペイトリオットミサイル防衛装備、海軍艦艇近代化が含まれる。後者ではMH-60ヘリやファイヤースカウト無人機の販売が想定されている。

2009年12月2日水曜日

KC-X ノースロップが仕様書に不服


Northrop Rejects Tanker Bid Under Draft RFP
aviationweek.com Dec 1, 2009

1. ノースロップ・グラマンはペンタゴンに対し、同社が米空軍の空中給油機更新については現在の仕様書(RFP)の内容では入札に参加しない旨12月1日付書状で通知した。
2. 今回の同社決定は米空軍のRFPが変更になれば撤回することになる、と同社COOウェス・ブッシュが空軍長官および空軍次官に同時に伝えている。さらに米政府に対してはノースロップ・グラマンの取引先が200社近くあることを強調。
3. 総額350億ドルのKC-X調達計画では入札者資格認定でノースロップ・グラマンから合計373項目のうち、重要度が低い項目まで同じ重みで判定されるのは不服という訴えが出ていた。
4. 米空軍のコスト削減策ではより小型の給油機を重視する傾向があると外部からの声があり、ボーイング767改修案が浮上する(ボーイングからは同機改修案はまだ発表されていない)が、ノースロップ・グラマン提案はA330を元にするもので、ヨーロッパのEADSと共同開発する内容。
5. 「国防総省には当社の危惧する内容をすべて伝えており、RFP原案が性能が限定される小型機を優遇する内容であることも加えてある。また契約上、金銭上過大な負担となりそのままでは当社が受け入れられない内容の構造についても伝えた」とブッシュは記している。
6. 先回の競作ではノースロップ・グラマンが勝利を収め、ボーイングが米政府に決定を覆させたが、ノースロップ・グラマンは入札不参加を匂わせて影響力を行使している。
7. ノースロップ・グラマンの今回の動向が前回と同じように政府の妥協を目指しているのかは不明だが、ウォールストリートではノースロップ・グラマンが競争入札から脱落する事態は想定していないようだ。

2009年12月1日火曜日

WGS 軍の通信をグローバルに支える衛星


Third WGS Spacecraft To Launch Dec. 2
aviationweek.com Nov 25, 2009

1. 米空軍はボーイング製広帯域地球規模通信衛星(WGS)の三号機を12月2日にデルタIVロケットで打ち上げる。
2. WGSの打ち上げがデルタIVで行われるのは今回がはじめて。
3. ボーイングは同衛星を軌道上で三週間にわたり作動試験を行う予定。その後一ヶ月をかけて同衛星を運用上の軌道に移動し、欧州・アフリカに展開の米軍部隊向けの通信支援に利用する。搭載機器の校正には三週間が必要で、正式な運用は2月の予定。
4. WGS三号機はブロックIの最終機で価格は約3.5億ドル。一号機は太平洋司令部、二号機が中央軍(イラク、アフガニスタン含む)向けに稼動しているのに加わる。
5. ブロックIIの三機がボーイングのエルセグンド工場(カリフォルニア州)で製造中。
6. WGSは既存の国防衛星通信システム(DSCS)の衛星群に追加導入され広帯域通信を提供する。WGSの各衛星はDSCS衛星に比べて10倍の広帯域通信量を利用可能とするといわれている。
7. WGSではXバンドおよびKaバンド通信が可能。また、別のバンドを利用する相手先との交信ができる。中央軍ではWGSにより全地球放送システムが可能で前線の兵員が利用している。また高帯域のビデオ信号をプレデターおよびリーパー無人機から中継することもできる。
8. ブロックIIになると、無人機からのデータをチャンネル再振り分けを経由せず衛星に中継する能力があり、利用者向けの処理能力が増加するという。
9. 空軍関係者によると現在8機のDSCS衛星が軌道上で運用されているという。各機の寿命は今後数年間残っており、2020年以降も稼動できる燃料が残っている機体もある。設計寿命は10年で、多数がすでにその期間を過ぎている。
10. このうち、6機が廃棄軌道に移動している。このうち、一機は試験用途で時々利用されている。

2009年11月30日月曜日

オーストラリアのF-35導入計画

Australian Government Okays F-35 Purchase
Nov 25, 2009


1. オーストラリア政府はF-35共用打撃戦闘機を14機をとりあえず購入する決定を下し、今後数ヵ年かけて運用舞台を拡大する検討する公約は見直さないこととなった。
2. 同国は30億ドルを同機開発の分担金とし、初号機を2014年に受領しテストと訓練に使う。この機材は米国内で運用となる。この分担金で必要な支援施設も導入する。
3. 同国は2012年に次の決断として最低72機のF-35を導入して実働部隊に採用すべきかを決定する。計画によると導入が決まれば稼動開始は2018年となる。
4. 「2012年までにはコスト見積もりがより現実的になり、当初導入予定の機数、必要な支援資材その他の費用含め、米国、わが国、他の共同開発国向けで合計1,000機を超える同機のデータが判明するだろう。これにより、わが国の国防計画全体の中でJSF取得の計画内容の精度が上がることが期待される。」(国防相フォークナー上院議員)
5. オーストラリアはF-35を100機購入する意向を示していた。これはまだ可能性にすぎず、今後の決定次第であり、現有のF/A-18F部隊の動向にも左右される。
6. オーストラリア空軍が配備するのは通常型離着陸性能機版。
7. 2012年に再度見直しをする際には同国航空宇宙産業へのJSF開発関連での効果も考慮する予定。国内企業25社が2億ドル相当の業務量を確保していると発表をしている。生産が本格化した際の事業量が次の話題となろう。「オーストラリア企業が相応の価値のある業務を受注することが重要で、ロッキード・マーティン他JSF関連ではオーストラリア産業への考慮があってしかるべきだ」(国防関連人材・物資・技術担当大臣)

2009年11月29日日曜日

X-47Bの開発も難航しているようです


UCAS-D Flight Slips, Sea Trials On Track
Nov 25, 2009

1. 米海軍向けのノースロップ・グラマンX-47B無人戦闘航空システム実証機(UCAS-D)の初飛行は2010年第一四半期へ延期となった。これはエドワーズ空軍基地(カリフォルニア州)での地上点検で推進器の音響特性、エンジン始動の進行手順で問題が発見されたため、調整と追加テストが必要となったため。
2. 低速度によるタクシーテストは12月以降の予定と海軍が文書で本日発表しており、海上公試を空母運用型のUCAS-Dで実施する予定は2012年のままで変更なし。より詳細な情報は海軍から発表されていない。
3. ノースロップ・グラマンはコメントを出していない。同社の関係者はプレス取材は一時的に中止となっている。
4. テスト飛行は今月の予定であった。今夏には関係者は実証機をパタクセントリバー海軍基地(メリーランド州)まで全区間あるいは一部区間飛行させると楽観的であったにもかかわらず、現在は初飛行の日程を数週間延期してまでもその後に問題が見つかることのないように慎重に点検すべきと考え方が変わってきている。

コメント うーん、すべてのプロジェクトが遅延しているように見えます。よほど不都合な事実が判明したのでしょうね。海軍の現役パイロットは無人機の導入には及び腰のようですが。プロジェクト管理手法では追いつかないほど技術が複雑になっているのでしょうか。一見不可能と見えたポラリスミサイルを見事開発するのに大きな力となったPERT-CPMのような画期的なツールはもうでてこないのでしょうか。

2009年11月27日金曜日

F-35の開発も難航しています


More JSF Test Planes, Software Work Needed
aviationweek.com Nov 24, 2009


1. ペンタゴンは総額3,000億ドルのF-35共用打撃戦闘機(JSF)開発で飛行試験用機材とソフトウェア技術者の増加を検討中。同機の実戦配備の遅れを回避する手段としている。
2. 合同評価チームによりF-35開発では少なくとも160億ドルのコスト超過が発生しており、想定していた飛行試験の日程は実現不可能とも判明した。
3. ペンタゴン調達部門のトップ、アシュトン・カーター(次官補)は記者団に対し11月23日、テスト機数を増やすことで「時間を圧縮して」テストを実施できると語った。別の可能性はソフトウェア技術者陣を増やすことで、交代制をとることで同機の運用、ミッションの実施に必要となる多数のコードで発生する問題を「事前回避し、解決する」ことだ。
4. これを実施するとコストはさらに上昇するが、カーターの言い分ではこれは「投資」であり、長期的には開発計画が安定化すると見ている。日程計画を実現することが各国の開発パートナーに同機の購入意欲を持続させることになる。
5. カーターはさらに各種の問題を「今後数週間で」分類し、2011年度予算で追加支出を求めるのだという。
6. 過去にペンタゴンは飛行試験中のF-35を2機テストから外し、ロッキード・マーティンのモデル検討とシミュレーション技術により設計の確認が可能と言う理由であった。今回テスト機材を増やすことがモデルおよびシミュレーションだけで懸案となっている問題の解決には不十分と判断されているのかは明らかではない。
7. カーターもプラットアンドホイットニー製F135エンジンのコスト上昇が大きな課題だと認めている。
8. 独立製造工程検討チームがカーターの下に編成されており、ロッキード社のF-35組立てライン(テキサス州フォートワース)で作業効率が向上し、製造単価の引き下げが今後可能なのかを検証する予定。
9. しかし、政府およびロッキード社ですでに上昇してしまったコストの負担が必要であるとカーターは見る。最終的な開発費用の全貌はまだ見えてこないが、カーターのチームでオプションを検討している。ロッキードCEOのボブ・スティーブンスと同社のJSF開発部門トップはカーターと会見し、11月22 日に問題点を検討した。「政府だけで日程の遅れのコストを全部負担するのは困る。開発に伴うリスクは相互負担すべきだ」(カーター)
10. カーターはペンタゴンの意見に固執し、GE/ロールスロイス製F136エンジンを代替選択肢とするとF-35開発にはマイナス効果しかないと主張。エンジンが二種類になることで競合効果を示す費用モデルはまだないとし、新たなエンジン開発、製造コストの追加分を上回る節減効果はないと見る。さらに、代替エンジン開発費用をJSF開発費用から支出したことで同機開発の進展を「阻害してきた」とも発言した。


コメント: F-35開発も相当の混乱が生じているようです。近年の新型機開発がことごとくつまずいているのはなぜでしょうか。プロジェクト管理手法とその実施に相当の進展が必要なのでは。それはともかく、同機開発には導入を想定して費用負担までしている各国の利害もからみ、開発の遅れは大きな影響を防衛政策に及ぼすでしょう。そこに40機程度とはいえ、後発で日本が導入に手を上げれば、ここぞとばかりに日本への追加負担を求めてくることは必至です。それよりも同機の性能が本当に保証されているのかが問題ですね。私見ですが、F-35は日本にとっては必要のない機体と思いますがいかがでしょう。

2009年11月26日木曜日

F-15サイレント・イーグルはどうなっているのか


中国の第五世代戦闘機の話題の次にはF-15を安価にステルス機に改造するボーイングの話題ですが、初出は今年6月の記事です。これが今出てくる裏を考える必要がありますが、封印したF-22の復活への期待なのか、機数では相手にならない西側ステルス機部隊の補完を同盟国に期待するのか、よくわかりません。どちらにせよF-35単体ではF-22の代わりにならないのは自明の理なので、日本としてもサイレントイーグル含めたステルス機の部隊編成を今後真剣に考えることになるのでしょうね。まずは本当にSEが飛ぶのをみることにしましょう。

Boeing Studies Stealth Eagle Options
aviationweek.com Jun 11, 2009


1. ボーイングはF-15SEサイレントイーグルのレーダー断面積(RCS)削減レベルの可能性について米政府関係機関による輸出許可申請の前に自社検討を進めている。
2. 「どこまで下げられるかの問題ではなく、どこまで下げるのが許されるのか問題であり、この管理は米国政府がしています。政府次第で削減レベルも変わります」(ブラッド・ジョーンズ ボーイング社F-15発展型開発担当者)
3.社内データがもととなり、政府との協議で前面ステルス性をどこまで認めることができ、F-15SEへの関心示す各国への輸出が可能となるかが決まる。研究では新造サイレントイーグルと既存F-15の改修の各例。
4.RCS削減の大きな対策は現在のF-15が搭載するコンフォーマル燃料タンクをコンフォーマル兵装庫に置き換えることで空対空あるいは空対地武装を機内に格納する。
5.「機体各部でRCS削減対策を検討していきます。部署ごとに使う技術を使い分けます」(ジョーンズ)
6.ボーイングはRCS削減策の検討を極力早く終了して政府と許認可について協議したい意向。購入希望国からの最初の企画提案提出の申し入れは2010年中ごろから2011年に韓国から発出されると同社は想定している。
7.また同社内でF-15SEの兵装庫の設計検討も進行中で、電動・油圧または圧縮空気により、あるいは組み合わせにより扉開閉と武装の投下を迅速に行うことが検討されている。
8.社内検討の結果、国際分業の可能性が浮上し、開発期間が延びる可能性があるとジョーンズは見ている。導入に関心を示す各国の中には兵装庫に別の装備として側面監視レーダーやブロードバンドの電子戦ジャマー装置を格納したい意向もある。
9.F-15SEの開発発表は今年3月に海外国が導入意向を示したためであったが、それ以来ボーイングは既存機改装のオプションでも検討を進めており、コンフォーマル燃料タンク撤去後の航続距離についても検討がされている。
10.改装後のF-15Eは当初のまっすぐな垂直尾翼のままで、220から240海里の戦闘行動半径の減少となる。一方、新造F-15SEでの減少は180から200マイルとなるのは新設計の傾斜尾翼およびデジタル式のフライバイワイヤと電子戦(EW)装備が装着されるため。
11.「コンフォーマル燃料タンクの廃止で燃料等裁量は1500ガロン減りますが、デジタルEWではこれまでの三つのシステムがひとつにまとまり、その分燃料を搭載できるのです。最終的に950ガロン減ることになります。」(ジョーンズ)
12.デジタル式フライバイワイヤにより機械式飛行制御機器が不要となり、重量と搭載スペースが節約となる。一方、傾斜垂直尾翼により機体後部の揚力が増える分だけ、機首のバラストを減らすことが可能となる。これが400から500ポンドに相当する。
13.ジョーンズによるとボーイングはサイレントイーグル実証機を2010年初めあるいは年央に飛行させる予定で、海外顧客から提案企画書の要求が出る前に性能を見せたいとしている。「海外の顧客は低リスクを志向していますので、まず当社による飛行試験を見てから提案要求が出てくるでしょう」(ジョーンズ)

2009年11月25日水曜日

中国の新型戦闘機開発の行方


中国が第五世代機を本当に開発しているのか、それよりも第四世代機の多数配備の方が脅威だというのが以下の記事の趣旨です。それにしてもF-22の少数配備で今後20年間は一機一機をアップグレードして使っていく米空軍に雲霞のような中国機と対峙していけば結果は明らかですね。結論はF-22の生産再開、性能向上だと思うのですが。(写真は中国のJ-11)



China Promises New, Advanced Fighter

aviationweek.com Nov 24, 2009


1. 中国には第五世代戦闘機生産の資源も技術も確保されていると米空軍および情報機関関係者は見ているが、中国航空宇宙産業には西側最新鋭機と同等の性能を実現する中核的技術が不足しているのも事実。
2.ただ中国の技術陣がシステム工学、集積の能力を入手しており、高性能機を大規模に生産し、配備することが可能なのかは不明。
3.人民解放軍空軍(Plaaf)が新型機体は米海軍情報部が1997年にJ-XXの名称を与えており、さらにステルス性を追求した設計になっている可能性がある。双発でデルタカナードをもつ機体の概念設計が存在することがすでに知られている。
4.今後10年間に中国がF-22クラスの機体を前線配備する可能性は低いが、新型機の開発は進んでおり、初飛行の期日は近づいていると、中国の航空宇宙工業関係者ならびに米国情報機関筋は見ている。
5.その見方をする米国情報関係者は長年にわたる中国空軍力のアナリストであり、中国による高度技術の利用方法を次のように要約している。「合法的あるいは非合法すれすれ、あるいはスパイ行為による技術獲得のいずれかで中国はわがほうのステルス機の構造および素材についてほとんどのデータを入手していると見て間違いがない。また公開特許制度からも恩恵を受けている。またわがほうの制度を利用して軍事、警察、公共、民間商用データからも幅広く情報を収集している。」
6.もはや最新鋭とはいえないF-22やB-2の設計も別の要因だ。中国側の研究員にはこれまで20年間の時間が与えられており、各機の技術的特長を追求することができた。
7.「米国、日本、ロシア、ヨーロッパ各国から中国は必要なデータを集める手段を確立しています。生産工程の技術的リードと集積度ではまだ当方が勝っていますが、一方でISO 9000/9001/9002 他の標準化により技術文書が以前よりも容易に入手腕切るようになってきているのも事実です」(前述米情報機関関係者)
8.中国のJ-10攻撃戦闘機はF-16と類似性能があり、中国製設計としてはこれまでのところ最高の例と考えられている。第一線配備は2006年に開始されており、その他の中国軍用機は民間機の複合材機体の生産技術をボーイング向け旅客機生産に従事したことから応用している。
9.J-10の原型はイスラエル製ラビ戦闘機から多くを得ており、この点でイスラエルが中国にとって重要な技術提供国であることを示している。また、ロシアからも支援を受けている。
10.ロシアのSu-27フランカーをもとにJ-11Bを開発しており、エイビオニクス、火器管制、エンジンは自国製に換装している。そのJ-11Bの発展型がJ-XXにつながる。
11.J-11BはPL-12中距離アクティブレーダー誘導ミサイルを搭載する。同機の開発は中国の国産誘導兵器技術の基礎が拡充していることを意味する。
12.「目下のところ中国の軍拡競争相手はインドで、中国がリードしています」(前述米情報機関関係者)
13.この二国間競争で米国に直接の影響はないが、少なくともペンタゴンの計画立案者に中国が大規模な軍事力整備を加速している一方、米国は限定戦争あるいは対ゲリラ戦型の紛争に対応した技術開発と予算支出が中心になっていることを自覚させている。
14.「私見ですが、わがほうは何十億ドルも無駄に支出して、低速低高度飛行のMC-12(偵察機)、MQ-1/9(無人機)。C-27J(軽輸送機)を整備しています。また世界最高クラスには達しない、最大公約数的なF-35JSFを導入しようとしています。」(米情報機関関係者)
15.F-22に詳しい戦闘経験豊かなパイロットによると海外国による最先端戦闘機が大量に生産されると米国ステルス機部隊にとって重大な脅威となるという。
16.「相手方の機体が第四世代機としてもF-22が187機しかないので、最終的にはわがほうのステルス機部隊が先に消耗してしまいます。中国機は各8基のミサイルしか搭載しませんが、F-35と同数の戦闘機を配備すればいいのであって、ラプターと同じ性能は必要ではないのです」(航空宇宙産業関係者)
17.中国にとってF-35と同等の性能を持つ戦闘機を今後10年間で開発するのは決して不可能な課題ではない。「莫大な資源を投入すれば可能です。ただし、今のところ中国の機体はロシアやイスラエル技術の延長線上のものばかりで純国産設計が出現していません。まだレーダー開発技術能力や複数の技術の統合経験は不足しています。これが課題でしょう」(米空軍高官)
18.「画期的な技術の改良は可能としても、大きな目標水準そのものを変更するのは運用上はたいした利点にはなりません」(上記米空軍高官) ステルス性能ではF-22が全方位で-40 dBsm、F-35で-30dBsmの要求性能であった。J-10が中国のステルス技術の飛躍台になる可能性はまずない。
19.「J-10を基本としていると中国の設計は困難になるでしょう。レーダー断面積を大幅に削減するには機体表面の塗装コーティングだけでは不十分です。J-10には空力学的特徴もありますが、ステルス性の獲得にはマイナスになります。中国も設計変更や塗装コーティング剤の変更で実現を図るでしょうが、運用上の利点が生まれるのかは疑問です。
20.「複合材の利用技術で向上を図るでしょうし、ステルス性を実現するコーティング材料はすでに広く知られており、利用も可能です。機体設計がいっそう洗練されて登場したときがひとつの転換点となるでしょうね。」(米空軍高官)

2009年11月24日火曜日

A400Mの前途は依然として多難


A400M Engines Run In Prep For First Flight
aviationweek.com Nov 23, 2009


1. エアバス・ミリタリーはA400M輸送機の初飛行の準備を進めている。同機搭載のTP400Dターボプロップエンジン4基のパワーオンテストは予定よりも数日前に実施が完了している。
2. ただし、予定外の損失を生んでいる同機の開発状況から生産契約の再交渉を巡る同機発注各国との議論は平行線のままでエアバス・ミリタリーはこの点で進展をしていない。11月19日に同機の購入の中核となる各国の高位国防関係者がベルリンに集まり、同機開発の今後の進め方を議論した。フランスが各国に働きかけて追加金融支援と技術供与を進めようとしているが、ドイツは現行の条件をそのまま進めるべきと主張している。さらにドイツの新任国防相グッテンバーグはエアバス・ミリタリーの親会社EADSからの支援の可能性を期待している。
3. 同会議は年末までは同計画を進めるという合意以外にはほとんど成果を生まず閉幕した。次回会議は12月にドイツが主催する。話し合で進展がないまま、将来の契約内容が不明のままA400Mは飛行テストに入ることになる。また、エアバス・ミリタリーは現行の契約内容のままでは同機の開発は継続できないとしている。
4. 11月18日にセビリア(スペイン)で同機のエンジン各基は低出力設定のままパワーオンテストを開始した。推力は今後増加させる予定。エアバス・ミリタリーによるとテスト終了後のエンジンカウル点検では高温排気あるいは液の漏れはみつかっていないという。同機の補助動力ユニットを使ってエンジン回転が開始された。同機のエンジンにはヨーロッパ航空安全庁からの飛行承認が下りている。

2009年11月19日木曜日

中国の第五世代戦闘機開発は予想外に早い


PLAAF to Fly 5th Generation Fighter
aviationweek.com Nov 15, 2009


1. 中国人民解放軍空軍(PLAAF)によると同国製第五世代戦闘機の試作機の初飛行が迫っているとのことで、同機は今後10年以内に第一線配備となるという。これは米国情報機関の予想よりも相当早い。事実とすればロッキード・マーティンF-22Aの生産打ち切りによりF-35生産を優先するという根拠が誤りだったことになる。
2. PLAAFは先週設立60周年を迎えたばかり。その特集番組でHe Weirong空軍副参謀長が同機開発計画を公式に認めている。第五世代戦闘機開発は「熱烈に進め」られており、初飛行はまもなく、空軍への納入は2010年までに完了するという。
3. 同機の開発は第611研究所(成都)で行われ、試作機製作は成都航空機の第132工場となるという。成都航空機の第五世代機設計は国内の他社設計案との競作を勝ち残ったものと思われる。ライバルの瀋陽の第601研究所も開発に参加することになるだろう。
4. 北京の情報筋は成都J-10の主任設計技師Yang Weiが昇格し北京のAVIC本部に異動しており、成都航空機の設計案の選定に手を貸したという。
5. これまで判明していた中国の航空機エンジン開発では黎明航空機発動機のWS-10Aの発展型WS-10Gが推力15,800kgあると見られている。その他筋によると搭載しているのはWS-15型(定格推力15,000kg)であるという。中国では政府筋が発表するまでは開発計画を言及することはまったくない。また発表した開発日程は実現を保証される。未知の技術的な支障がない限り、中国の第五世代戦闘機開発は競合する米国のF-35やロシアのT-50/PAK-FAよりも早く実現する可能性がある。

2009年11月8日日曜日

陸上配備型SM-3の運用は海軍に任せようとする陸軍



General Wants Navy To Lead Land SM-3
aviationweek.com Nov 6, 2009

1. ネブラスカ州オマハ----資材調達に限界がある陸軍予算を理由に、米陸軍は米海軍に陸上配備型SM-3ブロックIBによる弾道ミサイル迎撃の運用を託すことが望ましいと考えていると発言。SM-3をヨーロッパに配備しイランによる攻撃への対抗手段とすることが構想されている。
2. 陸軍にはアフガニスタン、イラクでの戦闘任務がありミサイル防衛へ割ける優先順位は低い。
3. そこで陸軍は海軍に主導的な立場を期待するわけだ。
4. ペンタゴンの計画では2015年までにヨーロッパにSM-3ブロックIBを配備する。そのあと、SM-3ブロックIIBを直径21インチのブースター(IA 、IBはともに13.5インチ)を利用して開発し、ヨーロッパに配備する。その際の管制・センサー系の構成は未定。イージス艦で使用のシステムあるいは陸軍の終末高高度防衛ミサイル(THAAD)で使用中のシステムが候補に挙がっている。
5. 本来であれば陸上配備型のSM-3配備では陸軍が中心となるはずだ。陸軍にはミサイル防衛システムの海外展開で10年間の経験があり、ペイトリオット、PAC3、THAADを運用してきた。しかし、陸軍が展開中のその他の作戦に予算を割り当てる必要があるのが実情だ。
6. 陸軍および海軍からの資料情報を元にペンタゴンが検討をしており、結論はまもなく出るものと予想される。

2009年11月3日火曜日

JSOW-ER対艦ミサイル


Raytheon Tests JSOW-ER As Anti-Ship Weapon
aviationweek.com Nov 2, 2009


1. ハープーン対艦ミサイルの後継モデルとして米海軍の検討対象となるJSOW-ER(共用スタンドオフウェポン)の動力付き射程延長型ミサイルの初めての試射・自由飛行がレイセオンにより実施された。
2. テストは10月1日でハミルトンスタンダード製TJ150ターボジェットの装着具合の実証となり、BLU-111弾頭部分は空にされ燃料タンクとした。
3. テストミサイルは海軍のF/A-18よりポイント・マグー(カリフォルニア州)の太平洋ミサイル試射場上空で投下され、主翼を展開しエンジンに点火後260マイル(約416キロメートル)以上飛行した、とレイセオンは発表。
4. レイセオンの当初目標は150海里(約270キロメートル)で今回のテストでは250海里(約450キロメートル)の達成を目標とした。弾頭部分を小型西、その後部に燃料タンクを装着することでJSOW-ERは300海里の飛行が可能となると同社は見ている。
5. テストでは三次元参照点を経由しながら水平飛行をした。レイセオンは推進装置をつけていないJSOW C-1(現在開発中)に続き四年以内に実戦化可能と見ている。
6. 射程延長型にもC型の画像処理赤外線シーカー(陸上の静止目標用)とC-1の持つ移動海上目標用のデータリンクを搭載する。
7. JSOW-ERは単なる実験プログラムではない、とマット・ウィンター大佐(海軍精密攻撃兵器開発主査)は強調するが、この先1月から開始となる対艦戦用兵器の比較検証候補のひとつとなる。検証作業は18ヶ月から24ヶ月の予定で採用装備は2014年度から整備となる。
8. 現有のハープーンの維持については予算は2025年まで予定済みで、新型ミサイルが投入されるまでの性能ギャップを埋めるための改修作業が行われる。(ウィンター大佐) JSOW以外の検討対象はハープーン改良型、ロッキード・マーティンの共用空対地スタンドオフミサイル、ボーイングのスタンドオフ陸上攻撃ミサイル射程延長型、コングスバーグの共用打撃ミサイルであるという。
9. 比較検証作業では空中発射、艦上発射、潜水艦発射の各種対艦兵器が対象となるが、レイセオンが提案するJSOW-ERは空中発射型のみ。


テストの記録はここを参照してください。
http://www.raytheon.com/media/jsow-er-11-09/#/resources/

2009年11月1日日曜日

みょうこうがSM-3発射実験に成功


SM-3 Scores Hit In Japanese Test
aviationweek.com Oct 29, 2009


1. 海上自衛隊のイージス護衛艦みょうこうが太平洋上で発射したSM-3ブロックIAが中距離射程能力の標的の破壊に10月27日に成功したことが米政府関係者とロッキード・マーティン社から判明した。
2. ミサイル防衛庁(MDA)によると発射されたミサイルは現地時間午後6時4分に目標を迎撃した。目標はみょうこう艦上から捕捉・追跡された。また迎撃の解もみょうこうで得たもの。迎撃の場所は宇宙空間上でおおよそ太平洋上100マイル。
3. 米海軍のレイク・エリーとポール・ハミルトンも目標の捕捉・追跡に成功し、交戦のシミュレーションを実施したとMDAが発表。
4. 今回の迎撃実施は前回2008年11月20日に失敗して以降初の試み。
5. 昨年の失敗以降の改良点について尋ねられたロッキード・マーティン関係者は回答を保留し、MDAへ質問するように記者に求めた。
6. みょうこうは本国帰還の前にSM-3ブロックIAの追加発射を予定している。
7. 一方レイク・エリーには次世代イージス弾道ミサイル防衛兵装システムBMD4.0.1を搭載しており、目標識別能力が向上している。最近のテストではミサイル目標に加え、発射後の破片を追跡するのに成功しており、来週には「非常に複雑な」分離し機の目標補足に挑戦する。BMD4.0.1には高度な能力を持つ情報処理プロセッサーが使われており、実用化は2011年となる見込み。
8. 今回の実験成功はヨーロッパのミサイル防衛をイージスシステム中心に変更する方針の是非を握るもののため関係者は安堵している。イージスを沿岸部に配備することも構想されており、2015年に実戦化の予定だ。
9. 陸上配備型のイージスシステムの方が運営は容易となる。通信は保全強化型のケーブルで可能であり追跡・捕捉は揺れる洋上ではなく大地の上からとなるため。
10. MDA はロッキード・マーティンに10億ドル相当の契約を交付しており、イージス弾道ミサイル防衛の開発継続をさせる。艦上型イージスの改良が今後の陸上配備型に有益な結果となる。同社のムーアズタウン(ニュージャージー州)で設計、開発、製造、テスト、納入が行われ、米海軍ならびに同盟国海軍向けのイージス BMD能力向上が実施される。

2009年10月24日土曜日

KC-X 応酬するボーイングとEADSノースロップグラマン連合

Boeing, Airbus Chiefs Exchange Tanker Barbs
aviationweek.com Oct 22, 2009

1.ボーイング経営トップは同社が不公平な優位性を米空軍KC-X空中給油機契約競争で受け手いるとの見解を否定するとともに逆に競争相手のEADS-ノースロップ・グラマン連合こそ政府補助金を受けた機体を使っていると非難した。
2.EADSとノースロップ・グラマンは当初は350億ドルの給油機契約を2008年初めに獲得したものの、米会計検査院がペンタゴンによる選定基準に疑義を呈したため契約ヶ成立しなかった経緯がある。今回は同連合からA330ベースの価格詳細情報がボーイングに漏れていた野ではないかとの疑惑が発表された。
3.「当方にとっては無視できない話題です。と言うのも双方ともに同じような機体を提案しているからです」とEADSのCEOルイ・ギャロワがワシントンでの10月20日記者会見席上発言している。「ボーイングにとっては当方の価格構成がわかることが好都合でしょう。当方も同じことが言えます」
4.これに対しボーイング会長兼CEOのジェイムズ・マクナーニは10月21日にボーイングの「いわゆる優位性」について反論した。「今回の競争では相手方から当社の情報がないという抗議ヶありそこから情報が出ている感じがする。相手方のいわんとしていることが理解できない」と第③四半期営業報告の発表席上発言している。
5.マクナーニは世界貿易機構によりヨーロッパ各国政府が不正にエアバス開発の補助金を支給していたとの指摘があったことを取り上げている。逆にヨーロッパ側からはボーイングが米政府からの援助を受けているとの反論に対する裁定は2010年に出るものと予想されている。
6.「公正な競争とはいえない。なぜなら今回の裁定内容で事実上エアバスの各機種が補助金を受けて開発されたことが判明したためで、A330もそのうちのひとつだ」とマクナーニは続ける。「これにより相手方は当社以上のリスクを引き受けることができるようになっている。このことは当社が詳しく調査したいと思っている」
7.マクナーニの発言は同社の統合防衛システム部門(軍用機関連)の売り上げが年換算3%増加し87億ドルになったとの説明の席上であったもの。営業利益は4%増の885百万ドルとなった。この増加から同社の軍用航空機ビジネスの強さがうかがえる。売り上げが7%増加し、利益は25%増。これによりネットワーク関連および宇宙システム分野の9%減を補う形になっている。ネットワーク・宇宙分野の減は情報収集・保安システム、ミサイル防衛・戦闘管理システムの発注量が減少したことによるもの。

F-35 韓国に甘い誘惑を送るロッキード

Lockheed Dangles F-35 Work For S. Korea
aviationweek.com Oct 21, 2009


1. 韓国がF-35発注に踏み切った場合、同機部品製造に韓国企業が参入することができるとロッキードマーティンは発表。
2. 生産ペースが上がり、日産一機になると、決定済みのメーカーに加えサプライヤーを追加する必要がある。
3. F-35用の部品製造は韓国航空宇宙産業には仕事量は増えても国産戦闘機設計では進歩する可能性にはつながらない。ボーイングはF-15SEへの韓国の参加を提案しており、こちらでは技術力向上が期待されている。
4. コリアンエアの子会社コリアンエアアエロスペースはF-35生産の分担に関心を持っているものと見られる。
5. F-35ブロック2とブロック3のソフトウェア作成では生産分担の可能性があるとロッキードは見ている。
6. 一方、韓国は同国F-X IIIの要求性能を持つ機体合計60機を求めている。それとは別に国産KF-Xを2020年配備を前提としたより高い性能水準の発揮に提案されている。来月にも同計画の今後が決定される見込みで、実現すれば韓国航空宇宙の技術水準を押し上げる効果が期待されるが、F-35購入に対して費用対効果の点で疑問が呈されているのも事実。さらに、KF-Xの要求性能水準は半ステルス性まで格下げされている。

2009年10月21日水曜日

インドが陸上配備型E-2Dを検討中




India Mulls Land-Based E-2D
aviationweek.com Oct 19, 2009

インド海軍は将来の空母設計を再評価中で米海軍の電磁航空機発艦システム(Emals)(ジェネラルアトミックスが開発中)への関心を示している。
Emalsではリニアモーターを使い、加速を得る。インドは短離陸垂直着陸(Stovl)のシーハリアーを現有の空母ヴィラートから運用しているが、同艦は退役が近づいている。インド海軍はロシアの空母アドミラル・ゴルシコフの改装をずっと待っており、最新の引渡し予定は2012年でイタリアのフィンキャンティエリの協力で空母整備を進めている。
「カタパルト技術が向上すれば、蒸気の代わりに電気を動力とする通常型空母の建造が有望だ」とインド海軍参謀総長(前)スレッシュ・メータ提督は語る。防衛対象の海岸線が7,500キロメートルにも及ぶ同国には空母が最低5隻必要だという。
より現実的に今日の警戒・軍事力投入のニーズに応えるため、インドはノースロップ・グラマンE-2Dアドバンスト・ホークアイの評価をしている。米国政府からは8月に輸出許可が下りたことで検討が進んでいる。
インドの要望はE-2D合計6機の購入で、監視警戒飛行および対テロ巡視任務に投入するもの。
インドからは2008年に情報開示の請求があり、本年8月に米海軍から技術情報のプレゼンテーションが行われた。インド海軍の空母ではカタパルト発艦ができないため、陸上型のE-2Dがノースロップ・グラマンに求められている。
陸上基地からの運用以外にインド海軍には選択肢はない。ゴルシコフ用にはMiG-29K戦闘機が配備されるが、カタパルトではなくスキージャンプで発艦させる。
高高度からの監視偵察能力の増強を進めるインドはボーイングP-8I 長距離海上偵察機を発注済で老朽化進むツボレフTu-142Mを取り替える。
 またインドは長年にわたり空中早期警戒能力および戦闘管理能力を有する機体の取得に関心を示してきた。E-2Dにはロッキード・マーティン製AN/APY-9レーダーが搭載されており、監視対象面積が現在よりも300%増加させることができる。
 一方、E-2Dについて連続飛行能力が低い、機内が窮屈、運用コストが高い、米海軍の通信機器専用に設計された機体だとの批判もある。「インド側には8時間の飛行が可能と説明しましたが、E-2CとE-2Dは外観こそ同じですがまったく違う機体です」(米海軍)
 ノースロップ・グラマンはヒンドゥスタンエアロノーテイクスと追加燃料を収容する改造主翼開発の覚書を締結している。
 E-2Cの場合のライフサイクル分析手法による飛行時間あたり費用は3,000ドルを下回ると米海軍は説明。
 米海軍・NATO諸国とデータリンクを介して共同作戦ができる能力も同機を採用した場合の利点だ。
 米各軍はEmalsの採用で現在の大型蒸気カタパルトを取り替えたいと考えている。機体の重量、速度が増大する傾向から発艦時の運動エネルギー水準も大きくなり、蒸気カタパルトの性能限界を超える予想。Emalsには供給電力を増加させる必要があるが、高エネルギー密度のフライホイールを使えば蒸気発生器の低密度を置き換えることができる。また、米海軍の装備はインド海軍には規模が大きすぎるとしても、発艦間隔を長くすれば必要となる動力を抑える解決も可能だ。

2009年10月19日月曜日

インド、ロシア軍事協力の最新状況




Russia And India Discuss Decade Of Defense Ties

aviationweek.com Oct 16, 2009


 ロシア・インド間軍事協力協議が開催され、両国間の防衛協力の円滑化が中心議題の通常の会議に見えるが、 ロシアから見るとインドは通常の軍備装備市場の域を脱している。
 米、独、仏、英各国がインドの国防支出の中から自国装備購入のシェアを高めようと必死であり、その例として調達機数126機の中型多用途戦闘航空機(MMRCA)があり、その他にもロシアも競争に加わるべき計画が目白押しだ。
 今回の協議ではロシア国防相アナトリ・セルジューコフとインド国防相A.K.アンソニーが議長となり、特に二つの議題が最重要課題となった。ひとつがロシアで改装中の空母ヴィクラマディティヤ(旧名称アドミラル・ゴルシコフ)の引渡し価格であり、もうひとつは今後の両国の防衛産業協力の枠組みの合意だ。
 その他にはロシアのT-90S戦車の国内生産が計画から遅れていること、さらに重要な新規開発計画として第五世代戦闘機(FGFA)の共同設計・開発問題のほか、多用途輸送機(ATA)の共同開発がある。
 インド海軍向けのMiG-29K艦載機の引渡しが来月開始の予定で、同機の艦上運用試験がロシア海軍の空母アドミラル・クズネトフで最近実施されている。空母ゴルシコフの改装は日程から遅れており、予算も超過しているが、インド国内の政治的関心も高まっている。これがこじれないことがロシアの利益にもなるのは、乗員の訓練他で国防産業協力が拡大する可能性が出るためだ。
 2011年から2020年の期間にインドはロシアの第五世代戦闘機スホイPAK FAの取得をめざし、同時に現有のSu-30MKI の性能向上も実施する。多用途輸送機開発はインド首相のロシア訪問(2007年)に合意したものだが両国で開発状況を再検討しており、このために合弁企業を設立し、両国軍の要望にこたえる15トンから20トンの機体の設計、開発、生産を行う。このため両国はまもなく協定書に調印する見込み。
 誘導ミサイル関連ではSu-30MKI用の空対地ミサイルとして3M-55 ヤコント (SS-N-26) の派生型ブラーモスの導入が協議内容に含まれており、加えてブラーモスから超音速性能の兵器開発が検討されている。ブラーモスはラムジェット動力で速度はマッハ2.0から2.5の範囲で、仮称ブラーモスIIは更なる高速でマッハ6をめざし動力はスクラムジェットとなろう。
 インドを重要な顧客と見るロシアの姿勢はKh-38 空対地ミサイルをMMRCA候補機としてのMiG-35 商談に抱き合わせで提供することにあらわれている。同ミサイルはロシア空軍にも配備がはじまったばかり。同じくMiG-29Kの商談にもこのミサイルがセットになっている。
 インド国内ではブラーモスIIミサイルの共同開発はすでに合意済みとの報道があり、その推移に多大の関心が寄せられている。ただし、この報道には確証がない。
 今回の両国 政府間協議は第9回目で各年持ち回りで開催されている。■

(写真左から インド海軍のMiG-29K、ロシアとインドが共同開発しているブラーモスミサイル)

2009年10月15日木曜日

アフガニスタン派遣で明らかになった英国軍の補給体制の弱点






U.K. Logistics And Support Concerns
Oct 13, 2009

英国によるアフガニスタン国内での作戦展開では補給および予備部品供給の問題があることが下院予算委員会で浮き彫りになった。 同委員会の報告書が国防省による戦闘部隊への補給・支援活動の実績が明らかにしている。

「国防省は重要装備を迅速に『緊急作戦要望』(UOR)要領にのっとり移送し、現場で発生した脅威に対応使用としたが、結果は不十分な初期対応または継続展開に限界があることがしばしば発生した」としている。

国防省はUOR調達手順に準拠して比較的早く戦闘部隊用の装備品を調達している。このことを念頭に同報告書が提起しているのは「国防省の現行装備調達活動とのバランスはどうなのかと言う疑問」である。

報告書では国防力見直しの一部として国防省が装備品整備計画が現在進行中ならびに将来発生しうる作戦に直結した能力水準のバランスが取れた装備を実現しているかを根本的に見直すべき、としている。

また報告書ではアフガニスタンで「マスティフ戦闘装甲車両はきわめて高い性能を示している」一方で、「予備部品の不足が発生している」としている。また「ベクター車両の信頼性は低いと判明した」としている。

さらに報告書では国防省が「イラク、アフガニスタン双方でサプライチェーンの目標水準を実現できていないが、補給対象の各部隊の平均待ち時間は短縮されている」としている。

ヘリコプターに関しては予備部品が問題としており、アグスタウェストランド・マーリンとWAH-64アパッチで顕著なのは「機体部品の共食いが必要となっており、結果本国内でのヘリコプター利用を減じている」という。

そこで戦闘作戦の支援が必要なのは認識しつつ、同委員会は「本国と海外の双方でヘリ運用の支援を実現するために民間企業へ奨励策を与え、予備部品の確保を改善する方策を検討すべき」とまとめている。■

写真 アグスタウェストランド・マーリンヘリ、WAH-66アパッチヘリ、マスティフの原型米製クーガー装甲車両(大きいです)、ぱっとしない外観のヴェクター






クーガー戦闘装甲車両(総重量17トン)を英国版にしたのがマスティフです。

2009年10月14日水曜日

米陸軍航空兵力の将来像



U.S. Army Aviation Plots Its Future
aviationweek.com Oct 12, 2009

米陸軍航空部隊のトップはコマンチに計上した146億ドルを再配分し、各種装備の近代化に支出している。コマンチヘリの開発は2004年に中止。ただ、この資金はまもなく枯渇する見込みで陸軍は財源の確保の戦略を練っている。

「陸軍航空隊の業績は好調」とウィリアム・クロスビー准将(航空部門計画責任者)は評価する。運用稼働率が高いまま維持されていることで「予算は順調についてきましたが、予算規模そのものが縮小傾向で、自己評価も謙虚にならなければなりません」

陸軍航空部隊の将来像を現実的に理解する作業は完了している。陸軍参謀副総長J.D.サーマン中将主宰の航空部隊研究報告IIは参謀総長の承認を得て 12番目の戦闘航空旅団の創設を内容に含み、装備の再編成を今後12から18ヶ月かけて実施する。また、無人航空機の利用方法を今後も模索する。

さらに4億ドルで訓練体系を改善してフォート・ラッカー(アラバマ州)でのヘリコプターパイロット養成を現状の1,200名から1,400名に増強する。一時は高等訓練機への移行に800名の訓練生が順番待ちになっていたこともあり、今回の予算措置でこれを緩和できる。アパッチ、ブラックホークの新型機導入で2012年までに解消の見込み。

コマンチの開発中止以降に陸軍航空部隊が予算不足に直面する事態は発生していない。逆に航空関連予算は40%増加している(会計検査院(GAO))。ただ陸軍もこのまま推移するとは見ていない。

GAOはまさしくその方向で、陸軍に対し2010年度陸軍航空近代化計画に予算の不確実性を取り込むべきと提言し予算削減の場合の対処方針の検討を勧めている。GAOは同時に共用将来型戦域空輸ヘリ開発を進めるべきと希望しており、空軍が短距離離発着に傾いて同計画が頓挫しかけている事を憂慮している。

陸軍の当面の予定は2010年までに現有システムの改良、新規開発、民生機種・装備の調達(例 UH-72Aラコタ軽量多用途ヘリ(LUH)の購入)を進めること。またUH-72については陸軍はEADS製の同機合計345機を導入する予定でこのうち210機は州軍に配備される。LUHの導入が進むとその分ブラックホークを戦闘に送ることができるとニール・サーグッド大佐(多用途ヘリ責任者)は語る。戦場でのブラックホークの需要は高い。

陸軍はLUHが順調に導入されているので、他軍あるいは海外でもラコタの導入が実現しコスト効果が大であると陸軍は強調できるだろう。米海軍は5機を総額30百万ドルで購入し、パタクセントリバーの海軍テストパイロットスクールに配備する。サーグッド大佐によると他に数カ国が関心を示し、海外軍事販売制度による導入を検討しているとのことだ。

ウォルター・デイビス准将(陸軍航空部長)は陸軍がこれまでの試練に対し計画的に潜在的な問題点を整理しながら当たってきたことを強調し、過去のコマンチ・近年の陸軍偵察ヘリコプター(ARH)の計画中止以降は変化があり、それは「戦闘で需要の高い能力を優先して維持すること」だという。意味するところはARH導入で廃棄される予定だったOH-58Dカイオワ・ウォリアーの老朽化進む部隊を維持・改良していくことだという。

同時に装甲偵察または空域観測のニーズにこたえる開発計画を策定することもある。この要求を実現するためには当初想定の単独のプラットフォームから複数の機種に変化しつつあるという。無人機を取り入れるのか、あるいは全部有人機となるかもしれない。

クロスビー准将は陸軍は今後19ヶ月以内に考えられる選択肢の検討を完了し、来年4月あるいは5月には最初の考察結果を発表し、予算編成の決定を支援する材料を提供したいという。「来春発表の当初資料で陸軍は計画の策定が楽になるでしょう。必要とする内容と実際に投入できる内容の比較対照ができるはずです。」■

(写真上 UH-72Aの原型はBk117です。 下 ステルスヘリとして開発されたものの取りやめになってしまったRAH-66コマンチ)





 

2009年10月13日火曜日

ユーロ・ホーク


Northrop Grumman Unveils Euro Hawk
aviationweek.com Oct 12, 2009

ノースロップ・グラマンはユーロ・ホーク一号機の受領テストを開始する。同機はRQ-4グローバル・ホーク無人機(UAV)の派生型でカリフォルニア州パームデールで10月8日にロールアウトした。

初の国際型UAVとなる同機はこれまでの機体と通信傍受(SIGINT)用のポッド6基を主翼に装着している点が異なっており、飛行制御ソフトの改修が必要。現在その最終作業が進行中で、タクシーテストの開始予定は来年2月。
初飛行の予定は3月。同機の所有権はドイツで、ノースロップ・グラマンは国務省に同機のフェリー飛行をエドワーズ空軍基地まで初飛行の際に行う外交上の許可を申請中。エドワーズで同機は六ヶ月にわたり性能限界を引き上げる作業を受けてからドイツに移送される。

ノースロップ・グラマンは飛行ルートを検討中。現在はカナダの領空を通過する大圏コースで直行する予定。これまでの大西洋横断飛行が西海岸からある場合はフロリダ経由だったが、航路短縮で飛行時間は約6時間短くなるという。
同機はEADSのマンチン工場へ来年9月か10月に移送されダミーのペイロードを正式なSIGINT装置に取り替える。その後のテスト等を経てドイツ空軍への引渡しは2011年となり、当初6ヶ月は作戦運用コンセプトの開発に使われる。続いて生産型ユーロ・ホーク4機の生産が2012年末までに完了する見込み。

ユーロ・ホークの生産は米空軍向け機体のロット12とロット13の一部とする計画をノースロップ・グラマンは考えている。同社が期待するのは初の海外型となったユーロ・ホークをきっかけに「大規模な」海外市場が形成されること。ドイツ・NATO向け以外に同機に関心を寄せているのはオーストラリア、スペイン、韓国、日本であり、それ以外にもあると同社は見ている。

2009年10月12日月曜日

アフガニスタン空軍部隊の再建




USAF Mentors Pass Skills To Afghan Pilots
aviationweek.com Oct 9, 2009

カブール空港から北数百メートルの荒廃したビルの陰に老朽化したMiG-21戦闘機が一機たたずんでいる。コンクリートの隙間から生えた雑草が同機を取り囲んでいる。そこから非舗装道路を少し行くと米国により最近補修された施設が二つあり、そこでアフガン国民軍航空部隊向けの教導訓練が行われている。MiGを片付けて、記念モニュメントにする計画がある。その他にもソ連時代の影響がUSAF指導員、アフガン教官、および訓練生により払拭されつつある。訓練生の多くは高年齢のパイロットで1990年代にソ連が支援した政権が崩壊したした際に国外へ脱出していたものもあり、国土の大部分を支配する部族の下で、あるいは北部同盟あるいはタリバンの下で飛行したものと経歴は様々だ。

カブール航空隊訓練センターではアフガン人機付長、消火部隊員、整備部隊員向けの講習に加え、英語とコンピュータ研修を実施している。講習に当たるのはアフガンの民間人が大部分でアメリカ人が支援している。米空軍中佐ビル・シェッド(第738空軍派遣顧問団の指揮官)によるとアフガン人教官の登用が大切なのだという。「アフガン人が関与して実施してる形を重視しています。訓練の進展は時間がかかり、忍耐も必要」だという。アフガニスタンで運用されているのはアントンフAn-26/32 輸送機、Mi-17輸送ヘリおよびMi-35 攻撃ヘリだ。

滑走路の反対側に新設の兵舎、食堂および航空隊司令部がきれいに並んでいる。その中にはMi-17ヘリのパイロット37名が教習を受けるシミュレーターも設置されている。ただし、稼働時間は一日一時間だけだ。米空軍中佐ジェイムズ・ドゥービンによると「シミュレーターを本当は一日16時間から18時間稼動させたいのですが、そうなると操作員がもっと必要になる」とのこと。

同じことはアフガニスタン駐留の米軍将校の全員から聞こえた。この国のあちこちを数週間かけて訪問して、すべてが不足していること、人員・機材の不足、いつも変更され骨抜きの交戦規則で空軍力の使用が制限されていることから戦闘行為に混乱した状態が存在していることが明らかになった。

ただひとつ希望が見えるのは生まれたばかりのアフガン航空隊の能力だと米空軍関係者が見ている。アフガン人パイロットの任務の大部分は貨物輸送で、人員輸送のほか人道援助物資のほか、アフガン陸軍兵員の医療輸送も行っている。「戦闘地域での輸送効率がいっそう重要になっています」とドゥービン中佐がキャンプKAIA(カブール空港内NATO施設)で語った。回転翼機については「医療輸送、対地攻撃、情報収集・偵察・監視を中心としています」とのことだが、これらのミッションにパイロットを配備している。

アフガン軍にはMi-35攻撃ヘリもあり、戦闘に投入するよう求める圧力も多い。同機の初期戦闘能力は8月に確立されており、「限定的ながら戦闘運用が可能なクルーが三組できました」とドゥービンが言う。言及している作戦には示威飛行、武装護衛作戦および事前策定によるアフガン陸軍向け近接航空支援がある。アフガン人パイロットはアフガン派遣国際治安援助部隊を支援することはない。また医療輸送も対象はアフガン人に限定される。戦闘が可能な状況でもクルーが武器を使用することはない。能力はあるのに、限定的な任務しか与えられず、実際に攻撃をする場面がないのだ。

今後二か月内にヘリ9機が増強され、訓練向けにそのうち二機が使われる。ドゥービン中佐他がアフガン人パイロットが経験あることを主張しているが、米空軍の指導教官の見方では今後の課題は言語理解力だという。アフガニスタン政府は同国航空業務の公用語は英語と決定している。

コメント: イラク空軍の再建への努力については先日お伝えしましたが、今回はアフガニスタンです。状況はもっと悪いことがこの記事から伺えます。その中でアフガニスタンに対するコミットメントを深めようとする日本外交には大きな試練となりそうですね。洋上給油というリスクが低い選択を取りやめ、あえて同国内に乗り込もうという日本の選択は楽ではありませんが、米国、NATO加盟国とやっと同じレベルに(中身は知りませんが)立つことができるのでしょうね。くりかえしますが、前途は多難です。

2009年10月10日土曜日

雨に弱いF-22


久しぶりにF-22の話題です。購入の道をほぼ閉ざされた日本にはもはや未練はないのかもしれませんが、もし導入していたらと考えると次の報道には考えさせられてしまいます。今後何十年も使う機体ですからこれくらいのトラブルはトラブルとはとらえずひたすら熟成を図るのでしょうか。

Air Force Timesより
F-22 problems linked to rain in Guam

By Erik Holmes - Staff writer
Posted : Monday Oct 5, 2009 11:53:34 EDT


雨とラプターは相性が悪い。アンダーセン空軍基地(グアム)の高温多湿環境でアラスカから移動してきたラプターがつぎつぎに故障を起こしている。グアムの雨季は7月から12月。同機の冷却システムに水分が入りショート、機能作動不良となっている。新型機の場合はメンテナンス上のトラブルはよくあるが、「この機体をいろいろな環境の中で使う際に避けて通れない習熟上の問題です」と太平洋空軍広報責任者のエドワード・トーマス大佐は語る。「F-15やF-16 の導入時にも小さなトラブルがあったものです」

基地の整備部隊がF-22の故障は解決しており、問題箇所に防水コーティングを施す対策を講じたという。

当地のF-22はエルメンドーフ空軍基地(アラスカ)の第525戦闘機部隊からの派遣で5月から4ヶ月の駐留。全機予定通り原隊に戻っている。アンダーセン基地へのラプターの配備はこれが三回目でいずれもエルメンドーフから移動している。

今回の事例はグアムの戦略的意義には「全然影響がない」もので、同地の防衛体制に支障は与えなかった。(同大佐)今後はグアム以外の場所にも配備される予定。

2009年10月9日金曜日

厳しい米軍各部隊のヘリ運用事情





Aging U.S. Rotary Fleet Gets Upgrades
aviationweek. com 10 月8日

予算が厳しい中、アメリカの各軍は現有回転翼機の改修、改造で前線部隊の要望に応えようとしている。陸軍航空部隊の運用責任者ウィリアム・クロスビー准将は「これはヘリコプター戦争というべきものだ。予算制約の中、厳しい運用環境におかれている」という。新型機の導入のめどが立たない中、各軍は現有機材の保守点検に中心をおきつつある。クロスビー准将によれば、飛行時間の拡大、砂塵・高温・高地が組み合わさって磨耗損傷が機体に目立ってきたことを指摘する。陸軍の補給部門から航空ミサイル司令部へ今後の機材装備計画の検討が依頼された。今月は重整備計画の最初の報告書の締切があり、その後数ヶ月をかけて分析をし、装備計画を作っていく。
クロスビー准将は「機材は改修後は10年間の耐用年数を持たせたいところです。ではどうそれを実現するか。要は事前に行動をとることです。故障が発生してから’さあどうしよう’と考える事態にはなりたくありません」
【陸軍では①ブラックホーク】各軍の中で一番多くのヘリを運行するのが陸軍だとニール・サーグッド大佐(多用途ヘリ計画主査)は語り、現時点で350機のブラックホークが飛行している事実を指摘する。80年代製のUH-60A型が新型のL型、M型と一緒に飛んでいる。A型とL型はともに改修を受けており、M型の新造機を最初に配備するのはアフガニスタンになるとサーグッド大佐は語る。
陸軍の考えるUH-60の必要機数は合計1,931機。だが現有機数は1,750機。このためA型は全機L型仕様に改装を受けている。この作業に290日かかる。さらにM型への改修でフライバイワイヤー、完全デジタル管理のエンジン(Fadec)と共用エイビオニクス計器システム(CAAS)のコックピットに換装されるが、まだ改装工程の開発に2年間必要だ。性能向上を求める声は大きく、陸軍はM型の性能水準を既存機に取り入れていくことになる。サーグッド大佐は「まだ進行中ですが、性能向上内容の他型機への展開の検討をしているところです」という。
【陸軍②チヌーク】ボーイングは砂漠の嵐作戦以降のイラクでの教訓を取り入れていると、ジャック・ドハーティー(同社H-47チヌーク計画主査)は語る。その結果チヌークはアフガニスタン、イラクでの作戦により適合しているという。砂塵による腐食対策としてエンジンを守るフィルターに加え空気中の粒子の分離機(EAPS)がある。チヌークは本国で保守点検を受けるが、ドハーティによると「EAPSから大量の砂が出てくるので驚くことがあります。そのための装置なのですがアフガニスタンの砂の半分を本国に持ち帰っているのではないかと言う向きもあるくらいです」という。チヌークの旧型であるD型にも陸軍からのフィードバックでボーイングが改修をしている。「前線の使用部隊の声をいつも聞いています。陸軍と共同で改修が効果があるのかを見極めています」
クロスビー准将によれば陸軍の回転翼機向け業務計画は大部分が既存機体の改修あるいは稼動期間の延長であるという。同准将はチヌークの新しいF型、基本性能型のUH-60M、OH-58Dカイオワの前線配備を言及している。先にはUH-60のM型内容改修とアパッチのブロックIII改修が控えている。
「気になるのは現有機体を通常の4倍から5倍のペースで運行していることです」(同准将)
【海軍】海軍では艦隊からのフィードバックはより早く、内容も多い。これは運営管理モデルが確立しているためとスティーブン・イーストバーグ海軍少将(対潜・上陸・特殊航空作戦計画主任)は語る。「艦隊の最前線で教訓がまだ新しいうちに、われわれはその内容を理解したいのです」という。10年前は海軍は新開発を無抵抗に受け入れていたという。「熱心に新型機の開発に没頭していました」それがこの10年ほどで生産工程を重視するとともに特に最近は運用支援に中心が移ってきたという。「一種のヘリコプタールネッサンスとでもいうべきでしょう。20年前、40年前の技術でいろいろ進展があります。ハードウェア、ソフトウェア両面で新型を現場に提供する過程にあります」
海軍の最新鋭シーホーク対潜・水上艦艇用機はMH-60Rの開発は順調に推移したとディーン・ピータース大佐(H-60開発主任)は評価する。空母ジョン・ステニス艦上で同型19機の部隊が編成された。
【海兵隊】海兵隊で最優先なのはH-1の改修で、UH-1Y、AH-1Zコブラが含まれる。両機種ともまずキャンプ・ペンドルトン(カリフォルニア州)に導入され、UH-1Yは11月にアフガニスタンに投入される予定とジョージ・トラウトマン中将(海兵隊航空部隊副司令官)は説明する。初回の配備において「Y型はエンジン出力が大きく増加し、ペイロードと性能も向上したのでパイロット、乗組員が燃料、搭載兵器、輸送人員で運用上の妥協をする必要が一切なしに運用できましたし、アデン湾の海賊対策でも同じです。」(同大佐)
ハリー・ヒューソン大佐(海兵隊H-1改修事業主査)によると以前のAH-1W とUH-1Nは今でも前線に配備されているが、運用を継続するには多大の注意を必要とするという。トラウトマン大佐はUH-1Nは今でも有用な機体であるものの「三十年間の稼動で空輸能力が減少し、アフガニスタンのような高温の高地環境では課題が多い」とのこと。
海兵隊はV-22オスプレーの保守点検と信頼度の向上で多大の努力を進めている。トラウトマン大佐は同機の信頼性が低いことを9月の会議で取り上げている。ただ同機の優秀性に着目すべきと度大佐は考える。8月には前線配備の各機種で稼働率が向上したという。「機種ごとに目標値が違う」が。CH- 46Eで85%、CH-53Eで75%だったという。
CH-53E型とD型の改修内容は広範囲である一方、海兵隊は新型のCH-53K重量物運搬ヘリの投入を心待ちにしている。エンジン信頼性改善プログラム(ERIP)により同機のT64エンジンの三つの機種 -413、-416(CH-53D)、-419(CH-53E改修後)それぞれで稼動時間が増大している。リック・マルドーン海軍大佐(CH-53計画主査)はこの改修結果は劇的に大きいとみる。CH-53の砂漠地帯での重点検までの稼動時間合計はわずか150時間という。ERIPの結果、これが650時間になり、マルドーン大佐の目標は1,100時間という。
【まとめ】「手元にある機体を維持することが中心です。最優先事項は各機を飛行可能にし続けることにつきます」(マルドーン) この発言は各軍で共有できる内容だろう。

コメント イラク、とくにアフガニスタンでのヘリの酷使が伺える内容ですが、生産が追いつかなくなると今後の各軍のヘリ部隊編成が大変なことになりますね。また稼働率、稼働時間の低さには注意が必要です。予算が厳しいとはいえ、これからはproactive が合言葉となり、先に手を打つメンテナンスが中心となりそうですね。