AW&ST電子版12月3日
NATO運用のAWACS合計12機の大規模ミッション・システムのアップグレード契約がボーイング主導のチームに総額13.2億ドルの中間近代化計画として交付された。パートナー兼受託業者であるEADSがAWACS最終機の改修を予定通り11月3日に完了した。ボーイングもNATOのAWACS向けシミュレータ2基を中間近代化仕様で納入している。
中間改修の主眼は新型の状況表示コンソールに以下を組み込んだことである。平面ディスプレイとユーザー・フレンドリーの航法装置、オープンアーキテクチャのミッション演算装置、マルチセンサー積分により目標捕捉・識別精度を向上する機能、また操作員の作業量を軽減するためにデジタル通信装置に衛星経由で水平線外通信、広範囲スペクトラムのVHF無線で近年増加中の東欧各国の空・陸部隊を支援すること、のほか、敵味方識別機能の向上版で次世代国際航空交通管制システムとの互換性あるもの、また、最新の全地球測位システムを取り入れたものを装備している。
NATOのAWACS部隊以外もボーイングによる改良の恩恵を受けている。9月にボーイングは米空軍のE-3AWACSのブロック40/45機体向けのミッション・システムの飛行試験を完了した。これは同社によるとE-3部隊のアップグレードでは最大規模のものという。また、同社は総額42百万ドル以内という海外軍事販売契約でサウジアラビア空軍のE-3A AWACS5機のレーダー改修第一フェーズを受注している。初期診断でどの部品が老朽化しているかを判断し、交換部品の試験および改修が実施される。第二フェーズでノースロップ・グラマン製のレーダーシステム改良プログラム(RSIP)キットの製作および取り付け、ソフトウェア統合と試験、乗員訓練が行われる。
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