スキップしてメイン コンテンツに移動

空母運用に向けて準備進むX-47B


AW&ST電子版1218

カリフォルニア州パームデール発----ノースロップ・グラマンと米海軍はX-47B無人戦闘航空システム(UCAS)実証機用に、航空母艦の飛行甲板あるいは空中から同機を管制する制御装置、視覚上の工夫、コンピュータ・プロトコールの一連のデバイスを開発中。

その一部が1216日に当地の同社施設でのX-47Bロールアウトで発表された。飛行可能な機体第一号AV-120091111日に初飛行する。二号機AV-2200912月に完成予定。両機で無人戦闘航空機の空母運用の可能性を実証する。

初飛行後は一年間の性能限界向上テストをエドワーズ空軍基地(カリフォルニア州)で行い、その後パタクセントリバー海軍航空基地(メリーランド州)に移る。カタパルト発進テストをレイクハースト海軍航空技術部(ニュージャージー州)で実施後にノーフォーク(バージニア州)でニミッツ級空母に搭載され、201111月に洋上の空母着艦試験で終える。使用する空母はハリー・S・トルーマン(CVN75)を予定。

空母運用の適合性試験では無人機の空中・艦上での管制方法を評価する。

UCAS部隊関係者は飛行甲板上で「イエローシャツ」と呼ばれる航空機運用関係者の後ろにたち、リモコン装置で同機を操る。イエローシャツの役目は混雑した空母上で円滑な運用と安全の確保。標準的な空母の飛行甲板上に12人から15人のイエローシャツがいる。

-47Bの状況は機首車輪に装着のライトの組み合わせで飛行甲板乗員に表示される。緑のライトは甲板要員が同機を制御中、青は同機がミッション要員の制御下にあること、赤は障害を示す。

UCASは空母への接近・着艦を自動で行うがその際に利用するのが共用精密接近着艦システムの母艦連動GPS着艦システムである。UCASも着艦信号士官(LSO)が飛行士の経験を生かし、最終接近で視認責任を果たすことになる。アプローチが正しくない、あるいは着艦位置が不明の場合にはLSOはインターロック・スイッチを入れて着艦を「拒否」できる。このスイッチでデジタル信号をUCASに送り、出力増で一気に1200フィートまで上昇を開始し、次の着艦管制を待つか、あらかじめプログラムずみの方位へ進む。

-47Bの最大離陸重量は45,000ポンド、最大着陸重量は35,000から36,000ポンドでノースロップ・グラマンのA-6と同等。着艦速度は重量と風力で120から130ノットの範囲となる。

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ