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次期大統領は防衛産業にどう影響するのか

Aviation Week & Space Technology 電子版11月4日付け記事より

次期アメリカ大統領は、陸上兵力を増強し、無人機・輸送機、給油機を増強したいと抱負を語り、「実用的かつ費用対効果の高い」ミサイル防衛案を支持する。また、上院議員としてブッシュ政権の八年間で記録的な水準に増加した国防支出にもイラク侵攻にも反対してきた。

同時投票の上下両院選挙では民主党が優勢で、軍事委員会、国防歳出委員会の両方で議事運営が思い通りになる。

オバマの国防上の公約は「まず人員」であり、イラク国内の戦闘作戦をこれから数年間のうちに終結させるというもの。州兵部隊、予備役を強化する考えで、合衆国の国益の海外での拡大には外交努力を優先させる。航空宇宙産業、防衛産業に聞き捨てならないのはいわゆる産軍複合体に言うことを聞かせるぞと公言していることである。リベラル派には産軍複合体は長く不快の種。

オバマ政権は「CEOより先に兵員を配備し、軍事アウトソーシングに制限をかけ、国防契約業務と予算管理に公明正大かつ経済的常識を回復させる」であろう。

オバマは選挙運動において「募集低迷と兵役延長の減少で志願制兵力の根本が危険にさらされている」と分析し、「この点でブッシュ大統領はベトナム戦争終結時と同じ誤りを繰り返し、軍の空白化を招いている。オバマ政権は軍を再建していく。」と言及。

オバマの信条とバイデン上院議員の考え方をあわせると、人員を先に考える傾向が見えてくるものの、民主党は米軍に最高の装備と技術を配備する意向を示している。ただし、オバマは高性能の戦闘機、攻撃機の開発よりも平凡ながら世界規模で作戦を展開するために必要な装備開発を優先するだろう。

「わが国は他に追随を許さない航空力を維持し、通常兵器によるいかなる対抗勢力も抑止し敗北させなければならない。迅速に世界のいかなる場所における危機に対応しなければならない。また、わが国の陸上兵力を維持しなければならない。」(オバマ)

.「冷戦期の設計によるシステムは現在と将来の課題に答えるものにとりかえなければならない。高度な技術により広範な投資が必要だ。無人機、電子戦力からC-17やKC-X空中給油機のようなシステムまで。政治家には魅力的に写らないかもしれないが、地球規模での展開を決定付ける重要な要素がこれらの機体だ。」(オバマ選挙対策本部)

とはいえ、国防総省の予算、兵力構成、軍事作戦遂行能力に大きな変化が生じる可能性は少ない。イラク、アフガニスタンでの作戦の継続および対テロ作戦が国内国外で続くためだ。次期大統領の国防政策には経済、財政の圧力が重くのしかかるだろう。

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