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次期空中給油機の選定は価格見積もり合わせへ

AW&ST電子版10月31日

次期大統領は米空軍が切望する次期空中給油機の購入に理解を示すだろうが、本案件は総額350億ドルの政治問題の嵐のさなかに投げられている。

ペンタゴンの購入部門責任者ジョン・ヤングはKC-Xの精査の新しい方針を内部検討した。

新方針には二段階あり、最初にボーイング、ノースロップ・グラマン=EADS両社案はKC-Xの燃料等裁量、航続距離、貨物・兵員輸送量他の要求内容を共に満足しているので、共に「技術適合」と判定する。だが、ことを複雑にするのが800点近くある小規模な要求内容で当初の選定では重要視されていなかった内容をどう評価するかである。

そこで第二段階では全体購入予定179機のうち最初の68機について再度かつ最終の見積もり価格を両社に求める。見積もり合わせの勝者は費用総合計結果により決定する。

以前に提示済みのノースロップの開発経費および初期納入機体費用の総合計は125億ドルで、ボーイングは154億ドルであった。

ヤングはペンタゴンが手を出せない領域があるためライフサイクルコストは厄介だという。たとえば、原油価格が最近大きく下がったが、これで両社のライフサイクルコストも減った。しかし、両社案の燃料効率は異なっており、将来の原油価格を推定することも困難なため、価格評価で一番単純なのは開発関連と初期購入機の直接費用を比較することという。

それでも議員の中には両社の機体を採用し、調達も半分ずつとする考えを支持する向きもある。これに対し、空軍関係者は両社案を同時採用する予算はないと繰り返し発言している。さらに、両案の同時購入は空中給油機を合計5機種も同時に運用することになる。KC-135部隊が最多で退役も一番早いものの、KC-130、KC-10に加え、新機種二つが加わることになる。

「同時採用は納税者にも国にも非常にまずい決定ですね。」とヤングが話すのもこの背景があるためだ。

他方、ヤングは合同評価チームを新設し、各軍での購入先選定に適用可能な共通方法論の確立をめざしている。連邦調達規程では一般論としての対応策を示しているが、今日の複雑な調達に関しては明確な規定がないのが現実である。

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