日のないところに煙は立たず。先日お伝えしたF-22生産ライン再開の構想は突拍子もない思い付きではなかったのですね。ただし文中にもあるように生産再開が経済性を無視した事業になるのは必至です。(その場合は日本やイスラエルに請求書を回せばよいとの主張がでるのでは) さらにA型をそのまま再開するより技術改良を反映したB型(仮称)を生産してこそ意味があるのであり、この開発にさらに資源が必要ですからどう考えてもそのまま実現するとは思えませんね。
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House Legislation Orders F-22 Restart Study
Lara Seligman and Joe Gould, Defense News 6:21 p.m. EDT April 19, 2016
(Photo: JUNG YEON-JE/AFP/Getty Images)
WASHINGTON — ロッキード・マーティンがF-22ステルス戦闘機の生産ラインを閉鎖してほぼ5年、米下院は空軍へ組立再開の検討を命じたと4月19日火曜日に公表した。
- 当時の国防長官ロバート・ゲイツによりロッキードのマリエッタ(ジョージア)、フォートワース(テキサス)両施設でのF-22生産は187機で終了した。当初は749機が調達予定だった。ここにきて米軍の技術優位性がロシア・中国に対し減少中との恐れがましており、下院では今年度の予算審理中に生産ライン再開に特に強い関心が示されている。また運用中のF-22がヨーロッパ、中東に急きょ展開しているのも注目を集めている。
- 下院軍事委員会の戦術航空・陸上兵力小委員会は2017年度国防政策法案の一部に空軍長官に対しF-22を最低194機追加調達した場合の費用検討を求める項目を追加した。また検討結果を議会内該当委員会に2017年1月1日までに提出するよう求めている。
- 「米国の航空優越性への脅威が敵方が技術格差を縮めることで増大する一方、同盟国協力国から高性能装備・多用途機材で世界の安全保障脅威に対応したいとの要望が増えていることにかんがみ、当委員会はかような要望はさらに検討の価値があるものと信ずる」と法案は述べている。
- ただし、空軍関係者は一貫してラプター生産再開は巨額の予算だけ使う無駄だと主張している。RAND研究所が行った2010年の空軍委託研究ではF-22を75機生産した場合の総費用を2008年価格で170億ドルと見積もっている。
- 同法案では共用目標監視攻撃レーダーシステム(JSTARS)の次期機体整備の加速化に関する情報提示を求めている。2017年度予算要求では技術生産開発契約交付が最大六か月遅れると見込み、実施が2018年になれば初期作戦能力獲得も一年遅れ2024年になる。
- JSTARSは現在16機稼働中だが、2025年度には10機不足するとペンタゴンは見ており、同法案では空軍長官にJSTARS再整備計画を二案準備するよう求め、委員会には12月1日期限でないよう報告を求めている。
- 同法案では空軍が実施中の技術成熟化およびリスク低減(TMRR)作業への不満が表明されており、空軍は代替レーダー技術を模索すべきとしている。
- 他方、同法案はF-35共用打撃戦闘機事業の維持支援戦略の分析を連邦会計検査院院長に求め、4月1日までに議会国防関連諸委員会へ結果報告を求めている。
- 同機の調達戦略は海外諸国の参画が前提で、F-35事業推進室を率いるクリス・ボグデン中将は「世界規模の維持管理制度」の構築をめざしている。同中将は現状のサプライチェーンでは増産や日常点検に対応した作業ができなくなると警告している。■
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