Norwegian F-35 Pilot Counters Controversial ‘Dogfighting’ Report
Lara Seligman, Defense News6:03 p.m. EST March 1, 2016
WASHINGTON – 昨夏にF-35の空戦能力を巡り問題報告があったが、それ以来初めて接近距離でのドッグファイト・シナリオで実際にF-35を操縦したパイロットが感想を述べている。
- ノルウェー空軍のモーテン・「ドルビー」・ハンシェ少佐がノルウェーで初めてF-35を操縦し、同機のドッグファイト結果を3月1日付のブログに書いている。ブログはノルウェー国防省のウェブサイトに掲載された。(下参照)
- ハンシェ少佐は2015年発表の報告書とは一切関係がないが、先に出た報告書の匿名報告者の指摘点では多くの反論をしている。
- 2015年発表の報告書ではF-16との比較でF-35の出力不足、操縦性の不足を高い迎角での空戦演習で指摘していた。F-35は「旋回戦でエネルギー利用の点で大きく劣」っていると匿名作成者は指摘。また「ピッチ角速度も遅すぎる」としていた。
- これに反しハンシェはF-35が迎え角をF-16より大きく取れるので、パイロットは機首を思う方向に向ける範囲が大きいと書いている。
- 「機体を敵の方向へ向ける能力が向上しており、F-16より早く兵装を向かわせることが可能だ。このため敵は防御に回ることが多くなり、F-16より早く機体速度を減速できた」とハンシェは記している。ハンシェは米海軍テストパイロット教程を修了し、ロッキード・マーティンF-16で2,200時間のフライト経験があり、ルーク空軍基地(アリゾナ州)の第62戦闘機隊で飛行教官兼兵装支援士官を務めている。
- 防御にまわるとF-35は減速しつつ「むちのように」激しく移動できるとハンシェは書いている。自動車の緊急時ブレーキより早く減速できる。
- 迎え角を最大にとるとF-35はパイロットの「ペダル入力」より早い反応を示し、機首の移動はF-16より迅速だったとハンシェは伝えている。
- 「これで機体の方向を変える別の方法がわかった。敵を十分脅かすに足る。この『ペダルターン』で旋回は低速でも相当早くなるとわかった。防御に回る際にはこの『ペダルターン』で状況を好転させる、または逆転させることも可能だろう」
- F-35の性能には批判的な向きがあり、高g高迎角操縦で機体振動あるいは「バフェティング」が発生するという評価もあった。このバフェティングが原因となりパイロットがヘッズアップディスプレイの数字を読み取れない事例が発生していた。ただしハンシェは第三世代ヘルメットを着用しており、この問題には遭遇していない。
- ハンシェも匿名報告者も意見を同じくするのはヘッドレストのせいで機体後部が見えにくいことだ。ハンシェはF-16よりF-35コックピットの視野が狭いと感じたという。
- 「F-16のコックピットの視界はよかった。ほかのどの戦闘機よりもよかった。見回して反対側の翼端を視認でき、右に向けば機体後部を見ながら左翼端を覗くことができた。これはF-35では無理だ。ヘッドレストが視野の邪魔になるからだ」
- だがハンシェはシートを前方に移動し側方に体を傾けて視界を確保してから頭を回して後方を覗いてみた。これでシートの左右を見通すことができた。
- ハンシェ少佐は過激な操縦の間も敵側の機体を視認しつづけることができたと強調しており、コックピットの視界制約は「F-35だけの問題」ではないとする。
- 「とりあえず結論としてこの機体ならF-16よりもっと積極的に操縦制御できるとしておこう」「ドッグファイトになったらF-35はどう動くか。結論から言えば、今回の経験からF-35なら攻撃姿勢をやさしく維持でき、敵に兵装を向ける可能性も多くなる」■
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