核戦争はだれもが想像したくない究極の武力行使ですが世界の現状を考えると核兵器のオプションは有効と考えるのが現実世界です。戦略空軍の後継組織であるグローバル打撃軍は今回図上演習を行った模様です。思考の筋トレというのは意訳かもしれませんが、思考を鍛えるという課題を真剣に考えているようですね。100年たってもB-52が本当に飛行できるのかわかりませんが、実現すればすごいことですね。LRS-BあらためB-3の核兵器運用は相当先のことになりそうなので当面は既存各機種にがんばってもらうのでしょうか。
Air Force Nuclear War Game Tests Future Bomber Fleet
Lara Seligman 4:15 p.m. EST December 18, 2015
(Photo: Airman 1st Class J.T. Armstrong/US Air Force)
MAXWELL AIR FORCE BASE, Ala. —2030年、米空軍は核戦争に直面している。
- 就役後80年のB-52が最新型スタンドオフ兵器を搭載しパトロール飛行中だ。新型大陸間弾道ミサイルは発射準備ができた。さらにステルスの長距離打撃爆撃機が敵防空網をすり抜ける。
- 今月はじめに空軍グローバル打撃軍(AFGSC)が大規模核戦争演習をマックスウェル空軍基地で実施し、現在開発中あるいは配備中の各装備が適正能力を発揮できるか検証した。
- 「実戦能力全般を試す演習です」とフェルディナンド・ストス准将Brig. Gen. Ferdinand Stoss(AFGSC戦力整備作戦立案本部長)がDefense News取材に答えた。「整備してきた装備が正しく機能するか確認したいのです」
- 空軍が進める核戦力近代化事業では次世代爆撃機LRS-Bを既存のB-1、B-52に加え、ステルスB-2に加え、ミニットマンII大陸間弾道ミサイル(ICBM)を地上配備戦略抑止力(GBSD)で交代させる。
- 演習は12月7日から10日にかけて実施され、将来の戦場で戦力が効果的に使えるかを検討するのが役目とストス准将は説明。演習結果はAFGSC司令官ロビン・ランド大将が評価し最上層指導部へ提出するという。
- 「ここ演習支援センターの役割はお客様となる世界各地の戦闘部隊指揮官が解決策を求め、当方へやってきますので、迅速に求められる課題へ解決策を提供することです。また正しい事実や会席結果やデータを背景情報として準備し、戦闘指揮官が選ぶはずの手段に付け加えます」とスティーブン・クウァスト中将(空軍大学校校長)が12月10日取材で語ってくれた。「これこそランド大将やグローバル打撃軍団がここ空軍大学校でめざすもので思考の筋肉を使うことです」
A B-2 Spirit takes off Nov. 8 during an exercise at Whiteman Air Force Base, Mo. (Photo: Tech. Sgt. Miguel Lara III/US Air Force)
- ストス准将は演習の詳細について言及を避けたが、混合部隊つまり既存装備と将来導入される新型装備の並行使用の効力が判明したという。
- 2030年の状況を想像するとB-52にはLink 16通信ネットワーク機能が付与され、レーダーも高性能化し、スタンドオフ兵器も威力を増しており、エンジン換装で航続距離は25%増えているだろう。B-1全機に統合バトルステーション(IBS)改修が加えられ、データリンク通信他の改良とともにエンジンも改修されているだろう。
- またB-2では全機で新型防御システム搭載が完了しており、画像処理能力の強化と新型アンテナが特徴だ。
- 演習で改良すればB-52は2050年以降も「難なく」飛行できるとわかったとストスは述べ、一部機材は100年使用できるという。だが将来のストラスフォートレス各機はスタンドオフ兵器を敵防空体制の外から発射する役目にまわり、運用可能な空域は制限を受けるはずとストスは言う。
- 一方で次世代機LRS-Bにより空軍は「未来へ踏み出す」ことが可能とし、優勢な敵空域に侵入できるとストス准将は強調する。ある程度の機数LRS-Bがそろえば「A2AD環境でも高い実力を発揮できる」という。
- 今回の核戦争演習は二回目で、初回は2013年12月に行ったが「初期段階」にとどまっていたとストスは回想する。早期に第二回目を実施したかったが予算強制削減措置により延期されたという。
- 米戦略軍司令官セシル・ヘイニー海軍大将や空軍参謀総長マーク・ウェルシュ大将は核戦争演習により戦略的思考が高まるとその効用を強調している。
- 劇的に変動し続ける世界情勢への対応を迫られる国家指導層に適切な助言を迅速に提供すべく、空軍大学校は新技術を最大限活用して演習工程をスピードアップしているとクウァストはDefense Newsに語ってくれた。
- 「この演習は頭の筋肉トレーニングであり、もっと迅速に展開しようとしています。予算をつぎこんで準備を長々と行っても提言を出すのが遅れるのではなくて、もっとすばやく実施したい」とクゥワストは言う。「ただし分析と正確度は変えずにおこないます。コンピュータ技術やシミュレーションという技術のサポートがありますし、モデリング技術やコンピュータコーディング技術も利用できますからね」■
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