スキップしてメイン コンテンツに移動

★潜水艦ステルス性が危い: 対抗策は新しい発想による戦術と技術の利用だ



なるほど海中も空中も電子電磁空間と考えれば同じという発想ですね。潜水艦乗りは単独行動を好むはずなので協調作戦が可能になるまでに相当の価値観の変更が必要でしょうね。無人潜水機を運用、回収するとすればDARPAが検討しているUAVの空中母艦と同じ構想を海中で実現することになりますね。

Transparent Sea: The Unstealthy Future Of Submarines

By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on January 22, 2015 at 6:07 PM
ssn695WASHINGTON:  探知されない潜水艦でアメリカの優位性を第二次大戦後一貫して維持してきた。しかし海中で姿を隠すのが困難になってきた。
潜水艦探知で新技術が出てきた。低周波ソナー、LED、ビッグデータ処理で探知は容易になる。だが同時に潜水艦間の相互通信も容易になる。
Bryan Clark Bryan Clark
  1. 全く新しい戦術が生まれると海軍作戦部長の上級顧問をつとめ潜水艦勤務も長いブライアン・クラークは指摘する。複数艦のネットワークで行動するのだという。有人潜水艦は敵国の海岸線から200カイリ地点で脅威を気にせず行動し、無人のミニ潜水艦や無人機が接近阻止領域拒否の防衛体制を突破できる。
  2. ネットワーク化した潜水艦戦隊ではアメリカのコンピュータ技術の優位性が活用でき、通信技術、自律運行の技術も応用できる。クラークの新戦術が米国の空中戦闘構想における無人機、スタンドオフ兵器、ネットワークの応用と同じく聞こえても偶然ではない。
  3. 「センサー類の改良とデータ処理能力の向上で海中戦は空の戦闘と似てきます」とクラークは主張。「探知はより容易になります。潜水艦と外部の連絡を水平線の彼方から探知できます。音声は地球の湾曲に沿って伝わる」ので無線信号とは異なるのだという。
  4. ビッグデータも新しい探知方法になる。各国海軍は通常はアクティブ・ソナーで1,000ヘルツ以上の高周波を用いるが、低周波で情報量はもっと多くなる。低周波は長波長となるが精度が落ちるもののコンピュータ処理で情報は明確になる。ちょうど空の世界で低周波レーダーがコンピュータの力でステルス機探知が可能になったのと同じだ。
  5. ビッグデータは別の魅力ある技術も可能にする。ソナーのかわりにレーザーやLEDの点滅光を使って潜水艦を探知する。アクティブ探知のかわりにパッシブな監視に専念し、背景雑音から海中生物の立てる音と海中を進む潜水艦の立てる波を区別する間接的な探知方法だが、空の世界でも同様の例がある。「パッシブ・レーダー」でステルス機を探知するには背景の無線発信でわずかな乱れを見つけるのだ。これはすでに当たり前の技術になっている。
  6. 潜水艦探知技術は「ステルス機を探知する方法と類似している」とクラークは言う。空中、海中ともに「ステルスの優位は消える」。
  7. だからといってF-35戦闘機、潜水艦ともに重要性を失うわけではない。ステルス性能がない機体(艦体)ならもっと悪い結果しか待っていない。ただしステルスは戦闘地帯に進入する際に代償となり、探知されずに侵入する保証はないという。
  8. そのためスタンドオフとステルスの合体が必要とクラークは主張。有人ステルス潜水艦を一定の距離外に配備し、探知されても退避可能な場所を選ぶ、一方で無人ステルス艇を消耗品と覚悟の上で送り出し、接近戦を行わせる。水上艦から大型無人機や無人潜水機unmanned underwater vehicles (UUVs)の運用は可能だ。
  9. 運用で連携をとるため水中通信ネットワークが必要になる。「水中センサーの性能向上に役立つ技術が水中通信でも利用できる」とクラークは言う。高周波音波、レーザー、LEDのすべてが水中でも広帯域のデータリンクを実現する。ただし空中の無線よりは有効範囲がせばまる。コンピュータ処理でノイズを取り除いて受信できる。海中にケーブルや中継装置が敷設してあればネットワークは陸上基地まで延長できる。
  10. 潜水艦乗りにはカルチャーショックとなるだろう。潜水艦では長期間誰とも話さず、本国の司令部とも交信しないのが通例だ。水上艦部隊と同じ集団運用・微調整のコンセプトが海中にも適用されるだろうか。海中ネットワークの実現は容易ではない。クラークは海軍上層部に働きかけてきたが、今度こそ真剣に検討されそうだ。■


コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

日本の防衛産業が国際市場でプレイヤーになれるか試されている。防衛面の多国間協力を支える産業が真の国際化を迫られている。

  iStock illustration CHIBA, Japan —  インド太平洋地域での中国へのヘッジとして、日米含む多数国が新たな夜明けを迎えており、軍事面で緊密化をめざす防衛協力が進む 言うまでもなく日米両国は第二次世界大戦後、米国が日本に空軍、海軍、海兵隊の基地を設置して以後緊密な関係にある。 しかし、日本は昨年末、自国の防衛でより積極的になることを明記した新文書を発表し、自衛隊予算は今後10年間で10倍になる予想がある。 政府は、新しい軍事技術多数を開発する意向を示し、それを支援するために国内外の請負業者に助けを求める。 日米両国軍はこれまで同盟関係を享受してきたが、両国の防衛産業はそうではない。 在日米国大使館の政治・軍事担当参事官ザッカリー・ハーケンライダーZachary Harkenriderは、最近千葉で開催されたDSEIジャパン展示会で、「国際的防衛企業が日本でパートナーを探すのに適した時期」と述べた。 日本の防衛装備庁の三島茂徳副長官兼最高技術責任者は会議で、日本が米国ならびに「同じ志を持つ同盟国」で協力を模索している分野を挙げた。 防衛省の最優先課題のひとつに、侵略を抑止する防衛システムの開発があり、極超音速機やレイルガンに対抗する統合防空・ミサイル防衛技術があるという。 抑止力に失敗した場合を想定し、日本は攻撃システムのアップグレードを求めており、12式地対艦ミサイルのアップグレード、中距離地対空ミサイル、極超音速兵器、島嶼防衛用の対艦ミサイルなどがある。 また、高エナジーレーザーや高出力マイクロ波放射技術など、ドローン群に対抗する指向性エナジー兵器も求めている。無人システムでは、水中と地上無人装備用のコマンド&コントロール技術を求めている。 新戦略の発表以来、最も注目されている防衛協力プログラムは、第6世代ジェット戦闘機を開発するイギリス、イタリアとの共同作業「グローバル・コンバット・エアー・プログラム」だ。 ハーケンライダー参事官は、日本の新しい国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛予算の増強は、「時代の課題に対応する歴史的な資源と政策の転換」につながると述べた。 しかし、数十年にわたる平和主義的な政策と、安全保障の傘を米国に依存してきた結果、日本の防衛産業はまだ足元を固めらていないと、会議の講演者は述べた。 三菱重工業 、 川崎

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックIIAとSM