GE, Rolls Give Up on F136 JSF Alternate Engine
aviationweek.com Dec 2, 2011ジェネラル・エレクトリックとロールスロイスはF136エンジン開発を中止する。これでF-35共用打撃戦闘機の代替エンジン開発計画は消滅することになる。
- こ の決定の出発点は去る10月31日のGEエイビエーション首脳部と国防次官アシュトン・カーターAshton Carterの会合で「国防総省から自社開発への支援が得られる見込みがなくなったため」とGEは説明。国防総省はすでに4月にF136開発の中止を決め ていたので、驚くべき内容ではないが、これでF-35に採用済みのプラット・アンド・ホイットニー製F135エンジンを上回る性能をねらったF136の 15年に渡る開発は終了することになる。
- 業界筋ではJSFのエンジン関連業務量を1.000億ドル相当と見ており、代替エンジン開発による競争効果で15から20%の生涯費用節約を予想していた。
- F136 開発の中止により戦闘機用エンジンメーカー間の将来の第六世代戦闘機向けエンジン開発のバランスにも影響が出る。プラットとロールスが従来は考えられな かった共同事業の形で民間商用機向けのターボファンエンジン開発にとりかかっており、その延長で第六世代機用の軍用エンジン開発でも提携する可能性が出て きた。
- ペ ンタゴンから終結宣言が出た時点で開発は八割ほど完了しており、国家予算も30億ドル程度投入されていたが、GEとロールスは自社資金によりF136開発 を2012年度まで続けると宣言していた。しかし、GEによるとカーターの発言により「F136の開発継続が困難と判断し、JSF関連の連邦予算の動向も さらに不確実性を増している」という。
- これまでにF136開発用エンジン6基で合計1,200時間の稼働実績がある。GEによるとF136関連の人員は全員他部署へ移動の予定だという。
- F136 は技術的に先進性があるとはいえ、GEとロールスは別箇に将来の第六世代機用エンジン開発を空軍研究所の適合性多用途エンジン技術Adaptive Versatile Engine Technology (Advent) 他の研究成果を利用しながら模索してく。両社はF136技術で特許を出願しており、同エンジンはそのまま開発を継続できないばかりか、長距離爆撃機構想な どの他の用途に流用することはできない。
- GE、ロールス両社は開発中止は最終決定であり、仮に議会が自社開発案を指示したとしても、両社とも復活の意向はないという。
- こ れまで同エンジン開発を指示してきたのは上下両院のうち特に下院軍事委員会でペンタゴン、ホワイトハウスに働きかけてきたが、ホワイトハウスはブッシュ前 政権時代からこれに反対しており、同エンジン開発による支出増とそもそも2つのエンジンを開発することが効率性の観点から疑問を持たれていた。
- そ もそも両社の共同事業は1996年にロールスロイスがアリソンの親会社となり、GE-アリソンチームに加わりYF120巡航エンジンを当時検討中だった JSFの各種発展型用のエンジンとして開発を着手したことで成立した。両社はGEA-FXLエンジンとしてJSF短距離離陸垂直着陸型の垂直飛 行・巡航飛行用のエンジン案でも共同事業パートナーとなっている。
- 同年後半に政府が正式にYF120をJSF代替エンジン開発の対象として選定したことで両社の共同事業は正式になった。当初はアリソンがエンジン中核部分と低圧タービンを、ロールスがファン部分の設計と製造を担当する計画だった。
- 翌1997年に議会の求めに応じてペンタゴンがGE-ロールスチームにより代替エンジン開発の仕組みづくりを開始し、両社はF136と呼称を変更したエンジンの開発に取り組んだのであった。
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